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CFNM

CFNMや露出についての萌える体験をコピペしました(^^;)

2024-04

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お湯につかったまま、タイミングをはかっていました。
すだれ1枚を隔てた向こうには、卑劣な覗きの男たち・・・

(まだだ、まだ・・・)
(もう少し時間をおいてから)

胸のどきどきを抑えられません。
まさに、非日常の空間に身を置いているような気分でした。

(わたしは・・・わたしは・・・)

あくまでも、覗かれている『被害者』の立場です。
この子は、まったく悪くありません。
何の罪もない表情で、遠くの景色に目をやってみせて・・・

(ねえねえ、鼻の下が伸びっぱなし?)
(どんなふうにからだを拭いてみせてほしい?)

と・・・

(あっ・・・)

一瞬、失敗を犯してしまった自分がいました。
すーっと視線を横にずらしたとき・・・
すだれごしとはいえ、向こう側と『目が合ってしまった』ような気がしたのです。
もちろん、勘違いのはずでした。
そんなことは物理的に絶対ありえません。

でも・・・本当に勘違い?
・・・焦燥がわきあがって、ものすごい胸騒ぎがしてきます。

(まずい?・・・まずった?)

瞬時に、すべての自信をなくしていました。
このまま気づかないふりを続けていいものか、すごく不安になります。

(えっ、えっ、どうする)
(どうしよう)

終わらせるしかありませんでした。

すだれのほうに向けて、
「誰っ!?」
鬼気迫った声を投げつけます。

(しょうがない)
(もう、ここまでだ)

仕方ありませんでした。
悲鳴をあげることで彼らを追い払って・・・
私自身も、泡を食ったように服を着て逃げ出す・・・
もうそれしか落としどころがありません。

やむを得ない流れでした。
人の気配を察知して、不審感でいっぱいになっているかのような顔をします。

演技していました。

「ざばっ」

お湯からあがって、
「誰かいるんですか・・・?」
おどおどした素振りですだれに近づきます。

(どきどきどき)

身を乗り出すように裏側を見ると・・・護岸の下に彼らがいました。

ふたりと完全に目が合います。
すかさず、
「きゃあああーっ!!」
渓谷中に響くような絶叫をあげるこの女・・・

(さよなら)

演技を貫いたままで・・・
自分のからだを隠すようにして、その場に小さくうずくまってみせる『私』でした。
だって、私は思い込んでいたのです。

「きゃっ、きゃああー!!」

悲鳴をあげれば『覗きがバレてしまった』と慌てふためいて・・・
彼らは一目散に逃げていくものだと。
なのに、
(えっ、えっ)
その場で間が抜けたように、私と視線が合ってしまったままでいるふたり。

1秒・・・2秒・・・
時間がとまったような感じになります。
私のほうこそ困惑していました。

「きゃああああー!」

もういちど悲鳴を浴びせかけます。
後ずさりして、
「じゃぶん」
湯だまりに飛び込んでいました。

「ぼくたち、怪しい者じゃないです」

おかっぱヘアーのほうの男が、開き直ったようにへらへらとしています。
悪意のある目でした。
すだれの陰から堂々と姿を現して、
「きゃあっ、きゃあっ」
お湯に身を沈めている私のことを見ています。

「よかったら混浴しませんか、と思って」

もうひとりのチビ男もいっしょでした。
ひょいっと、護岸の下からあがってこようとしています。

(嘘、うそっ)

本気で『まずい』と思いました。
ここは、それこそ『超』がつくほどのド田舎です。
渓谷の狭間にひっそりとたたずむ、無人の野天風呂でした。
過去にも、ここの温泉で嫌な思いをしたことがないわけじゃありません。
身の危険に直面しているのを感じました。
でも、
(あああ、こうなっちゃうのか・・・)
そのわりには、さほど慌てていない自分がいます。

「えっ、えっ、えっ」

焦った『ふり』をしながらも・・・
逃げ出す手立てを考えようと、頭がフル回転していました。

「ちょっとっ、なんですか!」
「ここ女湯ですよっ!!」

「そんなのどこにも書いてないじゃーん」

腰に巻いていたタオルを外して、いっしょのお湯に入ってくるふたり・・・

「じゃぶっ」
「・・ざぶっ」

女湯は、男湯の岩風呂のように大きくありません。
大人が3人も入ったら手足も伸ばせないような、小さな『湯だまり』です。

「イヤあイヤあ、なんなの」
「あっち行って!」

男ふたりに左右を挟まれながら、懸命に身を縮こませていました。
2本の腕だけで、必死にからだを隠します。
逃げようがありませんでした。
透明のお湯の中に揺らぐ私のからだを見ようと、ふたりが密着してきます。
・・・悪意たっぷりにニヤニヤしながら。

(ああ、あ・・・)

絶体絶命でした。
いつ襲われたっておかしくない状況です。
それなのに・・・
本当に、私には・・・こんな一面があったのでしょうか。
こんな状況にもかかわらず、内心死ぬほど興奮している自分がいます。

(ひいん、恥ずかしい。。。)

恐怖はありませんでした。
いや、本当はあるはずなのに・・・

(見ないで、見ないでえ)

こんなに嫌がっているのに、無理やり混浴させられている『かわいそうな女』がここにいます。
必死に前を隠しながら、
(ひいん、変態。。。)
自分の胸を押さえていました。
おかっぱ男が、私の耳もとで囁きます。

「ねえねえ、名前なんて言うの?」

問いかけを無視して、
「あっち行って」
泣きそうにうつむいていました。

危ないシチュエーションだとわかっているのに、真っ裸の自分に興奮しています。
チビ男が、意地悪そうに鼻の下を伸ばしていました。

(いやあん、恥ずかしい)
(あっち行ってえ)

「どっから来たの?」
「かわいいって言われるでしょ?」

お湯から出るに出られず・・・
身をすくめたまま、必死に手でからだを隠している『この女』・・・

相手に何も言い返すことができません。
そんな、どこまでも気の弱い『内気な女』になりきりました。

「ねえねえ、ダンスが趣味なの?」

はっと顔をあげて、当惑の表情を浮かべてみせます。
ずっと覗かれていたんだと、いま気づいたかのように・・・
「ぇ・・ぇ・・ぇ」
ショックに動揺してみせて・・・

「じゃあ、肩こるでしょ?」

露骨にニヤニヤされていました。
おかっぱ男が、
「マッサージしてあげるよ」
いきなり『すっ』と私の肩にふれてきます。

「イヤっ!」

次の瞬間には・・・
腕といい、脚といい、お湯の中でからだじゅうを揉みまわされていました。
とっさにどれかの手を掴んでも、
「イヤっ、痴漢!」
他の何本もの手が、私の胸をさわってきます。
あからさまに嫌がってみせますが、チビ男に思いっきりおっぱいを揉まれていました。
振り払っても振り払っても、太もものあいだにまで手が割り込んできます。
4本の腕には抵抗できませんでした。
何度も股間をなぞられながら、
(ふざけんな・・・ふざけんな・・・)
何も言えずに、目にいっぱいの涙を浮かべている自分がいます。

「やめて、やめて」

半ば、諦めの境地でした。
さわられるのは、心底イヤな私です。
それなのに、
(あああ、自業自得だ)
あっさり観念してしまっている自分がいます。
嵐が過ぎるのを、じっと待つしかありませんでした。
うなだれたまま、身動きもできずにいるこの女・・・
泣きそうな声で、
「痴漢・・・痴漢・・・」
つぶやくのがやっとです。

「そうでーす」

おかっぱ男が調子に乗っていました。
おちゃらけながら、
「ぼくたち、痴っ漢でーす」
無抵抗な私を背中から羽交い締め(?)みたいにしてきます。

「きゃっ!」

ほどこうとするも、びくともしませんでした。
私の両脇を抱えたまま、
「きゃぁっ」
そのまま強引に立ち上がろうとするおかっぱ男・・・

「きゃあっ、きゃぁぁあっ」

ふりほどこうと抵抗しますが、
「ざばっ、ざばざばっ」
お湯の中から、無理やり引き立たされてしまいます。

(ひいいいん)

最高に興奮しました。
すっぽんぽんのまま、どこも隠すことができません。
チビ男の目の前で、
「イヤぁ、見ないで」
からだをよじって恥ずかしがる私・・・
おかっぱ男に後ろからがっちり抱え込まれたまま、両腕を下ろさせてもらえません。
つま先立ちになるぐらい、からだをのけ反らさせられて・・・

「イヤあ・・・」
「・・恥ずかしいぃ・・・」

無防備そのものでした。
チビ男が、私の股間を凝視しています。
涙声で、
「放して、放してよう」
必死に左右の太ももを重ね合わせようとする、この女・・・
そんな自分が“最高”に快感でした。
男に見られているのに、脚を閉じることができません。

(ひいん、見ないでえ。。。)
(変態・・・変態・・・)

そして次の瞬間には・・・“最低”な気分を味わっていました。
そのチビ男が、私の股に顔を埋めてこようとします。

正直、このあたりからの記憶はそれほど鮮明ではありません。
なす術もなく痴漢されていました。
羽交い締めされたまま、
「やめて、やめて」
がっくりと抗う気力を奪われていく私・・・

(私、このまま)
(最後まで犯られちゃうのかもしれないな)

そんなこと自分には起こらない・・・
ずっとそう思ってきながらも、
(いつか、こんなことになるときが来るって『わかってた』・・・)
すでに現実感もなく、どこか他人事のような気持ちでした。
昔だって、いつもリスクはひしひし感じていたのです。
しょうがないというか、
(10代の小娘じゃあるまいし)
長年こんなことを続けてきていた以上、なんとなく覚悟はできていたのかもしれません。

背後からの力がゆるみました。
おかっぱ男が、そのまま後ろから左右の胸を鷲づかみしてきます。
感触を楽しむように、
(こいつ、弄びやがって・・・)
私のおっぱいで遊んでいる、このブサイクな男・・・
悔しくて涙が出ました。

(ヤラレてたまるか)

自分でもよくわかりません。
からだが勝手に動いていました。
力の限りに、
(ばっかやろー!)
彼のからだを後ろに押している自分がいます。
勢いのまま、相手をぺたんと湯だまりのふちに尻もちをつかせていました。

(ふざけんな)

次の瞬間には・・・
覆いかぶさるように、おかっぱ男の唇を奪っていた私・・・

同時に、相手のお〇んちんを手で掴んでいました。
ぶちゅぶちゅとキスしてやりながら、握りしめたものを素早く上下します。
ものの数秒でした。
あっというまに果てたおかっぱ男・・・
そのまま呆然となっています。

(たしか昔)
(誰かが言ってた)

驚いているチビ男のほうを向きました。
反り立ったものを握ってやると、信じられないという顔になっています。

(この変態ヤロー)

キスを浴びせてやりながら、右手でそれを摩りあげました。
私も、もう完全に開き直っています。
誰かの手が、がさつに私のお尻を撫でまわしていました。
鷲づかみに尻の割れ目をなぞられますが・・・
そんなの無視して、
(さわりたきゃ、さわれよ)
目の前の男の唇を、激しくむさぼります。

(こんな美人だぞ)
(キスされて夢みたいだろ?)

チビ男も、すぐに果てていました。
振り向きざま、
(ブサイク野郎・・・)
間髪入れずに、またおかっぱ男のを握ります。

もはや身動きもせず、私にお〇んちんを委ねてしまっているこの痴漢男・・・

(誰かが言ってた)
(イカせちゃえば萎えるって)

明らかに、1回目より衰えているのがわかりました。
かまわず一気に擦りあげます。

(私だって)
(このあいだまで結婚してたんだから)

微妙なさじ加減で、小刻みに手を上下してやりました。
うっとりしているのが伝わってきます。
すかさずキスしてやると・・・
ぐっ、ぐっ・・・という感じの顔になっていきました。
再び、私の手の中で果てています。

さっきまでの勢いが嘘のようでした。
ふたりとも、茫然自失といった表情になっています。

潮目が変わった感じがしたこの瞬間を、私は見逃しませんでした。
今しかありません。
氷のような目で、冷たく言い放ちました。

「通報しますから」

ぎょっとした顔になるおかっぱ男・・・
明らかに動揺した感じになっています。

本当にそうするつもりはありませんでしたが、自分の身を守るためでした。
怒りに満ちた表情で、
「許しませんから」
ふたりに憤懣やるかたない視線を向けます。

ふたりが逃げ出そうとしていました。
彼らも必死だったのでしょう。
おかっぱ男が、私にとびかかってきていました。
腕を掴んできたので、
「きゃあっ」
それを懸命に振りほどこうとします。

そのとき・・・

私は、信じがたい光景を目にしていました。
まるでスローモーションでも見ているかのように・・・

(ああっ・・・)

チビ男が、私のトートバッグを持って・・・
さらに、脱ぎ重ねておいた私の服もぜんぶ抱えて・・・

石垣をまわって男湯のほうへ逃げていきます。

そして私は、
「きゃっ」
自分だけ湯だまりの中に突き落とされていました。

「ざぼん!!」

おかっぱ男も、チビ男の後を追うように消えていきます。

(イヤっ)
(待って!!)

声が出ませんでした。
ざばざばとお湯から立ち上がって、湯だまりから出ます。
私も石垣をまわりこみました。
開けっ放しになっていた木戸から、男湯スペースへ・・・

(嫌っ、そんな・・・)

とても追いつけるような距離ではありません。
もう、ふたりとも階段道を駆け上がりはじめていました。

アイツら自身の服と荷物はもちろん・・・
私の服までいっしょに持って・・・

全裸の男ふたりが、一目散に逃げていきます。

(嘘・・・)

呆然と見送ることしかできませんでした。
痴漢たちの後ろ姿が、あっというまに階段道のカーブへと消えていきます。

(嘘・・・嘘・・・)

ただただ、呆然としていました。
いつまでたっても事態を受け止めることができません。
とにかく、ショックでした。

(そんな、そんな・・・)
(ぜんぶ持っていかれた・・・)

このあたりの場面からは、また記憶が鮮明に残っています。

恐怖と不安が一気に押し寄せてきていました。
貧血を起こしたかと思うぐらい、歩きながら足もとがぐらぐら揺らぎます。
放心状態のまま、とりあえず女湯スペースに戻っていました。

(嘘・・・嘘・・・)
(こんなの、嘘・・・)

頭の中がものすごく混乱したまま・・・
なぜか、意思とは関係なくからだが動いています。

湯だまりの前にひざまずいていました。
木桶でお湯をすくって、入念に自分の手を流します。
奴らが私の手の中で果てたときのべとべとを、何度もお湯で流していました。

(はだかのままで・・・)
(こんなところに・・・)

状況は理解できています。
でも、頭の中で未だに現実を受け止めきれていませんでした。
この世が終わったような気持ちとでも例えたら、少しは焦燥感が伝わるでしょうか。

(どうしよう・・・どうしよう・・・)

衝撃というか、自分の状況がショックでした。
過去にだって幾度となく窮地に陥ったことがなかったわけじゃありません。
その都度、なんとか切り抜けてきた『私』でした。
でも、そんなの・・・思えば、ただ運がよかったというだけのことです。

今度という今度は、奈落の底に突き落とされたような心境でした。
だめだ、
(泣く・・・)
不安がこみあげて、嗚咽をこらえることができません。

(どうしたらいいの)

荷物も服も、すべて盗まれてしまいました。
残っているのは・・・
横の岩に置いておいたタオル1枚と、スニーカーだけ。

(どうしたらいいんだよ)

絶望感でいっぱいでした。
ここは・・・こんなにも山奥にある、渓谷の温泉です。


たったひとりで取り残されてしまった私・・・

・・・助けを呼ぶ?

(でも、誰に?)
(どうやって?)

考えがまとまらないまま、お湯をくみ上げていました。
頭が空っぽになってしまった状態で・・・
あのふたりが地べたに飛び散らせた汚いものを、ざばざばーっと流している自分がいます。
はだかのまま、女湯スペースで途方にくれていました。

(とにかく最後まで襲われずにはすんだ)

もはやネガティブなのかポジティブなのかさえも、わかりません。

(荷物は、もういい)

とりあえず、トートの中には最低限のものしか入れてきてありませんでした。
盗まれたとはいえ、あの中には身元が知れるものや貴重品はありません。
そして・・・

(車のキーは、ちゃんと置いてきてある・・・)
(予備の服も一揃い、車の中にある・・・)

徐々に、冷静になってきていました。
とりあえず車まで戻ることができれば、自力でなんとかなる・・・

(そうすれば)
(何事もなかったかのように帰れる)

またしても途方にくれていました。
このまま全裸で駐車場まで戻るなんて、できるはずがありません。
でも・・・
(やるしかない)
・・・涙が出そうでした。

あとになって考えてみれば・・・
そのまま他の入浴客が来るのをひたすら待つという選択肢もあったのかもしれません。
現れたその人に事情を話して、助けてもらうという手もあったはずでした。

なぜなのかは、わかりません。
このときの私には、その発想がまったくありませんでした。
追い詰められてしまって、とにかく必死です。
なんとか切り抜けなきゃという一心でした。

素足にスニーカーをはきます。

(誰にもみつからずに)
(車まで戻るしかない)

岩に置いてあったタオルを取りました。
バスタオル代わりに持ってきていた、スポーツタオルです。
たいして大きくはありません。

腰に巻いて結わえました。
せいぜい、ひざ上まで隠れる程度しかない短さです。

(これだけ)
(たったのこれだけ)

あまりに心細くて、ひざががくがく震えそうでした。

(こんなの)
(はだかなのといっしょ)

幸いにも利用者の多い温泉ではありません。
とはいえ、駐車場まで戻る途中で・・・
誰かに鉢合わせしないとは言い切れませんでした。

(行くしかない)

木戸から出て、男湯スペースを突っ切ります。

(みつからずに行くしかない)

心臓がどうにかなりそうでした。
耳の裏あたりまで響いてくるような感覚で、鼓動がどきどきしています。
すでに『生きた心地』がしていませんでした。
階段道を上りはじめます。
登りながら、崖に沿うようにカーブしていく階段道・・・

(もしそこの先から)
(いきなり誰かが現れたら・・・)

考えるだけで、まともに息ができませんでした。
口で呼吸をしながら、おそるおそる登っていきます。

(どきどきどき)

誰もいませんでした。
ほっとしながら、なぜかNさんの顔を思い浮かべます。
あの人とサヨナラしたあと、まっすぐ実家に向かっておけば・・・
こんなことにならなかったのに・・・

(なんでまた来ちゃったんだ)
(馬鹿だ、私・・・)

後悔でいっぱいでした。
調子に乗って戻ってきてしまった自分の愚かさをひらすら呪います。

(どきどきどき)

階段道を上がりきりました。
森の歩道に出る1歩手前で、立ち止まります。
そのまま、少し様子をみました。

(どきどきどき)
(どきどきどき)

自分ひとりだけが、この場に立っています。
人の気配はありませんでした。
ここを『左』にまっすぐ進めば、やがて駐車場に行きつくことになります。
でも、完全に足がすくんでいました。
どうしても勇気を出すことができない私がいます。

(無理・・・無理・・・)

ここから先のほとんどは・・・
片側は山の斜面で、もう片側は崖のような感じになっている細い歩道でした。
途中でまったく逃げ場のない1本道です。

のんびり歩けば10分ぐらいですから・・・
走っていけば、数分でしょうか・・・

(こんな格好で)
(とてもいけない)

来ないときは1時間待ってたって誰も来ないような野天温泉ですが・・・
だからといって、いまこの瞬間に人が歩いて来ていないなんて言い切れませんでした。

やっぱりやめてお風呂のところに戻るなら、ここがラストチャンスです。
でも、戻ったって・・・
それで活路が開けるわけではありませんでした。

(行くしかない)
(きっと大丈夫、誰にも会わない)

ここからは、運を天に任せるしかありません。
勇気をふりしぼりました。
震える足で、最初の1歩を踏み出しかけます。
が、
(あっ!!)
反射的に、森の歩道を『右』へと駆け出していた私・・・

(やばい、やばい、やばいっ!!)

確かに、人の気配を感じていました。
10メートルも行ったところで、すぐに脇の木のかげに隠れます。

(どきどきどきどきどき)
(どきどきどきどきどき)

行こうとしていた方向から、やはり人が歩いて来ていました。

(こんなところでみつかったら)
(言い訳できない)

中高年の男性たちです。
3人でした。
死にそうな気持ちで息を潜めたまま、必死に気配を消します。

(どきどきどきどきどき)

「看板出てるぞ」
「ここ下りてけばいいのか?」

(どきどきどきどきどき)

わいわい言いながら、階段道を下っていく気配がしていました。
なんとか無事にやりすごせそうです。

(どきどきどきどき)
(どきどきどきどき)

心底、怖くなっていました。
さっき、もし躊躇わずにそのまま進んでしまっていたなら・・・
この格好のままで、あの人たちに出くわしてしまっていたはずです。

(こんな格好で)
(・・・全裸も同然の、こんな格好で)

躊躇う気持ちが、私をその場に踏みとどまらせていました。
今から行って、また同じことが起こらないとは言い切れないのです。

(どきどきどきどき)
(どきどきどきどき)

それでも行くしかありませんでした。
あのおじさんたちが下りて行ったことで、むしろ退路も断たれてしまったような状況です。
もう、お風呂に戻ることも不可能でした。
本当に泣きそうで泣きそうで・・・恐怖に涙があふれてくるのを必死にこらえます。

(どきどきどき)
(どきどきどき)

覚悟を決めました。
行くしかない・・・やはり行くしかないのです。

(おねがい)
(誰にも会わさせないで)

木のかげからそっと出ました。
なかなか不安に打ち勝つことができず、どうしても足がすくみます。

(行こう)

・・・なるべく早足で。
・・・誰にも会わないよう、なるべく短い時間で。

恐る恐る踏み出したスニーカーが、地面でパチ、パチっと枝葉を鳴らしました。
そんな小さな音さえも、私の心臓を縮みあがらせます。
もう、祈るしかありませんでした。
やっと勇気をふりしぼった『私』・・・なのに・・・

そのときです。

(ひっ!)

お風呂に下っていったはずのおじさんたちが、いきなり階段道のところから出てきました。
思いっきり目と目が合って、
(ひいいっ)
ビタッと、からだが硬直してしまいます。

「ほうら、な」
「おかしいと思った」

(そんな・・・)

悪夢を見ているかのようでした。
慌てて自分の立場を取り繕おうとしている自分がいます。

「ちがうんです、ちがうんです」

両手で胸を隠したまま、泣きそうに言い訳をしていました。
腰が抜けそうになってしまって、後ずさりすることすらできません。

「お風呂で」
「服を、盗られちゃって」

(ひいい、見ないで)

全員、50~60代ぐらいの感じでした。
あまりにも無防備な私の姿に、3人とも目を丸くしています。

「へええ」
「すごい格好だね」

その下品な口ぶりに、すーっと血の気が引く思いでした。
同情してくれるというよりは、むしろ嬉々として面白がっているような感じです。

(最悪だ・・・)
(こんな最悪なことってあるの・・・)

見た目『美人』なこの容姿が、相手を興奮させているようでした。
必死に両手で胸もとを押さえている私に、ものすごい視線を浴びせてきています。

(助けてくれないの?)
(こんなに困ってみせているのに)

「大変だったね、お姉さん」

またしても絶体絶命でした。
親切なのは言葉だけで、
「もう大丈夫、安心だから」
明らかに、この手がずれておっぱいが露わになってしまうことに期待している目・・・
上着を貸そうと申し出てくれる様子もありません。

「ちがうんです」
「わたし、本当に服を盗られて」

信じてもらえている気がしませんでした。
いえ・・・哀れな私の言い分を、おそらく信じてくれてはいるのです。
わかったうえで、
(いやぁ、あっち行って)
半裸の私をじろじろ見ながら鼻の下を伸ばしているオヤジたち・・・

「そりゃあ、大変だ」
「悪いやつがいるねえ」

視線に遠慮がありませんでした。
タオルを腰に巻いているだけで、いまにも泣きそうになっている私です。
なかでも、左にいるメガネオヤジが要注意でした。
目つきが露骨にいやらしすぎます。

(こいつらもかよ)
(ちっくしょう)

「あれっ、だいじょうぶ?」
「ほどけそうだよ?」

いきなりでした。
まるでスカートめくりするみたいに・・・
メガネオヤジが、
「きゃっ!」
私の『腰のタオル』を、ふざけて後ろからめくろうとしてきます。

「何するんですかっ!?」

とっさに振り払っていました。
一瞬露わになってしまった胸を、慌ててまた手で隠しますが・・・
メガネオヤジが、してやったりの表情になっています。

「イヤっ」

(信じられない)
(こんなことする人、いるの!?)

そして、同時に興奮していました。
あまりの恥ずかしさに、顔をうつむけずにはいられません。

(こんな状況なのに・・・)
(・・こんな状況なのに・・・)

からかうように、
「ちゃんと結ばなきゃ」
しつこくタオルに手を伸ばしてこようとするメガネオヤジ・・・

「きゃっ!」

すその部分を掴まれていました。
引っ張られそうになって、
「イヤっ、やめてっ」
めくらめれまいと『両手』で必死に押さえます。

「お姉さん、おっぱい見えてんぞ!」

頭に、かーっと血が昇りました。
あとのふたりも、やんややんやの感じで囃したてています。

「ほら、ちゃんと隠さんと!」
「がんばれ、がんばれ」

泣きそうな顔で、
「いやあ、いやあ、意地悪・・・」
胸をまる出しにさせられたまま、懸命に股間のところでタオルを押さえていました。
ついには腰からも外れて、完全にはだけてしまいます。
タオルを剥ぎ取られていました。

「おおーっ!」

そのまま相手にタオルを奪われてしまいそうになりますが・・・
私も、
「きゃああああ!!」
意地でも手から離しません。

「うおぅ」
「すげえ!」

くつ以外は、すっぽんぽんでした。
取り囲まれたまま、オヤジたちに見られまくっています。

「返してくださいっ」

力では敵いませんでした。
綱引きとまではいいませんが、もうそれに近い状態でタオルを引っ張られています。
このタオルだけは奪われるわけにはいきませんでした。
両手で掴んだままなので、からだを隠すことができません。

「お姉さん、けつ!けつ!」

引きずられるように、
「ざざっ、ざざざっ・・・」
スニーカーの底が・・・1歩、2歩と地面を滑ります。

計算していました。
いや・・・計算なんかしていません。

(ひいいん、もっと見て)
(意地悪に囃し立てて)

両脚を開いて踏ん張りました。
太ももの筋肉を張ったまま、非力な女になりきります。
へっぴり腰を突き出して・・・
「返してっ・・返してっ・・・」
引きずられないよう踏みとどまろうとしてみせました。

(こんなオヤジに・・・こんなオヤジに・・・)

「べっぴんさん、○○○見えとんぞ!」

背後のオヤジたちから、嘲笑のような言葉を浴びせられます。

「イヤあっ、イヤあ」

痩せたお尻を全開にして、がむしゃらに引っ張り返すふりをしました。
ギャラリーのふたりを真後ろに従えたまま・・・
涙声で、
「返して、いじわる」
屈辱に顔を歪めてみせます。

(もうだめ、泣いちゃう)

さすがにかわいそうだと思ったのか、メガネオヤジがタオルから手を離してくれました。

その瞬間、もう駆け出している自分がいます。
森の歩道を全力で突っ走っていました。

(いやん、いやん)

しばらく行って振り返りましたが、ひとりも追ってきていません。
心臓が破裂しそうでした。
行く先を見渡しながら、ようやくタオルを腰に巻きます。

「はあ、はあ、はあ・・・」

足がぐらぐらしました。
木の根のようなものにつまずきかけて、肝を冷やします。
それでも走り続けました。

(お願い)
(もう誰もいないで)

息を切らしながらも、
「はあ、はあ、はあ・・・」
半裸で森の歩道をひた走りました。
幸い、誰とも鉢合わせするようなことはありません。

(お願い・・・お願い・・・)

駐車場まであと100mぐらいのところまで来ました。
このあたりから崖はなくなって、左右は森林のようになります。

「はあ、はあ、はあ」

その木々の中へと分け入りました。
もういちど、腰のタオルをしっかり結わえ直します。

「はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

歩道からではなく、森の中を抜けるようにゆっくり駐車場に近づいていきました。
足首にまとわりついてくる植物を踏み散らしながら・・・
人の気配に、全神経を研ぎ澄ませます。

(どきどきどき)

やがて、木々のあいだから駐車場が見えてきました。
私のレンタカーが目に入ります。

(よしっ、誰もいない)

おかっぱ男たちの車は、いなくなっていました。
あちらにとまっている白いセダンは、さっきのオヤジたちのものでしょう。
森のはじっこのギリギリのところまで進んで、慎重に様子を窺います。

(誰もいない)
(大丈夫・・・今なら誰もいない・・・)

静寂でした。
聞こえてくるのは、鳥の声・・・
木々のざわめき・・・
と思えば、

「ブオオオオ・・・」

けたたましい排気音が近づいてきて、そのまま1台の車が目の前の道を通過していきます。

(どきどきどきどき)

再び静けさが戻りました。
・・・耳に入るのは、森の音だけ。

(誰もいない・・・大丈夫・・・・・・)

森から飛び出しました。
自分の車のもとまで、一気に走ります。

「はあっ、はあっ、はあっ」

周囲に、私の服が散乱していました。
おかっぱ男たちが捨てていったのでしょう。
トートも落ちていました。
それらには目もくれず・・・
車体の、ある部分に隠していたキーを外します。

(誰も来ないで)
(誰も来ないで)

「はあ、はあ、はあ、はあ」

トランクを開けました。
ボストンバッグの中から、予備の服を掻きだします。

(誰も来てない)
(はやく・・はやく・・・)

下着もつけずに、一瞬でハーフパンツをはいていました。
かぶるようにニットセーターを着ます。
ほっとして・・・
がくがくがくと、ひざから脱力していました。

(どきどきどきどき)
(どきどきどきどき)

助かった・・・
・・助かった・・・

このときの私は、もう完全に抜け殻状態です。
でも、いつまでもこの場にとどまりたくはありませんでした。
焦りながらも、なんとか身なりを整えます。

(ちっくしょ)

ばら撒かれていた自分の服を拾い集めて・・・

(あいつら・・・)

それから車をスタートさせていました。
放心状態というか、このタイミングになってぼろぼろと涙がとまらない私・・・

(どきどきどきどき)
(どきどきどきどき)

しばらく行ったところで、車をとめている『私』がいます。
みじめな気持ちのまま、ずっと頭の中が真っ白でした。
このときに至っては・・・
もう何も考えることができずに、ただぼけーっとしていた感じです。

(わたし・・・)
(切り抜けたんだな)

おぼろげにそう思いました。

(ここまで危なかったのは初めてだけど)
(でも、いまはこうしてここにいる)

からだがガタガタ震えてきます。
気持ちを落ち着かせようと、無意識に口にしていたチョコレート・・・
その甘さに、ほっと安堵感を覚える私でした。


(PS)
長文にお付き合いいただいてありがとうございました。
思った以上に時間がかかってしまいましたが、ようやく最後まで書き終えました。
あれからもう半月ぐらい・・・
一部を除いて、記憶はまだかなり強烈なままです。

書こうと決めたそのときから、自身の心情の部分もなるべくつまびらかに綴っていこうと考えていました。
私の性格の悪さがわかってしまうようなくだりもふくめて・・・
自分なりに、心のうちまですべて正直に吐露して書いたつもりです。
これで私のことを嫌いになる人が増えたとしても、それならそれで別にかまいません。
もし批判したければ、お好きなだけどうぞ。

リスクについては、人から言われるまでもありません。
読んでくださった誰よりも、昔から私自身がいちばん身に染みて理解していることです。
それらもすべて併せのんだうえで、こうして書いて投稿した次第ですから・・・
あらたまっての忠告等はご無用です。
また、私のことをご心配くださるようなコメントも一切不要です。
そういう感じの流れになるのなら、私はここにはもう二度と投稿をしません。

私にとっては本当にショッキングな1日だったのですが・・・
おかげさまで、書き終えたことによって自分なりにだいぶん気持ちの整理もついた気がします。
くどいようですが、私はいたって元気ですので本当にご心配いただく必要はありません。
毎日元気にしています。

最後に、Nさんへ。
前半部分を読んで、かなりの衝撃をお受けになられたのではないかと思います。
いろいろとすみません。
ありがとうございました。

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