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CFNM

CFNMや露出についての萌える体験をコピペしました(^^;)

2016-05

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遊歩道

『再び遊歩道へ』


ここ数日、悶々とした日々を過ごしていました。
毎日のようにオナニーをしてはいたのですが、どうしても満ち足りません。
欲求不満でした。
自分の股に手を伸ばしながら・・・
(この手が、誰か男の手だったら)
恥ずかしいけど、そんなふうに想像してしまったことも何度もあります。

(行こう)

ずっと心の底に眠らせておいても、
(行っちゃおう)
不意に目を覚まそうとする、もうひとりの私・・・

土曜日の早朝、日の出の時間を見据えて早起きしていました。
自転車に乗って、目的地に向かいます。
これで何度目になるでしょう。
あの遊歩道を舞台にするのは。

住宅街の中に突然現れる、緑地帯・・・
その公園のすみに自転車を停めました。
ジャージを脱いで、ジョギングの格好になります。
脱いだジャージは自転車のカゴに入れました。

趣味のジョギング用というよりは、ほぼ競技者向けのランニングパンツです。
極端に丈が短くて、裾が広いタイプのものでした。
上は、ドライフィットのカップ付ウエアです。

紛失したくないので、自転車のカギは持ち歩きません。
ある場所に、そっと隠しました。
川沿いの遊歩道へと歩いていきます。

湿気が肌にまとわりつくような、濃密な空気でした。
もう9月も半ば・・・
早朝だというのに、今日もかなりの暑さです。
ひとたび走りはじめると、あっという間に汗が噴き出してきました。

狙うのは、犬の散歩をしている男の人です。
何度も成功しているので、コツはわかっていました。

しばらく走りますが、なかなか人に出会いません。

(さすがに時間が早すぎたかな)

けっこうな距離を走っていくうち・・・
ようやく、対岸の遊歩道に男性の姿を見ました。

(よし)

川を挟んですれ違ったまま、周りの状況を確認します。

(だいじょうぶ)
(問題ない)

次の橋のところで反対側に渡りました。
ランパンに手を突っ込みます。
インナーパンツの股を引っ張って、片側にずらしました。
(いつものように)
(これで仰向けに寝転べば・・・)
想像するだけでどきどきしてしまいます。
うまく演技する自信がありました。

そのまま、今度はその人を追いかけるように走っていきます。

犬のリードを引いた、そのおじさんの背中が見えてきました。
後ろ姿は、私よりも背が低いぐらいです。
まだ、どんな人なのかはわかりません。

(いざとなれば)

危ないと感じたら、その瞬間にダッシュして逃げるまでのことでした。
あの人は小さな犬を連れています。
私が全力疾走をすれば、簡単には追ってこられません。
言ってみれば、それが私の保険のようなものでした。

(どきどきどき)

走るスピードを落としていきます。
わざと足つきをよろめかせていました。
もはや早歩きと変わらないぐらいの感じで、おじさんを抜き去ります。
ちょうどベンチが設置されているあたりでした。
そのまま20mぐらい先まで進んだところで、
(いまだ)
私は足を止めてしまいます。
ふらふらと、遊歩道にへたりこみました。

(どきどきどき)

背後から、わんちゃんの気配が近づいてきています。

「どうしました?」

声をかけられました。
苦しそうに、
「はあ、はあ、はあ」
その人の顔を見上げてみせます。

60歳ぐらいの人でした。
髪が薄くて、頭頂部まで禿げているおじさんです。
一見、穏やかそうな印象でした。
決して自惚れで書くのではありません。
(この人も、やっぱりだ)
私の容姿を目にしたとたん、急に顔つきが変わっています。

(かかった)

からだの中で、子宮の奥がきゅうんとなります。
つらそうに息をあえがせながら、
「はあ、はあ、はあ」
うずくまったまま、頭をふらふらさせてみせました。
おじさんが寄り添ってきてくれます。

「くらくら・・しちゃって・・・」
「脱水・・症状・・かも・・・」

立とうとするふりをして、両手を地べたにつけました。
そのまま動けず、眉間にしわを寄せる私・・・

前かがみのノースリーブ・・・
その胸もとが、大きく口を開けていました。
おじさんが、めざとく中を覗き込んできます。

(あああん)
(見てる)

作戦どおりでした。
胸から浮いたカップの内側に、ぽつんと乳首が見えているはずです。

(見てるよう)

何もわかっていないふりをしました。
おっぱいを覗かれながら、
「はあ、はあ、はあ」
苦しそうに、呼吸を荒くしてみせます。
われながら完璧な演技でした。
(恥ずかしい。。。)
ぎょろっとした目に、たるんだ頬・・・
おじさんが、私の乳首を見ています。

(ああん、見ないで)
(わたし恥ずかしい。。。)

相手の視線を意識していました。
「はあ、はあ、はあ」
心とは裏腹に、自虐の気持ちに火がつきます。

(もっと見て)
(恥ずかしい気持ちにさせて)

が・・・、意外でした。
大抵の男性なら、そのまま1秒でも長く覗いていようとするのが普通なのに・・・

「大丈夫ですか?」
「そこにベンチがありますから」

おじさんは、やさしく私を促そうとしてくれます。

犬のリードを持ったまま、
「ほらっ」
後ろから抱えるようにして立たせてくれていました。

(うわ・・・)

いちおう、朦朧としたふりを続けます。
わからなかったのです。
この人の真意が。
本当に親切でしてくれているのか・・・
親切を装って、こんな私に抱きついてきているのか・・・

(どうしよう)

以前に、このパターンで相手に痴漢されたことがありました。
一瞬たりとも気を抜くことはできません。

わきを抱えてもらっていました。
よろよろと歩みを進めます。
そのおじさんの手が、私の胸の部分に当たっていました。
(わざとなの?)
本当に判断がつきません。

「はい、座って」

ベンチまで連れてきてくれたおじさん・・・
私を腰かけさせてくれながら、
「ゆっくり」
寄り添うように、そのまま自分もいっしょに横に座ってきます。

「休んでたら、落ち着くから」

ふたりで横並びに腰かけていました。
後ろからまわってきた手に、肩を抱かれています。

(ああ、だめだ)
(この人はだめだ)

明らかに不自然でした。
下心の『気配』をぷんぷん感じます。
でも・・・
自分でも不思議でした。
なりゆきのまま、素直に身を委ねてしまっている私がいます。
なぜか、安心感がありました。
うまく説明できないのですが・・・
精神的に優位に立っているのは私のほうです。

(見て。。。)
(もっと私を見て)

半分目をつぶって、つらそうなふりをしてみせました。
肩を抱かれたまま、
「はあ、はあ、はあ」
苦しそうに呼吸を荒げます。
おじさんが、私の顔をじろじろ見ているのがわかりました。
(このおじさん。。。)
かなり悦に入っている雰囲気です。
それはそうでしょう。
あくまでも、介抱しているという建前ですが・・・
容姿だけはちょっと目を引く、こんな『美人』の肩を抱き寄せているのですから。

そして・・・
ぴったり密着されたまま、
「だいじょうぶ?」
やっぱり胸もとを覗き込まれていました。

(ああ、近い。。。)

腰かけていますから、胸のカップはあまり浮いていません。
それでもこのおじさんは、私のおっぱいを見ようと夢中です。

(恥ずかしいよ)

演技を続けていました。
何もわかっていないふりをします。
かすれ声で、
「すみ・・ません・・・」
申し訳なさそうにつぶやいてみせました。
脱水症状の『かわいそうな女』になりきって・・・
胸もとを見られている自分に、どんどん興奮してきます。

(どうしよう)
(くっつかれすぎ)

相手は、かなり露骨な人だとわかっているのに・・・
このシチュエーションが快感でした。
眉間にしわを寄せたまま、
「はあ、はあ、はあ・・・」
朦朧としているふりを続けます。

わんちゃんが、足もとでちょろちょろしていました。
私の肩にまわっていた手が、さりげなく前のほうまで下がってきています。

どさくさまぎれもいいところでした。
微妙な感じで・・・
おじさんの手が、服の上から胸のカップに押し当たっています。

奇妙なぐらい、現実感がありませんでした。
さわられたりとかは嫌なのですが、
(ああ、わたし)
(痴漢されてるのかも)
まるで他人事のように、そう思っただけです。
何も気づいていないかのように、無反応を装っていました。

すると・・・
このおじさんも、調子に乗ったのでしょうか。
服の上から、
(あ・・・)
少しずつ大胆に、私の胸の感触を探ってきています。

(ちょっと・・・)
(馬鹿・・・)

自分でも怖いぐらいでした。
明らかにさわられているのに、いつになく『余裕』な私がいます。

完全に演技モードになっていました。
周りの状況を、脳が『客観視』するような感覚になっています。
自分で演じている、このかわいそうな女・・・
なぜだかわからないけど、
(もっと)
おじさんを喜ばせてあげたい気持ちでした。

また胸をぎゅっとされてしまいます。

さすがに、気づいてみせないわけにはいきませんでした。
まだ具合が悪いという表情で、
「ぁ・・」
うつろに顔を上げてみせます。

おののくような目を向けてみせました。
おじさんが、ぎょろっと見返してきます。
文句のひとつも口にできない、気の弱い女になりきっていました。
そのまま、うつむいてしまいます。

ウエア越しに胸を揉まれていました。

(ああん)
(さわられるのは、嫌なのに)

黙ったまま泣きそうな顔をする私に、
「だいじょうぶ?」
「めまいとかする?」
白々しい言葉で、自分を正当化しようとするおじさん・・・

(痴漢されてる)
(わたし、痴漢されてる。。。)

私も懸命に演技していました。
身をすくめながら、
「やめて・・ください・・・」
蚊の鳴くような声をしぼりだしてみせます。
いつでも逃げられるように足の置き位置を整えていました。
私の胸を揉みながら・・・
相手の顔が、もうスケベおやじそのものです。

向こうのほうから、1台の自転車が近づいてきていました。
おじさんの手が離れます。

(ああ、わたし)
(すごい興奮してる。。。)

その気になれば、いつでも逃げられる自信はありました。
それよりも・・・
(もっと)
(もっと恥ずかしくしてほしい)

私たちの目の前を、
「シャーッ・・・」
自転車が通りすぎていきます。

おじさんが・・・
わんちゃんのリードを、ベンチのはしに引っ掛けていました。

(ああ、またさわられる)

頭の中では、本当に嫌でたまらないのに・・・
この女の『されるがまま』の境遇に、興奮している自分がいます。

おじさんが、
「冷えてない?」
「だいじょうぶ?」
わざとらしく、私の腕をさすってきました。

おどおどした目で、首を横に振ってみせると・・・

その手のひらが、
「ほら、冷たくなってる」
ウエアをめくって、直接おなかに触れてきます。
(あ・・・)
払いのけたくなる気持ちを我慢しました。

(あ・・あ・・・)

そのまま、なぞるようにウエアの中を上がってきて・・・
カップの下側から、中に滑り込んできます。

(ああん、イヤ)

直に、胸をさわられていました。
おっぱいを撫でまわす手を、
「やめてください」
泣きそうな顔で、私は『服の上から』押さえます。

(馬鹿・・・馬鹿・・・)

頭ではそう思いながらも、心の中はものすごい興奮状態でした。
よりによってこんなおじさんに、
(イヤぁん、痴漢。。。)
おっぱいをさわられている自分がいます。
自分の意思とは関係なく、勝手に涙がにじんできました。
いやらしく胸を揉みまわしてくるその手つきに、
(ああん)
(恥ずかしい)
羞恥心でいっぱいになります。

私は、悪くない・・・
かわいそうな『被害者』なんだから・・・

されるがままになってあげていますが、それは表面上だけのことでした。
この人はわかっていないでしょうが・・・
実際には、私が主導権を握っています。

「やめて・・ください・・・」

乳首をさわられていました。
肩からまわってきていたほうの手に、ウエアの襟を引っ張られます。
カップが浮いて、胸もとがまる見えでした。
顔を近づけるようにして、
(ああぁん)
あからさまに中を覗き込んできます。
相手の頭が、目の前にありました。
指先で私の乳首を弄びながら・・・
おじさんが、それを自分で見ています。

さすがに、
(ああん、ヤだ)
あまりにも恥ずかしすぎでした。
執拗に乳首を弄られて・・・
涙声で、
「やめて、やめて」
嫌がるふりをしてみせます。
顔が『かーっ』と熱くなりました。

(ああん)
(もう許して)

演技だけは、最後まで続けなければなりません。
相手の耳もとで、
「やめてください」
声をかすれさせました。

すると・・・
私の顔を『ぎょろっ』と見てきます。
威圧するかのように、
「助けてあげてるんじゃないか」
高圧的な口調でした。

でも、まったく怖くなどありません。
私の演技に騙されているのは、このおじさんのほうでした。
口をつぐんだまま・・・
目にいっぱいの涙を浮かべてみせると、
「倒れてたってのに」
「見捨てていけって言うんですか」
その叱りつけてくる声が、完全にうわずってしまっています。

そして・・・
とって代わるような『猫なで声』になっていました。
狙いすましたように、
「ほら、こんなに」
「冷たくなっちゃってるじゃない」
むき出しの私の太ももを、手のひらで撫でてきます。
もう一方の手で、肩をぐっと抱かれました。

(あああ、馬鹿。。。)

はいているのは、極端に丈の短いランパンです。
太ももを撫でていた手が、
(ああ・・・)
そのまま裾の中に入ってきました。
身をすくめるように、からだを固くしてみせます。

おじさんの手が、インナーの中でもぞもぞ動いていました。
「イヤっ・・・いや」
表面上は、ものすごく嫌がってみせています。
でも、本当は興奮していました。
こんなシチュエーションなのに高揚してしまう自分は初めてです。
力なく、
「やめて、やめて」
つぶやいてみせました。
そんな私の顔を、おじさんがドアップで覗きこんできます。

(恥ずかしい)

ものすごい近さでした。

「かわいいなあ」
「どこかの選手なの?」

私が相手のことを言える筋合いではありません。
でも、
(この人、最低な男だ)
そう思いました。

「本当、かわいいなあ」
「結婚してるの?」

意地悪そうに、じろじろ顔を眺めてきます。

股のあいだで、指を『ぐにぐに』されていました。
悔しそうに、
「やめてください」
唇を引き結んでみせます。

(もうだめ)
(区切りをつけなきゃ)

ここまでだと思いました。
さすがに、もう逃げないと・・・

泣きそうな顔で、
「すみません」
「もう、だいじょうぶですから」
相手のからだを押しのけます。

立ち上がって、とぼとぼ歩きだしました。
(どきどきどき)
追いかけてくるんじゃないかと緊張しましたが、大丈夫のようです。
振り向くと・・・
おじさんは、ベンチに腰かけたままニヤニヤしていました。
恨みがましい目を向けてみせて、
「馬鹿・・・最低・・・」
軽蔑するように吐き捨てます。
そして、
(さよなら)
ゆっくりと走りだしました。

(どきどきどき)

おじさんから見えないところまで来て、足を止めます。
罪悪感でいっぱいでした。
(馬鹿・・・馬鹿・・・)
最低なのは私のほうです。

(なにやってるの)
(やりすぎだよ)

危ない橋を渡ってしまった自分に、すごく怖くなりました。

(危ない)
(こんなの絶対だめ)

自転車が見えてきます。
(調子に乗ったら、いつか身を滅ぼす)
ちゃんとわかっているのに・・・
自分を戒めることができない情けなさでいっぱいでした。

小さい

『小さい胸で』


買い物がてら、街に出てきました。

10月に帰省したとき、すごくショックな経験をして・・・
それで、かなり懲りてしまった自分がいます。
いま思い出してみても、
(軽率だった)
悪いのは私ですし、そのことは完全に自業自得だという気持ちもありました。

(まともな人間にならなくちゃ)
(いつか身を滅ぼすことになる)

はっきりとそう認識している、冷静な日常の自分がいます。
一方では、それでも『どきどきしたい』という気持ち・・・
ここしばらくのあいだにも、幾度となく私はジレンマに襲われていました。
でも、やっぱり・・・
(怖い思いはしたくない)
矛盾するようですが、もうリスクを冒すようなことは二度とごめんです。

買い物は、すぐに終わりました。
人混みのデパートを歩きながら、
(よし。。。楽しもう。。。)
もやもやする気持ちをなだめます。

(わかってる)
(決して無茶はしない)

あらかじめイメージしていたとおり、近くの家電量販店に行きました。
まずトイレに寄って、鏡で外見をチェックします。
簡単にメイクを整え直しました。
(だいじょうぶ)
自分で言うのもなんですが、落ち着いた雰囲気のキレイな女です。

はおっていたオータムコートを脱ぎました。
中には、首もとのゆるいワンピースを着ています。
本来よりも、かなり大きいサイズのブラをつけてきていました。
こうしているぶんには、なにも特別なことはありません。

でも・・・
鏡に向かって、前かがみになってみます。
そうすると、
(いい感じ)
ゆるゆるの首もとが『ぽっかり』開いて、中のブラがまる見えでした。
まったくフィットしていないカップが、胸から浮いて・・・
今にも乳首が見えそうです。

トイレを出て、エスカレーターに乗りました。
おもちゃ売り場のフロアーに向かいます。
けっこうな人の多さでした。
特に、テレビゲーム関係の売り場は人だらけです。

もっと人の少ないところ・・・

(狙い目の人はいない?)

○○の売り場のところに行きます。
小さな女の子を連れている、ある『パパさん』が目に入りました。
脱いだコートは腕に抱えて、ワンピース姿で近づいていきます。

(いい感じかも)

私と同世代ぐらいに見えました。
子ども連れの男の人なら、安心です。

(問題ない)
(やってみよう)

どきどきしていました。

(だいじょうぶ)

私には、怪しいところなどありません。
大勢いる、ただの買い物客のひとりです。

女の子は、一生懸命に○○を見ていました。
ふたりの横をすり抜けます。
そして、しゃがみこみました。
下のほうにあった○○を、2つ手に取ります。
プレゼントでも選んでいるかのように・・・
そのまま、2種類の○○を見比べるふりをしました。

(気づいて)

立っているパパさんのすぐ横で、しゃがみこんでいる私・・・
ワンピースの首まわりが、大きく口を開けています。

(あ、早っ・・・)

すぐに、パパさんの目にとまったようでした。
さりげなく私の背後に、にじり寄ってきています。

(来た。。。)

視線を感じていました。
私は、何もわかっていないふりをします。

(覗いてる)

娘に付き添ったまま・・・
○○のショーケースに目を落とす素振りをする、パパさん・・・

ワンピースの中で、すっかりブラのカップが浮いていました。
開いた首もとを上から覗きこまれて、
(ああん)
もう私の乳首が目に入っているはずです。

(どきどきどき)

私は、ふっと振り返るように顔を上げました。
しゃがんでいる自分が通路をふさいで邪魔している・・・
そう思ったかのように、
「あ、すみません」
腰を上げかけながら、パパさんの顔を見ます。

ばっちり目と目が合っていました。
私の容姿に『おっ』という表情を浮かべたパパさんが・・・
いえいえという感じで首を横に振ります。

胸もとを覗かれたその相手に、自分の顔を見せてあげながら・・・
私は、自然体を演じていました。

軽く会釈しただけで、また○○に目線を落としてみせます。
邪魔にならないようにと、少しからだの向きを変えただけで・・・
『しゃがんだまま』を続けていました。
熱心にパッケージの裏を読むふりをして、
(恥ずかしいよ)
再び、この人に私の胸を見るチャンスをつくってあげます。

自然な感じで、首まわりが空いていました。
見下ろすように覗きこめば、ほぼ『まる見え』な小さいおっぱい・・・
パパさんが、さりげなく首を伸ばしてきているのがわかります。

買うつもりもないおもちゃを見比べながら、
(ヤあん、見ないで)
私は、浮いたブラのカップの内側を『覗き見』されていました。
自分の小さい胸にコンプレックスを感じながらも・・・
そのせいで見えてしまっている乳首に、
(ああん、いやん)
本当は恥ずかしさでいっぱいです。

(どきどきどき)

見ないで、見ないで・・・

心臓がきゅうっとしました。
羞恥心に耳が熱くなってきます。

(どきどきどき)

そして、何もわかっていなかったふりのまま立ち上がりました。
他のおもちゃも見る素振りをしながら、売り場を離れます。

下りのエスカレーターに、乗っていました。
あの親子とは、もうさよならです。

(すごい・・・)
(すごいどきどきした・・・)

フロアーを変えて、トイレに飛び込んでいました。

短かったけど、
(ああ、興奮する。。。)
心臓が破裂しそうに胸を打っています。

過去の自分を思えば、大したことじゃないはずなのに・・・
乳首を見られてしまったことが、じゅうぶんすぎるほどの『ドキドキ』でした。
恥ずかしさに顔を真っ赤にしている女が、目の前の鏡に映っています。

(いい・・・)
(すごく気持ちいい・・・)

心の中の重い鎖が、ほどけたような気持ちでした。
かたちの上では、ちょっとしたハプニングにすぎません。
ほとんどリスクはありませんでした。
その高揚感が、心地よい興奮を覚えさせてくれます。

(じゅうぶん)
無理しなくたって・・・
(私には、これでじゅうぶんだ)

鏡をみつめました。
硬く緊張した顔を和らげるように、表情筋を動かします。

(私は、買い物してるだけ)

ちっとも不自然じゃない・・・
このワンピースの首まわりがゆるいだけ・・・

自分に自信がわいてきました。

(もういちど)

トイレを出て、売場案内の表示を確かめました。
上りのエスカレーターに乗ります。

どきどきしていました。
どこもかしこも、人だらけ・・・
誰も、私の存在なんか気にしていません。
演技を楽しむ心積もりをしながら、狙いのフロアーを目指していました。

他人

買い物で都心に出た帰りに、電車の中でぼーっと広告を眺めていました。
そこそこ混雑した車内ですが、周りは当然知らない人ばかりです。
ふと、視線を感じました。
私は、吊皮につかまって立っています。
目の前に座っている男の人が、さりげなく私の顔を見上げてきていました。
30歳ぐらいの人でしょうか。
ほぼ真下のような角度から・・・
見知らぬ男の人が、私の顔を眺めています。

私は気づかないふりをしていました。
彼の視線に、深い意味などないのはわかっています。
ちょうど正面に居合わせただけの女・・・
彼にとって、たまたま私の容姿が目を引いたというだけのことでしょう。

じろじろ観察されているのを、はっきりと感じていました。
嫌悪感もありますが、それ以上に恥ずかしさが湧いてきます。
『すっ』と、目線を下に落としてみました。
視線が合いそうになる寸前に、彼のほうが目を逸らします。
素知らぬ表情で、また車内広告に目をやる私・・・
車窓に、町並みの景色が流れていました。
春を目前にした陽射しは、目に眩しいほどの明るさです。

なんとなく、降りたことのない駅で電車を降りていました。
久しぶりに軽くどきどきしてみたい気持ちになったのです。
改札を出て、知らない町を少し散策してみました。

土地勘がまったくないので、だんだんと方向感覚がなくなってきます。
途中で歩道橋を渡りました。
さらにしばらく歩いてみると、大型スーパーが見えてきます。
そこまでにして、いちど駅前まで戻りました。

スタート地点に戻った私は、さっきと同じ道をまた同じように歩いていきます。
リスクを冒すつもりはありませんでした。
怖い思いをするのは嫌だからです。

(だから)
(軽く、ちょっとしたことでいいから)

駅から離れて、人通りが絶えてきたのを意識していました。
周りの様子を窺います。
向こうから高校生ぐらいの男の子が歩いてくるのが見えました。

自然体を装います。
立ち止まって、足もとにバッグを置きました。
ひざ丈の長さのスカート姿です。
しゃがむように腰を落として、シューズのひもを直しました。
きちんと両脚を閉じています。

男の子が近づいて来ていました。
タイミングを計って、からだのバランスを崩します。
よろけかける感じで・・・
一瞬、左右に脚を開いていました。
すぐに体勢を直して、太ももを揃えます。

男の子が、横を通りすぎていきました。
立ち上がった私も、何事もなかったかのように歩きだします。
最初の角を曲がったところで、
(恥ずかしい)
顔の表面が『かーっ』と熱くなりました。
逃げるような気持ちで歩きながら、さっきの一瞬を頭の中で反芻します。

(あの子。。。)

ちょうど目の前に来たときに、絶妙な角度で開いてしまった私の両ひざ・・・
瞬間的に、男の子の視線がスカートの中に突き刺さってきたのを感じていました。
時間にすれば、ほんの一瞬のことです。

(でも、)
(しっかりパンツを見てた)

たかがショーツを見られたというだけのことでした。
それでも、こんなにも私の羞恥心を煽り立てる『他人の視線』・・・

(たかがパンツ)
(たいしたことないのに)

よみがえるどきどき感に、心臓が苦しくなります。

ショーツを見られたことが恥ずかしいわけではありませんでした。
自分がしてしまった、こんな『行為』そのものに胸をしめつけられるのです。

無心で歩き続けました。
いえ、本当は・・・
心の中で、道行く人を目で追ってしまっている自分がいます。

(だいじょうぶ)

リスクを冒しているというほどのことじゃない・・・

道なりに角を曲がって、はるか向こうに歩道橋が見えるところに出ました。
ここまで来ると、人通りは極端に少なくなります。
私の30mぐらい先を歩いている、太ったおじさんの後ろ姿が見えました。
前後を見回しても、他に人の姿はありません。

(よし)

あの人に追いつこうと、早足になって歩きました。
のんびり歩いているおじさんの背中が、少しずつ近づいてきます。
あと5~6mぐらいにまで迫ったところで、もういちど周りを確認しました。
特に、問題はなさそうです。

(だいじょうぶ)

さらにおじさんに近づきながら、腰の後ろに手をまわしました。
後ろ手で、スカートのファスナーを下ろします。

そして追いつきざま、
「あの、すみません」
そっと声をかけました。

『ん?』という顔で、おじさんが立ち止まってくれます。

「スーパーの○○って、道はこちらで合ってますか?」

思っていたよりも年齢の高そうなおじさんでした。
50代の半ばぐらい?
まるまると太った体型に、広い額が特徴的です。

「合ってますよ」

女に道を尋ねられたというだけで、嬉しそうな感じでした。
「その歩道橋を渡って、○△×□・・・」
馬鹿丁寧に、行き方を教えてくれます。

「はい」
「ええ・・・はい」

私は、まっすぐに相手の目を見ながらその説明を聞いていました。
無垢なふりをした私のこの顔を、おじさんにしっかり印象づけてあげます。

そして、
「すみません、ありがとうございます」
感謝の眼差しをつくって、にっこり微笑んでみせました。

お互いに同じ方向に歩き出して・・・
私のほうが、ほんの少し前に先んじます。
おじさんが気づかないはずありませんでした。

すぐ目の前を歩く、私の後ろ姿・・・
背中の下からお尻にかけて、スカートのファスナーが開いたままです。

(恥ずかしい)

どう見ても『うっかり』と、開いたままになっているファスナー・・・
中に着けている白いショーツの一部が顔を出しているはずでした。

(たかがパンツが見えているだけ)

それでも、自分で気づかぬふりをしながら恥をかいているこの感覚・・・
背徳感に興奮してしまいます。

おじさんと距離が離れすぎないように、心持ちゆっくり歩きました。
ウエストでホックが留まっていますから、スカートが落ちる心配はありません。

(たかがパンツ)
でも・・・
(ああ、こんなことしてる私)

羞恥心にむずむずしながら、歩道橋の階段を上がっていきました。
おじさんも、数秒差ぐらいの距離で私の後方から上がってきています。

渡り切って道路の反対側に下りたところで、私は歩みを止めました。
立ったまま、シューズのひもを直すふりをします。

開いた部分を強調してしまうかのように、前かがみの姿勢になっていました。
V字に開いたファスナーに、中のショーツがまる見えです。

(ああん、みっともない)

おじさんが私を追い抜きました。
まだシューズを直している私を、振り返るように見ます。

(早く、教えて)
(恥じらってあげるから)

いちどはそのまま行きかけたおじさんが、再び足を止めました。

「あの・・・失礼だけど」

私は、きょとんとしてみせます。

「後ろ・・・チャック開いてますよ」

私は『はっ』とした顔で、手を後ろにまわしてみせました。
ファスナーを確かめるふりをしながら、
「あ・・あ・・すみません」
突然のことに動揺しているふりをします。

(あああ、恥ずかしい)

慌ててファスナーを上げました。
演技しながらも、本当に顔が熱くなっています。
きっと真っ赤になっている顔で、
「やだ・・・駅からずっと・・・」
はにかむように表情をつくってみせました。

一瞬『ふふっ』と笑みを浮かべたおじさんの前で・・・
私は、
「どうも」
恥じらいでいっぱいの顔を向けて、かたちだけ会釈します。
そして、足早にその場をあとにしていました。

いちども振り返らずに、スーパーまで歩きます。

(ああ、いい気分)
(気持ちいい。。。)

こんなにもくだらない自分なのに、なんとも言えなく幸せな気持ちでした。

(PS)
私なりに思うところがありますので、このスレは上げないでおいてください。
もしコメントをくださるのなら、『投稿を上げない(スレッドを上げない)』にチェックを入れてください。
よろしくお願いします。

他人2


待ち焦がれるような思いで、ようやく週末を迎えました。
思いのほか肌寒い午前中でしたが、昼過ぎになってからは陽射しが出てきています。
ゆっくりと昼食を終えてから、マンションを出ました。

自転車に乗って、のんびり走っていきます。
(犬の散歩をする人が多いところ)
私には心当たりがありました。
去年の真夏・・・
何度か通いつめた、あの遊歩道・・・

自転車をこぎながら、記憶がよみがえってきます。
ジョギングのふりにかこつけて、けっこう無茶をしていたあのときの自分・・・

あれから1年と経っていませんが、私という人間はだいぶ変わりました。
もう大きなリスクを冒すようなことをする気はありません。
(些細なことでいい)
(大したことじゃなくても)
ほんの少しのどきどきを味わえれば、私はそれで満足なのです。

久々の自転車が、つらく感じます。
太ももが張るような感じで、運動不足を実感しました。
30分ぐらいかかって、目的の場所に到着します。

住宅街の一角に現れた、森のような公園・・・
自転車を停めました。
トートバッグを持って公園のわきを抜けると、細い川が流れています。
その川に沿って整備された遊歩道を歩いていきました。

(なんだか)
(妙になつかしいな)

散歩がてら、ずっと歩いていきます。
だいぶん気温も上がってきて、陽射しのぬくもりを感じていました。
羽織っていたスプリングコートを脱いで、腕に抱えます。

人通りがなくなったタイミングで、カットソーの背中に手を入れました。
私の胸は、さほど大きくありません。
全然ないわけじゃないけど・・・
はっきり言えば、小さいほうです。
その胸にはまったく合わない、サイズの大きなハーフカップのブラを着けてきていました。
そのブラのホックの位置を、さらにゆるめて・・・
服の中で、カパカパにしてしまいます。

途中、何カ所かで桜の木を見かけました。
まだ満開にはほど遠い感じですが、木によってはちらほら花が開いています。

(きれい)

せっかくの休日なのに、会社での自分を思い出してしまいました。
年度末の忙しさに、息が詰まるほどのストレス・・・
こうやってただ『ぼけっ』としながら歩くことですら、幸せな時間の過ごし方のように思えてきます。

前方に目をやりました。
向こうから、犬をリードにつないだ人が歩いてくるのが見えます。
イメージしていたとおりの場面でした。

(やろう)

私はどきどきしたくてここに来たのです。

(だいじょうぶ)
(相手に迷惑はかからない)

40歳ぐらいの男の人でした。
かわいらしい柴犬(?)を連れて、こっちに歩いてきています。

だいぶん近づいたところで、私はにこにこ顔になってみせました。
その犬に、目が釘付けになったふりをします。
そして・・・
私のそんな様子を、うまく相手の男性に気づかせました。

「あの・・・」
「撫でさせてもらっていいですか?」

『思わず』といった口調で、彼に話しかけます。

おじさんと呼ぶにはちょっと早い感じの、メガネの男性でした。
実際、こんなにかわいらしいわんちゃんです。
同じようにお願いされることも多いのかもしれません。

「いいですよ」

笑顔でOKしてくれました。
私は満面の笑みで、犬の頭に手を伸ばします。
そう・・・
ちょうど、お辞儀するときぐらいの『前かがみ』になって。

すべて計算の上でした。
襟ぐりの深い、ボートネックのカットソーが・・・
首もとで『がばっ』と、大きな口を開けてしまっています。

目の前に立つメガネさんに、中がまる見えでした。
サイズの大きなハーフカップのせいで、ブラが『ぱかっ』と胸から浮いています。

私はすぐにしゃがみこんでいました。
トートバッグを脇におきます。
抱えていたコートを、中に突っ込みました。
わんちゃんと顔を突き合わせるようにして、
「かわいい」
嬉しそうに、犬の頭を撫でます。

(見えたはず)

ほんの5秒ぐらいだったとはいえ・・・

(無防備な私の胸を、目に焼きつけたはず)

確信がありました。

「この子、お名前はなんて言うんですか?」
「ソラです」

笑顔で答えるメガネさんですが・・・
その『目の動き』にだけは、もう本当の感情が現れてしまっています。

「ソラちゃん・・・かわいいですね」

(ああ、もう私の勝ちだ)

どきどきしていました。
あとは、このまま『何も気づいていない女』を演じるまでです。

私は、
「ソラ、ソラ・・・」
わんちゃんに声をかけながら頭を撫でました。
こうして普通にしゃがんでいる分には、首もとは開きません。
メガネさんの目をみつめながら、
「何歳ですか?」
私のこの容貌がしっかりと印象づくようにしてあげました。
そして、
「4歳です」
メガネさんの答えに微笑みながら・・・
しゃがみ姿勢がつらそうな感じで、ジーンズの片ひざだけ地べたにつきます。
相手の目線の動きを感じ取っていました。
「ソラちゃん、ソラちゃん」
首もとが大きく開くように、姿勢を傾けます。

「こいつ、○○なんですよー」

メガネさんのからだが、ぐっと寄ってきました。
私に話しかけながら、
「けっこう甘えん坊でー」
いっしょになって、ソラちゃんの背中を撫でてきます。
すべて見透かしていた私には、もうバレバレなのですが・・・
前かがみに首を伸ばしてきた彼の顔が、
「ソラ、よかったなソラ・・・」
そう言いながら、『さりげなく』私の頭上に近づいてきていました。

(ああ、だめ)
(恥ずかしい)

浮き上がったブラと、ほぼまる見えになっている華奢な胸・・・
真上から覗き込まれていました。
メガネさんの視線には何も気づいていないふりをして、

「ソラちゃん、かわいい」

もっとブラが浮くように・・・
もっとカップの内側が見えるように・・・

両手を前に差し出すようにして、わんちゃんのからだを撫でます。

(ああだめ)
(乳首まで見えてる)

脳の奥が、じーんと痺れました。
恥ずかしさに息苦しくなって、顔全体が一瞬で熱くなります。
羞恥心に張り裂けそうになる気持ちをおくびにも出さず、
「こんな子、私も飼ってみたかったなあ」
すぐ近くから私の胸を覗きこんでいる、彼の顔を見上げました。

「犬がお好きなんですね」

にこっと笑いかけてくるメガネさん・・・
その瞳の奥に帯びている、彼の内心の感情が伝わってきます。

「ええ、大好きなんです」

わんちゃんも懐いてきてくれて・・・
すごい勢いで、
「きゃ」
私の口もとに鼻をフンフン近づけてきます。

その勢いにのけぞるようになりながら、目をつぶって口を尖らせました。
自分でも恥ずかしくなるようなキス顔をつくって、
「んーんん」
わんちゃんに、べろべろ口もとを舐められます。
ざらざらした感触に、
「ふふっ、うふっ」
楽しそうにくすぐったがってみせながら・・・
すぐ間近から男の人に見られていることの興奮を覚えていました。

「もう・・・本当、かわいい」

潮時を感じて、立ち上がります。
メガネさんに、
「すみません、ありがとうございました」
にこにことお礼を言いました。
最後にもういちど・・・
立ったまま屈みこんで、
「ソラちゃん、元気でね」
わんちゃんの背中を撫でながら、前かがみの首もとを大きく開きっぱなしにしてあげます。

真正面に立つメガネさんの目前で、まる見えになる浮いたブラ・・・
おっぱいの膨らみの先端で、ぽつんと飛び出している私の乳首・・・

(恥ずかしい)

しっかり目に焼きつけさせてあげてから、
「どうも」
その場をあとにしていました。

そのまま、とぼとぼ歩きながら・・・
心の中では、身悶えしそうなほどに感情が昂ぶっています。

(ああ、泣きそう)
(恥ずかしい)

完璧だと思いました。
最初から最後まで、何も知らぬふりを通しきることができています。

(あんなに顔を近づけてきて。。。)
(馬鹿。。。)

なんとも言えない清々しい気分でした。
あれだけ楚々とした女になりきりながら、そっと恥をかいてみせたこの私・・・
湧きあがる興奮に、心が満たされていく自分を感じます。

(できる)
(これなら危なくない)

私なんて何の取り柄もない女ですが・・・
唯一の武器といえば、この外見の容姿です。
容貌で、初対面の男性の目を引くだけの自信はありました。
そんな私の、左右の乳首・・・
あのメガネさんは、どんな思いで目に焼きつけていたことでしょう。

恥ずかしい行為に興奮する『私』と・・・
相手の反応を見て楽しんでいる『私』・・・
その両方が確かに存在しているのを自分でも認識していました。

ずっと歩いていくと、その後もときどき犬を散歩させる人とすれ違います。

(あの人はだめ)
(あの犬じゃだめ)

ごく自然な流れでした。
『もういちど』という気持ちが、私に相手を慎重に選ばせようとしています。

(あ・・・)
(どうしよう・・・)

近づいてくる男の人が見えました。
ソラちゃんのときより一回り大きい洋犬(?)を連れたおじさんです。

第一印象は、いまひとつでした。
なんというか・・・
いかにも女好きそうな・・・
そんな雰囲気を感じさせる中年男性だったのです。

(どうする?)

もし同じ社内にいたら『セクハラを警戒したくなるような上司』といったイメージでしょうか。
でも・・・
私の気持ちは、もう固まっていました。
(だいじょうぶ)
(やれる)
いざとなれば、簡単に逃げることだってできる状況です。
もう要領はつかんでいました。

(こんな感じの人が相手なら)
(むしろ、ますます恥ずかしい気持ちになれる)

清純そうに演技することへの興奮が湧いてきます。
さっきと同じパターンを意識していました。

(よし)

すれ違う寸前に、おじさんに話しかけます。
自分にできる最高の笑みで、

「あの・・・」
「撫でてもいいですか?」

その犬に目を奪われたふりをしました。

「ああー、どうぞー」

50歳前後といったところでしょうか。
額を光らせた、太っちょなおじさんでした。
どことなく、先日の『スカートのファスナー作戦』のときの人を彷彿とさせる外見です。
でも、いちばん違うところは・・・
こうやって私が話しかけただけで漂ってきている『いかにも女好きそう』な目の光でした。
鼻の下にたくわえたヒゲも、余計にそう感じさせるのかもしれません。

OKをもらった私は、
「ありがとうございます」
嬉しそうに目を輝かせてみせました。

(いやらしそう)
(すごい緊張する)

前かがみになって犬の頭を撫でました。
カットソーの首もとが大きく口を開けた瞬間・・・
それに気づいたヒゲのおじさんが、もう目線を突き刺してきています。

(すごい食いつき)
(ちょっと、恥ずかしすぎるかも)

すぐに姿勢を戻しました。
何も気づいていない顔をして、
「この子、お名前はなんていうんですか?」
とびっきりの微笑みを向けてみせます。

ヒゲさんの鼻が膨らんでいました。
「チェリーっていうんですよ」
内心、嬉々としているのでしょう。
こんな『美人な子』の笑顔が、目の前にあるのです。
そして偶然にも、一瞬目に飛び込みかけた小さなおっぱい・・・
私のカットソーを見ながら、『これはチャンス』と思っているに違いない顔でした。

うまくすれば『もっと見れる』・・・
首もとが開けば、『また見れる』・・・

そんな相手の期待を感じ取りながら、私は何もわかっていないふりをします。

「男の子ですか?」

口もとをゆるめて、
「男の子ですよ」
やさしい声で、にんまりするヒゲおじさん・・・
もう私には、その表情がとてもいやらしく思えて仕方ありません。

(ああん、いやだよう)
(こんな人に見られるのは)

だけど、確実に安全なシチュエーションです。

「いま何歳ですか?」

わんちゃんの前にしゃがみこみました。
ボートネックが再び『ぽかっ』と開くようにして、やさしく頭を撫でます。
大きいのに、すごくおとなしい犬でした。
地べたに片ひざをついた私に、

「5歳です」

すかさず、ヒゲさんがにじり寄ってきます。
頭の上から覗きこまれていました。

(ああ、見えちゃう)
(すごく恥ずかしい)

開いた首もとの中で、ブラは『ぱかっ』と胸から浮いています。

「チェリーちゃん」
「かわいい」

もう少しで見えそうな乳首を目にしようと必死なのでしょう。
気づかれるはずないとでも思っているのでしょうか。
ヒゲさんが、何度も私の頭の上に首を伸ばしてきていました。

(ああん馬鹿)
(そんなに見たいの?)

私たちの横を、関係のない通行人が歩いていきます。
はたから見れば、なにも不自然じゃない私たちのこの光景・・・

(恥ずかしいよ)
(こんなおじさんに見られたくない)

屈辱感が押し寄せてきていました。
そんな自身の気持ちの葛藤が、ますます私を興奮させます。
そして・・・
「チェリーちゃん、チェリーちゃん」
前かがみの姿勢になって、わんちゃんの背中を撫でました。

隙間の空いたカップの内側に、貧弱な白い胸がまる見えになります。
突き刺さってくる目線の先には、つつましくも突起した私の乳首・・・

ヒゲさんの鼻の下が伸びていました。
それでも気づいていないふりを演じながら、
「この子、おとなしいですねえ」
「すごくかわいい」
自然体の笑顔を向けてあげます。

息苦しいほどの羞恥心に苛まれながら、

乳首が見えているのも知らないで・・・
こんなに嬉しそうなこの女・・・
そんなおじさんの心の声を、頭の中で想像していました。

いやらしい視線をひしひしと感じつつも、
「チェリーちゃん、よしよし」
わんちゃんに夢中なふりを続けます。

本当は、悶えたいぐらいに恥ずかしさでいっぱいでした。
目の前のおじさんに乳首を見つめられながら、必死に奥歯を噛みしめる私・・・

(ああん、もうだめ)
(こんなの耐えられない)

満足そうに立ち上がって、
「ありがとうございました」
丁寧にお礼を言います。

「いいえ、こちらこそ」

名残惜しそうな相手の表情を目の当たりにして、さらに興奮しそうになる私がいました。
でも、深追いは禁物です。
鼻の穴が膨らみっぱなしのヒゲさんと、少しだけ世間話をしてから・・・

「じゃあね、チェリーちゃん」

何事もなかったように、その場を立ち去る私でした。

微笑み

『微笑みの裏で』


電車に乗って、街に出てきました。
アウターの中は、Uネックのニット。
例によって、私には大きすぎるサイズのハーフカップブラを着けています。

今度は街でチャンスをみつけるつもりでした。
やはり私は好きなのです。
他のことでは決して味わえない、この興奮と背徳感が。

(私なら上手にできる)
(無茶する必要なんかない)

都心ですから、どこに行っても常に人の目はあります。

(どこに行く?)

真っ先に頭に浮かんだのは、家電量販店でした。
以前にも、うまく同じようなことをできた経験があるからです。

とりあえず、その前に気持ちを落ち着かせたい気分でした。
チェーン店のカフェをみつけて入ります。

時間帯のせいか、けっこうすいていました。
トレイに載せたコーヒーを持って、2Fへと上がります。
奥まったところの席につきました。
バッグとともに、脱いだアウターを横に置きます。

・・・と、

唐突に向かいの席から声をかけられて『どきっ』としました。

(あれ・・・この人・・・)

万が一に備えて、相手についての特徴や具体的な会話の内容をここに書くのは避けることにします。
顔を知っている人でした。
仕事関係ですが同じ会社の人ではない男性、とだけ記しておきます。

(こんなところで)

まったくの偶然でした。
驚いたのは相手も同じだったようで、
「○△□×・・・」
挨拶に続けて、わりと馴れ馴れしくしゃべりかけてきます。

正直、こんなときに知っている人になんか会いたくもありませんでした。
気が重くなってしまいます。

本当の私は、すごく人見知りするのです。
確かに、いままで何度か顔を合わせたことはあったけれど・・・
実際には、ろくにしゃべったことすらない相手でした。
だからといって、無視するわけにもいきません。
とりあえず愛想よく会話を返しながらも、
(もう・・・ついてない)
(なんでこの席を選んじゃったんだろ)
それが私の本心でした。

私には『気まずさ』しかないのですが、彼は違うようです。
あたかも友だちにでも対するかのように、
「○△×○△□・・・」
「△□○×、○×△・・・」
積極的に話しかけられていました。
相手が、私と心の距離をつめたがっているのを感じます。

(やだなあ)
(面倒くさい)

それでも、しょうがなく話を合わせている私がいました。
表情だけは微笑みを絶やさずに、
(早く飲んで、店を出よう)
世間話に付き合いながらコーヒーを口にします。

(せっかく、うきうきした気分でいたのに)

朝からのはりきった気持ちをそがれた感じになって、なんだか台無しな気分でした。
私には、この人と親しくなりたいという思いもありません。

(それにしても)
(この人、嬉しそうだなあ)

お互いに、『ただ面識だけはある』という関係にすぎません。
おそらく彼は、これまで私のことを『容姿』で好印象に思っていたはずです。
私と顔を合わせたときには、
『あ、○○の人、今日はいる』
そんなふうに見ていたことでしょう。
仕事モードでない、ナチュラルな自分を見られているような気がして・・・
居心地が悪くてなりませんでした。

そして・・・
言いようのない不安を覚えてしまいます。
もし顔見知りであるこの人に、私の秘密がばれてしまったら・・・

胸もとのゆるそうなUネックのニット・・・
今日、自分が街に出てきた理由がわかってしまうんじゃないか・・・
すべてを見透かされるんじゃないか・・・
根拠もなく心配な気持ちになって、どうにも落ち着きません。

(だいじょうぶだよ)
(知られるわけないじゃない)

自意識過剰なのは、自分でわかっていました。
この人にとって、私は常識ある普通の会社員なのです。
後ろめたさを読み取られるはずなどありませんでした。
ブラを『カパカパ』にしているのは、服の中でのこと・・・
こうして普通にしている分には、まったく怪しく見えるところはありません。

(いつもそう)
(ひとりで悪いほうにばかり思い込んで)

慎重といえば慎重なのですが、そんな自分自身が情けなくなってきます。

(この人は、本当の私なんて知らないのに)

相手に引け目を感じて、すぐに堂々とできなくなるダメな私・・・

(だったら)
(この人にやってあげようか)

自分のダメな部分を振り払おうとするかのように・・・
心の奥底から、悪魔の声に囁かれます。

計算していました。
相手は知り合い。
いちおう面識のある男性です。
でも・・・
(だいじょうぶ)
(たとえ相手が知人でも)
偶然のハプニングを装う限り、それはあくまでも『ハプニング』です。
私さえ、最後まで気づかぬふりを突き通せば・・・
この人が勝手に『ラッキー』と思うだけで、変に怪しまれる心配もないはずでした。
やり方は、もう身についています。

それとなく、バッグから出したメガネをかけました。
UVカット用の、レンズには度の入っていないメガネです。

彼の世間話に興味を持ったふりをしてみせました。
悪魔の声が、
(楽しそうに話してやれ)
(いい女だと思わせてやれ)
どんどん私の自尊心を煽り立てます。

にこにこ会話を続けながら、

(本当は、私とお近づきになりたいんでしょ?)
(いいチャンスだと思って、必死なんでしょ?)

彼の表情に、その思いを感じ取っていました。

(ごめんね)
(私は、そんな気ないの)

慎重に、相手の心の動きを想像します。
目線の動き・・・口調の変化・・・
おしゃべりに付き合いながら、
(いまだけだよ)
(私の顔を、もっと見ていいよ)
彼のためだけに、何度も微笑みを向けてあげます。

さりげなくメガネを外しました。
そのままニットの胸もとに挟むようにしてぶらさげます。

他のお客さんは、ほんの数人・・・
手もとの紙ナプキンは1枚だけ・・・

自分の気持ちの中の、タイミングをはかりました。
いちおう相手は顔見知り・・・
(恥ずかしいよ)
(おっぱい見せるなんて、恥ずかしいよ)
どんどんプレッシャーがかかってきます。
そして、テーブルの上で・・・

(よし、今だ)

残り少なくなったコーヒーのカップを、
「ガチャン」
わざと手からすべらせました。

「あっ」

倒れたカップを慌てて直しますが、中身はこぼれてしまいます。
テーブルの端まで流れたコーヒーが、そのまま床にもこぼれ落ちました。
焦ったふりをして、手もとの紙ナプキンを鷲づかみにします。

カフェでは、よくある光景でした。
一瞬、他のお客さんたちがこっちを見ますが・・・
それもほんの数秒だけのことです。

やっちゃったという顔で、テーブルを拭く私・・・
つられるように彼も立ち上がって、余分の紙ナプキンを取りに行ってくれます。

(よし、このまま)

戻ってきた彼から、
「すみません」
乾いた紙ナプキンの束を受け取りました。

(ああ、見てる)

前かがみの姿勢でテーブルを拭く私・・・
がばっと口を開けてしまったUネックに、彼の目線が突き刺さってきています。

(恥ずかしい)

はからずも、目の前で『覗けてしまう』私の胸もと・・・
ブラが浮いてしまう貧弱なおっぱいが、彼の視界に飛び込んでいるはずでした。
いっしょに拭いてくれながら、
(いヤっ)
視線が釘付けになっているのがわかります。

(見ないで)

私は、何も気づいていないふりをしました。
新しい紙ナプキンに持ち替えて、テーブルの横にしゃがみます。
いっしょに身をかがめてきた彼に、
「あ、すみません」
それを善意からだと思い込む、素直な女になりきってみせました。

彼の目の前で、再び大きく口を開けたUネック・・・
ぶら下げたままのメガネの重さが、ニットの中をまる見えにしてくれます。
ここぞとばかりに、胸もとを覗きこまれていました。
いっしょに床のコーヒー滴を拭いてもらいながら、
(恥ずかしいよ)
乳首まで見えるように、首を斜めに向けてあげます。

あまりの恥ずかしさに、
(見ないで、見ないで)
身悶えそうな息苦しさを覚えていました。
本当は今にも手で押さえて隠したい気持ちを、必死にこらえます。
(見ないでよぉ)
私のおっぱいから目を離せずにいる彼に・・・
しっかりと『乳首』も見せて、優越感にひたらせてあげました。
何も気づいていないふりをして、
「すみません」
申し訳なさそうに謝ってみせます。

使った紙ナプキンを丸めて、立ちました。
「ありがとうございます」
何事もなかったかのようにゴミをまとめます。

彼が自分の席に戻りました。
後片付けしている私を、見守るように眺めています。

私は、『何もわかっていない女』を完璧に演じていました。
でも、本当は・・・
顔から火を噴きそうなぐらいに、恥ずかしさでいっぱいです。
ポーカーフェイスを装っている彼に、顔をみつめられていました。
私には、その視線が辱めそのものです。

『小っちゃいおっぱいだね、かわいそう』
『おかげで乳首も見ちゃったよ』

そんな相手の心の声が、聞こえてくるかのようでした。

(言わないで)
(そんなこと言わないで)

屈辱感にぞくぞくしながら、自分の荷物をまとめます。
彼の視線を意識しながら、ゆっくりとアウターをまといました。
また会うことがあるでしょうか。
場合によっては、あるかもしれません。

(でも、だいじょうぶ)
(完璧だった)

本人すら気づいていないふりで・・・
ちょっとしたハプニングをプレゼントしただけのことです。
「どうも」
何食わぬ顔で、先に席を立つ私でした。


(PS)
知人を相手にというのは、自分でもまさかという感じでした。
でも、興奮したかといえば・・・
プレッシャーが大きすぎて、それどころではなかった気がします。
後々までリスクを引きずりやすいし、それを気にしすぎなければならないのも負担だし。
今日は、あんな偶然があったからですけど・・・
たぶん、これが最初で最後だと思います。

 悪い1

3連休を使って、実家に帰省してきました。
夏休みに帰らなかったから・・・
というのは口実で、私の本当の目的はただひとつです。
私の大好きなあの場所・・・
あの野天温泉に行きたいがための里帰りでした。

新幹線を使わずに、東京からレンタカーで帰りました。
運転しなれていない車でしたが、さほど問題はありません。

日曜日、早朝から実家を出発しました。
まだ国道を走っているうちから、わくわくしてしまいます。
ただ・・いつもそうなのですが・・・
あの温泉を訪れるときは、毎回それ自体が大きな賭けのようなものでした。
実家からも、決して近いわけではありません。
わざわざ行ったところで、チャンスに巡り合えるという保証などありませんでした。
無駄足になる可能性も高いのです。

長距離ドライブを経て、やっと目的地が近づいてきました。
近くにはお気に入りの渓流もあるのですが、今日はパスです。
慎重に運転しながら、ひなびた温泉地へと続く山道を進んでいきました。
出発したときには降っていた雨も、少し前からやんでいます。
遠くの雲の向こうに、晴れ間が広がってきているのが見えていました。

(お天気がいちばんだ)

実際、運転していても・・・
お天気次第で、期待感もだいぶん違ってきます。
(ここに来るのも、何度目かな)
この辺りも、もう私にとっては見慣れた山道の景色でした。
いくつか古い温泉宿の前を通りすぎて、目立たない駐車場が見えてきます。
車を入れました。
ようやく到着です。

外に出て、雨上がりの空気を胸いっぱいに吸い込みました。
明るく陽射しが照りはじめています。
(んー、いいなあ)
駐車場には、私の車1台のみ・・・
いま奥まで行ったところで、どうせ誰にも会えないのはわかっていました。
道の向こうに、小さなお花がゆらゆらなびいているのが見えます。

トートバッグからデジカメを出して近づきます。
(かわいい)
可憐な感じが素敵でした。
私、こういうのを写真に撮るのが好きです。
「ぴぴっ・・・」
何度かシャッターを切りました。

しばらく時間をつぶします。
(誰か来ないかな)
写真を撮ったり、自販機で買ったお茶を飲んだり・・・
ここは、粘りどころでした。
山の歩道を行った先にあるここの温泉には、もう過去に何度も来たことがあります。
正直、嫌な思いをさせられたこともありました。
経験上、とにかく相手を見極めることが何よりも大事とわかっています。
(あの温泉に行こうとする人)
(いい人、来ないかな)
この駐車場でさりげなく待ちぶせているのが、いちばん安全なはずでした。

(それにしても、ひとけがないな)

こうして待っていると、なかなか誰も現れないものです。
時計を見ると、もう1時間近く経っていました。

(今日は、だめかな)

さすがに、諦め気分になってきます。
やはり、朝方からずっと雨模様だったのが大きいのかもしれません。

(せっかく、こんなにいい秋晴れになったのに)

その後も、どれぐらいの時間そこにいたでしょうか。
不意に、向こうから自転車が近づいてきます。
(自転車・・・地元の人?)
私は、道のはじに寄りました。
乗っているのは、60歳ぐらいに見える頭の薄いおじさんです。
「ギキー」
耳障りなブレーキ音を響かせて、停まりました。
花を指さして、

「それ、○○だからな」

ニコニコしながら教えてくれます。

「あ、はい」
「ちょっと写真を撮らせていただいてただけです」

おしゃべり好きな感じの、地元のおじさんでした。
べつに質問したわけでもないのに・・・
このあたりの花々のことをいろいろ教えてくれて、
「温泉に来たか?」
ニッコニコ聞いてきます。

「初めてか?」

一瞬迷いましたが、
「はい」
にこっと『嘘』を答えていました。
警戒心のない表情をつくって、微笑んでみせます。
森に入る歩道のほうを見ながら、
「あの先ですよね?」
この辺りのことを何も知らないふりをしました。

※ ここからは、おじさんの言葉もあえて標準語にして書きます。

親切心のかたまりのような人でした。

「教えてあげるよ」

わざわざ自転車を停めて、導いてくれようとします。

「あ、いえ」
「そんな、いいですよ」

いちおう、いちどは遠慮する素振りをしてみせてから・・・

(とにかく、なにか動いてみなきゃ)
(このままじゃ、らちがあかないし)

「ありがとうございます」

お言葉に甘えるふりをしました。
案内されるかたちで、ふたりいっしょに森の歩道を進んでいきます。

(いま行っても、誰もいない)
(まさか、このおじさんが相手ってわけにもいかないし)

とにかくおしゃべり好きなおじさんでした。
背は私より低いぐらいで、
「この先の○○で、△△をしてるんだ」
わりと昔からの□□さんだと教えてくれます。

レンタカーのナンバープレートを見たのでしょう。

「お嬢さん、東京から?」
「はい」

おじさんは、相変わらずのニッコニコ顔でした。

「こんなとこまで」
「若い子ひとりで、めずらしいね」

世間話を続けながらも・・・
ちょっとだけ、その目にいやらしさがよぎった気がします。

一瞬、思いました。
(もしかして)
(この人でも、脈あり?)
このおじさんにお風呂を覗かれてしまう・・・
そんな恥ずかしい自分をイメージしはじめている私がいます。

目的地の温泉へと、階段道を降りる場所が見えてきました。
実際には何度も来たことのある、『○○湯→』という朽ちた表示板・・・
でも、そのまま通りすぎようとしています。

「あれ?」
「ここじゃないんですか?」

「そっちは、まちのお湯だよ」
「本当のは、こっち」

さらに先へと歩道を進んでいきました。
「そうなんですか?」
笑顔を取り繕いながらも、
(本当に、だいじょうぶ?)
(ついていって大丈夫なの?)
さすがに、ちょっと警戒してしまいます。

でも、それも取り越し苦労でした。
その後もしばらく歩いていくと、大きく曲がるように・・・
下へと降りていく道すじ(?)が、見えてきます。
おじさんの後に続いていくと、川辺に出ました。

(すごい)

大きな川岩がごろごろ転がった先に・・・
透明のお湯がたまった『湯だまり』が見えます。
なんの整備もされていない・・・
まさに純天然の野天風呂でした。
本心から感動してしまって、
「すごーい」
思わず言葉にしてしまいます。

河原のすぐ向こうが、川でした。
岩の低いところを縫うようにして、湯だまりに近づきます。
しゃがんで、お湯に手を入れてみました。
少しぬるいですが、なにも問題ありません。
(こんな温泉、入ったことない)
教えてもらわなかったら、決して訪れることのできなかった場所でした。
感激してしまった私は、きっと目を輝かせていたにちがいありません。

「すごいですね」
「ありがとうございます」

素直な気持ちでした。

「まず一般の人は来ないから」
「○○○だから安心して入んなさい」

ここまで案内してくれたおじさんが、ちょっと自慢げな顔になっています。

「じゃあ、俺は○△□×を見てまわるから」
「ゆっくり入っていったらいい」

最初のせりふは、よく聞き取れませんでした。
でも、
「ありがとうございました」
しっかりお礼を言って、見送ります。
おじさんは、岩場の奥へと歩いていきました。

デジカメを取り出して、
「ぴぴっ・・・ぴぴっ・・・」
目の前の素晴らしい景色に、たくさんシャッターを切ります。
私の頭の中で、もう露出のこととか・・・
そんなこと、なんだかどうでもよくなっていました。
この自然の中の野天温泉を目にして、純粋に感動していたのです。
おそらくは、本当に地元の人しか知らない場所でしょう。
温泉好きの血が騒いでいました。
(こんな温泉にはいれる)
どうしてもテンションが上がってしまいます。

風景全体をカメラに収めようと・・・
すぐ目の前の岩の出っ張りに、
「よっ」
登ってみます。

が・・・
(あっ)
反射的に、また降りていました。

一瞬、見えてしまったのです。
背中を丸めるようにして、後ろの岩場に隠れているあのおじさん・・・

(そっか)
(やっぱりそうなんだ)

意外にも、それほどには驚いていない自分がいました。

(あんなに親切にしてくれたけど)
(やっぱり、そういうことか)

正直に書けば・・・
いっしょに歩いていたときから、なんとなく予感はあったのです。

(この人、私のことを覗く気だ)

どっちにしろ、文句のつけようのない展開でした。
望んでいたシチュエーションが、ひとりで向こうからやって来てくれたようなものです。
同時に、
(どきどきどき)
強いプレッシャーが襲ってきました。
あの人とはいっぱいしゃべってしまった直後だけに、余計恥ずかしさを感じます。
胃が『きゅうっ』としました。
景色にカメラを構えるふりをしながら、
(どうしよう)
自分の気持ちを確かめます。

(このおじさんなら)
(そんなにリスクは高くない)

この人なら、静かに『見ているだけ』のはずでした。
うまく説明できませんが、感覚的にわかるのです。

それに・・・
これって明らかに、私の大好きなシチュエーション・・・

(私は、ちっとも悪くない)
(なにも悪いことしてるわけじゃない)

この流れなら・・・
客観的に、私には非がありません。
(何も気づかないうちに、覗かれてしまう)
(男の人に、はだかを見られちゃう)
そんな『かわいそうな女』になりきることのできる興奮が、
(どうしよう)
(どきどきする)
早くも、私を昂ぶらせていました。
ねえ、おじさん・・・
(私に会ったときから狙ってたの?)
(最初から、この子のはだかを見てやろうって思ってたの?)
そんな相手の前でお風呂に入ろうとする自分を想像するだけで、
(ああん)
(恥ずかしすぎる)
あまりの屈辱感に、奥歯を噛みしめてしまいます。

おひとよしそうな顔で、周りを見ました。
「ふう」
大きく息を吐きます。
デジカメをトートバッグにしまいました。

(田舎のおじさん)
(私のお風呂、のぞかせてあげる)

演技をはじめていました。
しきりに周りを気にする素振りをしてみせながら・・・
シャツのボタンを外していきます。
指先が震えているのが自分でわかりました。
スカートも脱いで、ブラとパンツだけの下着姿になります。

不安そうな顔になってみせました。
道すじがあるほうだけは岩場ですが、あとはほとんど河原です。
かなり遠くからでも見通せてしまうような場所でした。
そんな思いっきりの『野天風呂』に、
(おじさん)
(この子、なかなか脱げずにいるよ)
物怖じしてブラを外せずにいるふりをします。

無垢な女を演じていました。
しつこいぐらいに、きょろきょろしてみせます。
おどおどした表情で、
(おじさん。。。)
(この子のおっぱい、見たい?)
背中のホックに手を伸ばしました。
(いる)
(あの岩の隙間から見てる)
胸からブラを外します。

おっぱいを露わにしたまま、びくびくした顔をしてみせました。
(ああん)
(見られてる)
まる出しになった私の胸に、きっとおじさんの目は釘付けです。
(あああ、恥ずかしい)
この背徳感が最高でした。
恥じらうように何度も周りを気にしてみせて・・・
決心したように、腰のパンツも一気におろします。

全裸でよろけるようになりながら、
(ヤあん)
(見ないで)
足首からパンツを抜きました。
手でからだの前を隠しながら、湯だまりに入ります。

「ざば、ざば」

(どきどきどき)

お湯につかって、
「ふーっ」
大きく息を吐きました。
ようやくリラックスした顔をしてみせますが、
(どきどきどき)
本当は、いまにも心臓が破裂しそうです。

何も知らないふりをして、
「ふうーっ」
川の景色にみとれているふりをしました。
さりげなく、後ろを振り返ります。
独り占めの野天温泉に、幸せそうな表情を浮かべてみせていました。
右後方のあの岩の裏・・・
おじさんが私を覗いているのがわかります。

このどきどき感が、たまりませんでした。
(ああん)
(気持ちいい)
そう・・・
私は、何の罪もない『覗きの被害者』・・・
(かわいそう)
(男の人に覗かれてるのに)
何も気づかずに、真っ裸でお湯につかっています。
男の人が見ている前で、
(あああ、どきどきする)
何も知らずにいるのです。

お湯そのものは、さほど熱くありませんでした。
地下で、川の水がまざっているのかもしれません。
それでも・・・
しばらくつかっていると、だんだんのぼせてきます。

自分で自分の気持ちを煽っていました。
(おじさん、恥ずかしいよ)
(わたし、なにも着てないよう)
ひとたびお湯から出たら、どこにも隠れ場はありません。
(おじさん、見ちゃだめ)
見られてるなんて知ったら・・・
(この子、ショックで泣いちゃうよ)

立ち上がって、
「ざば」
湯だまりから出ました。

何も知らない顔をして、
(ああん、おじさん)
おじさんの正面を向いて立ってしまいます。
今度は、手で隠しませんでした。
ぼけーっと、山の木々を見上げるように・・・
一糸まとわぬ姿で、そのまま突っ立ってみせます。

(ひいい)
(恥ずかしい)

東京から来た『お嬢さん』の、全裸姿を披露してあげていました。
その場に棒立ちになったまま、
(うううう)
(見ないでえ)
色づきはじめたかえでの葉を、笑顔で見上げてみせます。

岩場からの視線を意識していました。
(かわいそう)
(見ないであげて)
まる出しのアンダーヘアが、真横にひしゃげています。
胸を隠すこともなく、羞恥心に耐えました。
(見ちゃだめ)
(かわいそうだってば)
真正面からこの子のからだを眺めさせてあげます。

無警戒な女の子になりきりました。
自然な感じで振り向いて、今度はおじさんに背中を向けます。

(かわいそう)
(この子、かわいそう)

景色をみつめるふりをしながら・・・
おじさんに、白いお尻を見せてあげました。
気持ちよさそうに、
「んん、ぅうー」
空に向かって、全身で伸びをします。
全裸のまま、ぐーっと背骨を反らしました。
伸ばした全身を震わせながら、そよ風を肌に受けとめます。

「ふう」

(おじさん。。。)
(わたし、恥ずかしいよ)

おずおずと、湯だまりに入りました。
お湯につかりながら・・・
羞恥の興奮を抑えきれない自分に、脚がぶるぶる震えてきます。
うっとりするような快感に包まれながらも、
(なんてかわいそうな子)
(この子には、なんの落ち度もないのに)
自分で演じるこの『お嬢さん』が、不憫でなりませんでした。

(おじさん、よかったね)
(こんなキレイな子の、はだか見れて)

自虐的な気持ちが昂ぶっていました。
もっとあの人のことを、喜ばせてあげたい気持ちにかられます。

(若い子のお風呂のぞいて、どきどきする?)
(ぜんぜん気づかれてないと思ってるでしょ?)

しばらく、そのままお湯につかっていました。
空の高いところで、ゆっくりと雲が流れていきます。

(何も知らないふりしてあげる)
(むじゃきに振る舞うふりしてあげる)

頃合いをみて、
「ざば」
再び湯だまりから出ました。
濡れたままの素足で、そのままスニーカーをはいてしまいます。

もういちどトートからデジカメを出しました。
手ごろな小岩の上に立ってみます。
(ああん、おじさん)
(わたしを、見て)
まるで、朝礼台の上にでも立たされているような気分でした。
はいているスニーカー以外は、正真正銘の真っ裸です。
おじさんに、股の『割れ目』が見えているはずでした。
わずか数十cmの高さですが、屈辱感でいっぱいになります。
お嬢さんっぽく『にこっ』と微笑み顔をつくりました。
自分に向けたデジカメを持った手を・・・
できるだけ前に伸ばして、
「ぴぴっ」
顔の『自撮り』をしてみせます。

(ひいい)
(恥ずかしい)

あまりの羞恥に、泣き出しそうな気持ちでした。
小岩の上に立ったまま・・・
視線に辱められている感覚で、ヌードの私を見てもらいます。
何度もにっこり微笑みながら、
「ぴぴっ・・ぴぴっ・・・」
川の流れを背景にして、シャッターを切りました。

(どきどきどき)

そして、そのまま河原をひょいひょいと・・・
真っ裸のままで、川辺まで歩いていきます。

(おじさん見て)

たった10mほどですが、
(ああん、私)
(こんな格好で、河原を歩いてる)
石をまたごうと足幅が開くたびに、ものすごく興奮していました。
まさか人に見られているだなんて、夢にも思わないというふうに・・・
生まれたままの姿で、はしゃいでみせます。
澄みきった水に手を入れて、
「きゃっ」
その冷たさに悲鳴をあげてみせました。

にっこり微笑み顔をつくって、
「ぴぴっ・・ぴぴっ・・・」
またデジカメで自撮りをします。
自分なりのこだわりがあるかのように、
「ぴぴっ・・ぴぴっ」
画面を確かめながら、何度も撮り直すふりをしてみせました。

足もとを取られないように注意しながら、湯だまりへと戻っていきます。
さりげなく確かめました。
おじさんの隠れ場所は・・・
(いる)
あの岩の、さらに後ろのあの岩の裏・・・

(ねえ、おじさん)
(いま、どんな気持ち?)

近づいていきながら、
「let it go♪・・let it go♪」
だいぶん前に流行った歌のメロディを口ずさみます。
自分の腰ぐらいの高さがある岩でした。
隠れているおじさんの目前にあるその岩に・・・
ひょいと登ってしまいます。
振り返るように、川のほうを向きました。
(どきどきどき)
ほんの3m後ろには、私を覗いている男の人・・・

岩の上は、平らではありません。
右足に重心を残したまま・・・
足場を求めるように、隣のくぼみに左足を伸ばしていました。
肩幅以上の開脚状態になって、
(ひいい)
(見えちゃう)
岩の上に立ってしまいます。

(ああん、見ないで)

私の恥ずかしいところがまる見えでした。
すぐ後ろのおじさんの存在には、まったく気づいていないふりをします。
そのまま、デジカメを持った手を前に伸ばしました。
今度は山を背景に、
「ぴぴっ」
自分に向けてシャッターを切ります。

(ヤあん)
(もっと)

自尊心をかなぐり捨てました。

「ぴぴっ・・ぴぴっ・・・」

背景とアングルを合わせるかのように、腰を低く落とします。
片手で、足もとのでっぱりにつかまりました。
岩の上に乗ったまま、
(ああん)
中腰の姿勢になってしまいます。
デジカメを持ったほうの手を、前に伸ばしました。
おじさんが目にしている私の後ろ姿は・・・
あられもなく肛門までまる出しにして、
(だめえ)
お尻を開ききらせている『かわいそうな』お嬢さんです。

(イヤあ)
(恥ずかしい)

「ぴぴっ」

(どきどきどきどき)

おじさんに、私の恥部がまる見えでした。
恥ずかしい『縦の割れ目』を、後ろから覗かせてあげます。
自分の顔を撮るふりをして、
「ぴぴっ」
さりげなくデジカメの角度をずらしていきました。
何も知らないふりをして・・・
自分の『背後』が写るように、
「ぴぴっ・・ぴぴっ・・・」
何度もシャッターを切ります。
ガニ股の自分に、言いようのない興奮を覚えていました。
(泣いちゃう)
(もう泣いちゃうよ)
必死に、羞恥心に耐えます。

そっと岩から降りました。
ご機嫌な声色で、
「let it go♪・・let it go♪・・・」
またメロディを口ずさみます。

(もうだめ)
(わたし、もうだめ)

演技を続けようにも、もう限界でした。
あまりの恥ずかしさに、本当はこのまま身悶えたいぐらいです。

(帰らなきゃ)
(これ以上はむり)

スニーカーを脱ぎました。
不自然に思われないよう、最後にもういちど湯だまりに入ります。
ぬるいお湯につかりながら、
(もう・・だめ・・・)
うまく呼吸ができませんでした。
頭の中が『じーん』としびれて・・・
(男の人が見ている前で)
(あんなにみっともないポーズ。。。)
何もかも忘れそうになりながら、陶酔感にひたってしまいます。

岩場の陰のおじさんに、心の中で話しかけていました。

(よかったね、おじさん)
(見たいの見れて、よかったね)

憐れなお嬢さんになりきっている自分に、恍惚としてきます。

でも、おじさん・・・
(もう、むり)
(わたし、耐えられない)

「ざば」

湯だまりから出ました。
スポーツタオルでからだを拭きます。

何食わぬ顔で下着をつけて、服を着ました。
荷物をまとめて、
(さよなら、おじさん)
その場をあとにします。

駐車場まで戻った私は、すぐに車をスタートさせていました。
そのまましばらく走ってから、
(もういい)
(このあたりで)
道幅の広いところで停車します。

トートからデジカメを取り出しました。
(どきどきどき)
気持ちを落ちつかせて・・・
撮った画像を確認してみます。

(どきどきどき)

大自然を背景にして微笑む、私の顔のアップ・・・
アングルが適当で、すっかりピンボケな自撮り画像・・・
そして、
(ああ)
岩から身を乗り出しているおじさんが写っています。
でも、
(だめだ)
ピントが合ってなかったり・・・
ブレて流れてしまっていたり・・・
けっきょく、うまく撮れているものはありませんでした。

(ばか・・・)
(おじさんの馬鹿・・・)

自分でもわけのわからない、感情の昂ぶりがわきあがります。
涙があふれ出していました。
悔しいとか悲しいとか、そういう負の感情ではありません。
写真は残念だったけど・・・
(あああ。。。)
(いい気分。。。)
停めた車の運転席で、わんわん泣いてしまう私でした。

アイドリングしたままのエンジンが、
「ぶぶぶぶ・・・」
ときおり変調するように、車内に響きます。

人のいない山道に、木々の繁みが影となって揺れていました。

涙が止まって、
「ひっく、ひっく」
ようやく呼吸が落ち着いてきます。

(ばか・・・ばか・・・)

子どものように泣いて、すっきりした気持ちになっていました。
(来てよかった)
満ち足りた充実感でいっぱいです。

そして・・・
(オナニーしたい)
すがすがしい気持ちで、
(あああ、したい)
その強い欲求に襲われます。

エンジンをかけて、車をスタートしていました。

(どうせなら)
(誰もいないさっきの河原で)

大きくハンドルを切って、走って来た道を戻ります。

(さっきのあの河原で)

覗かれていた自分を思い出しながら・・・
真っ裸でオナニーしたい・・・

われながら、歪んだ衝動でした。
でも、そんな自分を止められません。

(止める必要なんかない)
(邪魔する人なんて、いないんだから)

さっきの駐車場が見えてきました。
いちばん奥の場所に駐めて、車から降ります。

おじさんの自転車は、もう無くなっていました。
その代わりに、オフロードのオートバイが1台停まっています。
(えっ)
ちょっと微妙な気持ちになりました。
今の私は、もうオナニーしたくてたまらないのです。
人の存在は、ただ邪魔なだけでした。
ナンバープレートをチェックすると、県内のオートバイです。

(行こう)

いてもたってもいられません。

(だいじょうぶ)

きっと『○○湯』のほうに入ってるはず・・・
あの奥の野天まで行けば、誰もいない・・・

森の歩道を歩いていきました。
しばらくして、朽ちた木の表示板が見えてきます。
『○○湯→』
下まで行って確認すべきか、迷いました。
でも、この階段道を下りて行って・・・
そのオートバイの人と顔を合わせてしまうのも、また面倒です。

(いいや)

自分の勘を信じました。
そのまま素通りして、森の歩道を奥へと進みます。

(どきどきどき)

下る『道すじ』が近づいてきました。

さっきのおじさんのことを思い出して、
(どきどきどき)
あらためて緊張してきてしまいます。

(ん・・・?)

なんとなく気配を感じます。
そっと息を殺して、岩場まで下りていきました。

(いる?)

岩のあいだから、湯だまりのほうを確かめます。

(あ・・・)
(だめだ・・・)

自分の勘が、外れていたのを知りました。

男の人が、ひとりで温泉にはいっています。

(意外と若い?)

高校生ぐらいの男の子でした。
荷物の横にヘルメットがありますから、彼があのオートバイの持ち主でしょう。
一瞬、計算がよぎりました。
(男の人と、ふたりっきりだ)
再びのチャンスと言えば、チャンスです。

でも・・・
(いや、だめだ)
(あぶない)
冷静になって、すぐに諦めました。
年齢的に、どう考えてもリスクの高すぎる相手です。

(戻ろう)

そっときびすを返しかけて・・・
急に、いたずら心がわきました。

(せっかくだから)

男の人のはだかを見るチャンスです。

(それも、高校生の)

まるで、さっきのおじさんになったつもりで・・・
岩場の隙間から、湯だまりの彼を覗いてみたくなりました。

(どきどきどき)

いけないことをしているのは、百も承知です。
でも、それだけにどきどきしました。

切れ長の目に、団子っ鼻の男の子・・・
ひとりでお湯につかるその顔は、とても純朴そうです。

(どきどきどき)

のぼせたように湯だまりから出たときには・・・
彼のお○んちんがまる見えになりました。
思わず、息を殺してじっと観察してしまいます。
色の濃い、象の鼻のようなそれが『だらん』と前に下がっていました。

(高校生の、お○んちんだ。。。)

いわゆる包茎というやつでしょうか。
先端まで同じような形状で、先だけがすぼんでいます。

(どきどきどき)

他人のプライバシーを覗き見しているという異様な昂ぶりがありました。

(あの子。。。)
(見られてるとも知らないで)

悪いと思いながらも、すごく意地悪な気持ちになります。
こことぞばかりに目に焼きつけている自分がいました。

(ぼけっとしちゃって)

何も知らずにいる彼に、
(ふうん)
(そんなかたちなんだね)
心の中で話しかけながら・・・
先の塞がった『お○んちん』を、じろじろ観察してやります。

(かわいそうに)
(こんなに見られちゃって)

もしも女に見られていると知ったら・・・
この子は、どれほど恥ずかしい思いをすることでしょう。

胸板の薄い、痩せた男の子でした。
あばらの浮いたからだに、細い筋肉がすじばっています。

さすがに罪悪感を覚えつつも・・・
覗きながら、どこかその皮膚感の若々しさに感心していました。
真っ裸な男の子のからだを、
(ふうーん)
(へえー・・・)
上から下まで見物させてもらいます。

(どきどきどき)

心の中にわきあがってくる黒い雲を、抑えられませんでした。
気づかれないように、静かにその場を離れます。

(純朴そうな、バイクくん)
(逆の経験してみたいでしょ?)

もう、すっかりその気でした。

(そうだよ)
(じゃまする人なんか、いないんだから・・・)

ひとけがないということは・・・
言い換えれば、それだけリスクも高いということでした。
(でも、さっきだって)
あんなおじさんを相手に、私はあれだけやれたのです。

(やる)
(あの子の前で、もういちど)

1日に2度もチャンスをつかむことのできる自分が幸せでした。
もちろん、怖れがないわけじゃありません。
でも、
(できる)
目の前のこの状況に、気持ちが揚々としてきます。

ある程度まで離れたところに行って、そこで立ち止まりました。

「ふーっ」

大きく息を吐いて、気持ちを整えます。

けっこう冷静でした。
(多感な年頃の男の子・・・)
(それも、1対1・・・)
じゅうぶんに注意を払わなくちゃと、気持ちに釘を刺します。

(私なら、できる)

自らを鼓舞していました。
今度は、
「じゃりっ」
「ざりっ」
わざと足音を出しながら、あらためて岩場へと近づいていきます。

(どきどきどき)

そのままひょいひょいと・・・
一気に岩の低いところをすり抜けて、
(いまだ)
湯だまりのバイクくんと、いきなり鉢合わせしてみせました。

「あっ!」

びくっと目を見開いた彼が、お湯の中で固まっています。

「うそっ」
「ごめんなさいっ」

私は、口もとに手を当てて驚いたふりをしてみせました。

「あ、あっ、ごめんなさい」

お湯の中の彼を見ないようにと、その場で後ろを向きます。

動揺した口調で、
「すみません」
「時間をおいて、出直してきます」
そのまま立ち去ろうとしてみせました。

まさか、他人とバッティングするとは思ってもいなかったのでしょう。
この男の子も、びっくりしているようでした。
動転するふりのお姉さんにつられたように、

「ぼく、もう帰るところですから」
「すみません、すぐ出ます」

バイクくんも焦った口ぶりで謝ってきます。

(だいじょうぶ)
(この子なら)

そう直感していました。
人のよさが現れています。

「あ、じゃあ私・・・」
「あっちで待ってますね」

おどおどした感じで、岩場のほうへと戻りました。
道すじに出る手前あたりで、適当な岩に腰かけます。

(よしっ)
(うまくいった)

それなりの手ごたえを感じ取っていました。
(すぐに出てくるはず)
そのまま、そこで待ちます。

頭の中で、いろいろセリフを考えていました。

(だいじょうぶ)

私には、この容姿があります。
どこからどう見たって、美人でスマートな『お姉さん』でした。
きっとあの子にも一目置かれるはずです。
自信がありました。
絶対に覗こうとしてくるはず・・・

(どきどきどき)

心臓が、激しく胸を打ちます。

5分もしないうちに、
(来た。。。)
服を着たバイクくんが岩のあいだから現れました。

ごめんねという顔で、
「すみません、せかしちゃったみたいで」
私は、腰をあげます。

「いえ」

高校生らしく、初々しい笑顔でした。
そして、すぐに気づきます。
彼の顔つきが、急に不自然になったことを。

明るい笑顔で、私から話しかけていました。

「まさか、こっちに入っている人がいるとは思わなくて」
「駐車場の、緑のオートバイの方ですか?」

「はい」

男の子が頷きます。

「ここ、よく来るんですか?」

にこやかに尋ねてみせると、

「あ・・・前にいちど連れてきてもらったことがあって」
「バイクの免許が取れたから、久しぶりに来てみたんです」

彼が、照れたように答えました。

(だいじょうぶ)

やはり悪い子ではなさそうです。
さっきから何か言いたげな顔をしているなと思っていたら、

「あの・・・○○さんですか?」

唐突に聞かれました。

一瞬、『えっ?』と戸惑いましたが・・・
記憶に、ピンっと引っかかります。

あっ、と思いました。
聞いたことのある名前です。

(たしか、前にも似てるって言われたことがある)
(お天気お姉さんかなにかの人だったはず)

「ち・・違います」

とっさに演技していました。
あえて『わざと』どぎまぎした素振りで、否定します。

「○○さんですよね?」
「夕方のお天気の」

思いもかけない展開に、わくわくしていました。
(この子・・・)
本当に、私をその人と勘違いしているようです。

不謹慎と思いながらも、気持ちがむずむずしてきます。

恥ずかしそうに、
「・・・ちがいます」
あくまでも『否定』してみせました。

私が、極端におどおどすればするほど・・・
相手はますます確信を持ったように、こっちの顔をじろじろ見てきます。

私はあからさまに無表情になってみせて、
「本当にちがいますから」
もう会話を切り上げたがっているふりをしました。

気まずそうに目を伏せて、
「すみません、どうも」
そそくさと、その場を後にしてしまいます。

彼と別れて、ひとりで岩場をすり抜けました。
湯だまりのところに行きます。

(どきどきどき)

心臓が、破裂しそうなほど鼓動していました。
なんということでしょう。
本当に、人違いをされてしまっています。

(覗かれる)
(ぜったい覗かれる)

それも・・・
相手は、まだ高校生の男の子・・・

(ああん、どうしよう)

あの子の心の中で・・・
いま、どれほどの葛藤が起こっているのか想像してしまいます。

トートの中から、デジカメを出しました。
景色を撮るふりをしながら、
「ぴぴっ・・・」
彼がやってくるのを待ちます。

100%、確信がありました。
自分と入れ替わりに野天風呂へと消えていったお姉さん・・・
その気になれば、いくらでも覗き放題な野天風呂です。
あの子が、見たい気持ちを我慢できるはずがありません。

ものすごい緊張感でした。

(あの男の子・・・)
たぶん、まだ童貞(?)だ・・・

根拠などありません。
一方的に想像を膨らませていました。

(女のお風呂を覗くなんて)
(きっと、味わったことのない興奮のはず)

すべての神経を研ぎ澄ませます。
その瞬間を待ちました。

(ああ、失敗した)
(なんで、あのとき調べなかったんだろう)

私自身は、その天気予報のお姉さんをテレビで観たことはありません。

前に似ていると言われたときに・・・
(どんな人だろう)
(ちゃんと調べておけばよかった)

ん・・・

(来たっ)

人の気配を感じます。

「ぴぴっ・・・」

景色を撮影しながら、
(どきどきどき)
さりげなく、目線をずらして探していました。

岩の隙間に揺れた、かすかな影の色・・・
それだけで、私にはじゅうぶんでした。
(いるっ、いる・・・)
あそこに隠れているのがわかります。

(ああああ)
(どうしよう)

絶妙な場所でした。
こっちからは、ほとんど見えません。
でも、向こうからは・・・
(あの・・隙間の重なるところ)
湯だまり全体がまる見えになる場所です。

(どうしよう)
(どうしよう)

重苦しいほどの、プレッシャーの重さを感じていました。
決して、大げさに書いているのではありません。
足がすくんで、もう死にそうでした。

(とてもじゃないけど)

脱げない・・・

脱げるはずない・・・

なかなか気持ちを落ちつかせることができません。
さっきのおじさんのときとは大違いでした。

でも・・・
舞台は完璧に整っています。
勇気をふりしぼっていました。

大きくため息をついて、
「ふう」
デジカメをトートの中に放り込みます。
演技をはじめていました。

(私は、なにも知らない)
(知らないんだから)

人の目を警戒するような素振りで・・・
きょろきょろしながら、シャツのボタンを外していきます。

(落ちついて)
(もっと落ちつかなきゃ)

周りを気にするふりをしながら、スカートも下ろしました。
ブラとパンツの下着姿になっただけで、
(ひざが・・震えてる・・・)
恥ずかしさでいっぱいになってしまいます。

男の子の視線を意識して、
(脱げない)
(もう脱げないよ)
涙がこみあげてきそうになりました。

全身の血液が『かーっ』と昇ります。
そのまま『すーっ』と引くように頭が真っ白になって・・・

(イヤあ)

手が、勝手にブラを外していました。

(ああだめ)
(だめだめだめ)

そのままパンツも脱いでしまいます。

「ざぶん」

湯だまりに入って、お湯にからだを沈めました。
とてもではないですが、彼のいるほうに顔を向けることができません。

(どきどきどき)

すさまじいプレッシャーを覚えていました。

やっぱり、あの年頃の男の子が相手というのは・・・
(ううう、むり)
こっちも並大抵の恥ずかしさではありません。

(どきどきどき)

どうしちゃったの、私・・・
いつまでたっても、鼓動の激しさがおさまりません。

気持ちが浮ついてしまったまま、冷静さを取り戻すことができずにいました。
お湯の中で、からだがすくんでしまいます。

もう、自分でもわかっていました。

(恥ずかしいよ)

私は、怖かったのです。
さっきのあの子の『真っ直ぐ』な目が・・・。

(あああ・・・バイクくん)
(どんな気持ち?)

きっとあの岩の陰で・・・
鼻息を荒くして、私をみつめていることでしょう。
一瞬でも見逃すまいと、
(ああん)
(たすけて)
お風呂ではだかのお姉さんに興奮しているはずです。

湯だまりの中で、からだを伸ばしました。
「ふうう」
大きく息を吐きながら、引きつっている自分の表情をほぐします。
(もういい)
(わかってる)
あの子の期待に応えてあげようと思いました。
お湯の中で、からだの向きを変えます。
リラックスした演技で、私のにっこり顔を見せてあげました。

「ざば」

お湯から出て、平らそうな岩に腰を下ろします。

ベンチ代わりに腰かけたまま、火照ったからだを冷ますふりをしました。
『ぼーっ』と、景色を眺めます。
川の流れをみつめながら、
「ふうう」
真っ裸でたたずんでいる私がいました。

(そんなに似てるの?)
(お天気の○○さんって人に)

あの子との距離は、15mぐらい・・・
のぼせたように、
「ふう」
ゆっくりと立ち上がりました。

全裸をさらけ出したまま、
「んっんっ、うー」
その場で大きく『伸び』をします。

おっぱいまる出しのまま胸を張って・・・
気持ちよさそうに、
「んんんー」
背骨をまっすぐ空に伸ばしました。

そして、
「ふう」
脱力したように腕をおろします。

(気持ちいいぃ。。。)

あそこから男の子が見てるのに・・・
こんな姿でのんびりしている自分に、恍惚としてきます。

(見て。。。)

一糸まとわぬ自分が、快感でなりません。
自然な感じで、男の子のほうに背中を向けます。
何気ない素振りで、前かがみになりました。

(遠すぎて見えない?)

それでもきっと・・・
あの子は目を凝らして私の一点をみつめているはずです。

足の甲の砂を払うふりをしながら、
(あああん)
さりげなくお尻を突き出していました。

目の前でというわけにはいきませんが、
(バイクくん。。。)
(恥ずかしいよう)
お姉さんのヌードで、あの子をどきどきさせてあげます。

(近ければ)
(もっと、近ければいいのに)

もう、さっきまでのプレッシャーなど消えてなくなっていました。

(ああん、バイクくん)

貪欲な自分が戻ってきています。

彼が隠れているのは、岩場に入ったけっこう奥でした。
私は、自分のお腹に手をやってさすります。

おしっこするつもりでした。
彼が潜む岩場に入っていく口実です。

切羽詰まった顔を演技して、素足にスニーカーだけはきました。

もう我慢できないという表情をつくりながら、
(出そう・・出そう・・・)
本当にしたくなるように自分に暗示をかけます。

心臓がどきどきしました。

(バイクくん、どうする)
(このはだかのお姉さん、きみの前でおしっこしちゃう)

きょろきょろ周りを確かめるふりをしながら、
(どきどきどき)
ひょいひょい岩場へと踏み入っていきます。

本当に馬鹿でした。
私は、完全に見込み違いをしていたのです。

一瞬の出来事でした。

すごい形相のバイクくんが、
「だざっ、じゃじゃっ」
目の前に飛び出してきています。
あっと思うと同時に、からだが硬直してしまっていました。
次の瞬間には、
(ひっ)
もう男の子が正面から抱きついてきています。

顔をそむけようとしても・・・
覆い塞がってくる彼の顔が、私の口に自分の唇を押しつけてきていました。
無理やりキスされたまま、振りほどくこともできず・・・
男の子の鼻息を浴びながら、
(イヤあ)
必死にあごをのけぞらせます。

(やめて、やめて)

すごい力でした。
立ったまま両腕ごと抱きすくめられて、身動きもできません。

「やめてやめて」

私の両腕をつかんだまま、
「○○さん、○○さん」
呼吸を荒げて、今度は胸に顔をうずめようとする男の子・・・
強引に乳首に吸いつかれながら、
(痛い、痛いっ)
悲鳴をあげることもできませんでした。
かろうじて口から出るのは、
「やめてやめて」
馬鹿みたいに、その同じ言葉ひとつだけです。

(いヤっ)
(こういうのは嫌っ)

頭の中が、真っ白になっていました。
本当に・・・本当に、そういうのは嫌なのです。

完全に力負けして、
(馬鹿だ、馬鹿だ。。。)
からだをよじるぐらいが精一杯でした。

がむしゃらに、私のおっぱいに顔をなすりつける男の子・・・
この子を責める気持ちというより、
(うそ・・うそ・・・)
自分の『馬鹿さ加減』に、からだから力が抜けてしまいます。

なぜでしょう。
まったく恐怖は感じていませんでした。
真っ白な頭の中で・・・
なぜか、どこまでも意識だけはフラットです。
自分を責めていました。

(私のせいだ)
(こんなの・・馬鹿だ・・・)

股のあいだに手が割り込んできていました。

ちろん嫌がってみせながらも、
「やめてやめて」
自責の念に押しつぶされて、ほとんど抵抗できずにいる私がいます。

(あああ)
(からだが動かない)

大きな手のひらが、私の大切なところを揉みまわしていました。

(あああ、イヤぁ・・・)

がさつな手つきに、思わずひざが折れます。
力任せにバイクくんを振りほどいていました。
その場にうずくまって
「やめてください」
泣きそうな声を出します。

一瞬『びくっ』として、その場に固まったバイクくん・・・
われにかえったような顔になっていました。
『まずい』・・・
『とんでもないことをしてしまった』・・・
そんな焦った表情を残して、
「ざじゃじゃじゃっ・・」
一目散に、逃げだしていきます。

(どきどきどき)

私は、その場にうずくまったまま動けませんでした。
そう・・わかっています。

(あの子が悪いんじゃない)
(悪いのは、私・・・)

しばらく放心状態でした。

(どきどきどきどき)
(どきどきどきどき)

ショックに呆然としたまま、ようやく重い腰をあげます。

湯だまりに戻って、お湯につかっていました。
うまく文章で表現できませんが・・・
『ショック状態』のまま、けっこう『ぼーっ』としていた感じです。
誰もいない温泉で、ひとり泣いていました。

(本当に馬鹿だ。。。)
(リスクをわかっていたはずなのに)

あの子に対する怒りの気持ちなど、ありません。
愚かな自分に、自己嫌悪でいっぱいでした。

(前にも)
(こんなことあったな)

これまでの過去の自分も思い出しながら、涙がとまりません。

(みんな、まともに働いて・・・)
(そして結婚していって)

それなのに、どうして私だけが・・・
いつもこんなふうに・・・
くだらないことに衝動を走らせているのか、自分でもわかりませんでした。
情けなくて、また泣きそうになります。

(もうしない)
(もっと、まともな人間になる)

つくづく思い知らされた気がしていました。
今まで私が無事だったのは、運が良かっただけなのです。
(今日だって)
よくあれだけで済んだ・・・

お湯につかったまま、
(もうやめる)
(こういうことからは卒業する)
そう決心していました。

そして、
(今日のことは、もう忘れる)
陳腐ですが、気持ちを切り替えるしかありません。
目の前の風景は、何事もなかったかのように穏やかなままです。
川のせせらぎをみつめながら、気持ちを空っぽにしました。

(忘れてしまえば)
(何もなかったのと同じ)

一生懸命に自分で自分を励まします。

(帰ろう)

お湯からあがりました。

トートから、スポーツタオルを出します。
もう、景色もろくに目に入ってきませんでした。
打ちひしがれそうになる自分に嫌気を覚えながら、からだを拭きます。

あ・・・と思ったときには、

「ざじゃじゃっ!」

横からバイクくんが飛び出してきていました。

(うそ・・)

さっきの彼が、必死の形相で抱きついてきます。

私は脱力してしまい、
(あ・・あ・・・)
まったく抵抗することができませんでした。

「ぃャぁ」

間髪入れず、
(なんで・・・)
(逃げたんじゃなかったの・・・)
もう口に唇を押しつけられています。

左右に顔をのけぞらせても無駄でした。
頭の後ろをつかまれて、
「んむ・・んむぅうぅ・・・」
むっちゅり押しつけられた唇を、口から離してもらえません。

本当は・・・
心のどこかで、『もうどうでもいい』という気持ちでした。
無理やり唇を奪われながら、
(ああ、また戻ってきたのか)
(泣いてた顔、見られちゃってたのかな)
ピントのずれたことを、ぼーっと考えてしまっています。

つかまれた両腕を、背中の後ろにまわされてしまっていました。
前が、そのまま無防備です。

(もういい)
(どうでもいい)

どうせ、二度と会うこともない男の子でした。

バイクくんが、乳首に吸いついてきます。
口では、
「やめてやめて」
泣きそうな顔でつぶやきながら・・・
(さわりたいんでしょ?)
(好きにすれば?)
どこか他人事のような感覚で、胸をぎゅうぎゅう吸われていました。

半ば観念したような気分で、
「やめてください」
嫌がっているふりだけはします。

(べつに、どうでもいい)

私の中で、何かが麻痺していました。

ずっと我慢していたおしっこ・・・
(どうでもいいよ)
(いまさら、なんだっていうの)
そのまま、失禁してしまいます。

「しゅうああ・・」

気づいたバイクくんが『ぎょっ』とした顔で、私のからだを放しました。

腰砕けに、地べたにしゃがみこむ私・・・

泣き顔を向けながら、
(おもしろいなあ)
(この子、こんなに驚いてる)
不思議な感覚に陥っていました。
やっぱり他人事のように、客観視する脳になってしまっています。
意識の中で、冷めた目で男の子を観ていました。

砂利の隙間を流れて広がるおしっこに、
「もうイヤ」
「やめてください」
両手で顔を覆う私・・・

腰を抜かして失禁しているお姉さんの姿に、バイクくんが固まっています。

自分がみじめでした。
怒りにも似た、投げやりな衝動がわきあがります。

別に、いいよ・・・
襲われたってかまわない・・・

すべて吹っ切れた瞬間でした。

(どうにでもなれ)

ぱっと腰をあげて、
「ばか・・ばか・・・!」
男の子に立ち向かっていきます。

それでも、本気では叩けませんでした。
グーにした手で、バイクくんの胸をぽかぽか殴ります。

「なに、すんのよっ!」

泣き顔で突進してきた私に・・・

慌てたように、
「すみませんっ」
からだを翻して逃げ出した男の子・・・

あっという間に、もとのほうへと姿を消していきました。

(はやく・・はやく・・・)

とにかく焦って、服を着ます。

(はやく)
(はやく・・・)

さすがにもう来ない・・・
頭で理解できていても、からだは震えていました。

(どきどきどき)

荷物をまとめて、大急ぎでその場をあとにします。

「はあ、はあ・・・」

息を切らしながら、森の歩道を戻りました。
あの子の、厚い唇の感触が・・・
まだ自分の口に残っているような気がします。

今ごろになって、不快感に背中がぞくぞくしてきました。

忌まわしい気分で、トートからデジカメを出しました。
メモリーをフォーマットして、今日の写真をすべて削除してしまいます。

(もうやだ)
(もうイヤだ)

乳首がひりひりしていました。
最後まで襲われずにすんだことを、どこに感謝していいのかわからない混乱した心境です。
でも、心に誓っていました。

(あんな怖い思いは、もう二度としたくない)
(もう二度とやだ)

再び、車をスタートさせます。
岩場から彼が飛び出してきた瞬間の光景・・・
何度も何度も、脳裏にフラッシュバックしていました。

(悪いのは、私・・・)
(こんなことばかりしてたら、いつか・・・)

自分を慰めながらも、また泣きそうになってきます。
愚かすぎる自分を呪うしかありませんでした。






悪い2

慎重にハンドルを握りつつも、頭の中は空っぽです。
ショックが抜けきらないままで、無意識に運転している感覚でした。
ろくに拭くこともできずに、そのままはいてしまったパンツ・・・
スカートの中で、おしっこが蒸れている感じがします。

バイクくんを恨む気持ちはありませんでした。
あんなことのきっかけを与えてしまったのは、私のほうです。
むしろ、後ろめたさでいっぱいでした。
(もう嫌だ。。。)
ひたすら自己嫌悪してしまいます。

別れ道に差しかかりました。
微妙に気持ちが揺れます。
漫然と・・・
帰る方向ではなく、渓流に向かうほうにハンドルを切ってしまっていました。

目的があるわけじゃありません。
知っている場所で、少しだけひとりになりたかっただけです。
うまく文章にできませんが、
(静かに『ぼーっ』としたい)
ただ、それだけのことでした。
私は自覚しています。
あたかも『悲劇のヒロイン』になったかのように・・・
わざと感傷的な気分にひたることで、現実逃避しようとしたがる自分の性格を。
子どものころから、私にはそういう歪んだところがありました。

林道のいちばん奥まで進んだ先に、いつもの開けたスペースが見えてきます。
車を駐めました。

(今日、ここに来るとは思わなかったな)
(それも、こんな虚しい気持ちで)

重い足取りで、森の細道を歩いていきます。

センチな気持ちになっていました。
歩きながら、なぜかここのサイトのことが頭に浮かんできます。

(私、こんな思いをしても)
(やっぱり今日のことも、体験談にして書いたりしちゃうのかな)

たぶん書くんだろうな、と思いました。
過去にいただいた、いろいろな人のコメントが脳裏をよぎります。
レスをくださるのは、いつも面白半分に煽り立てるような人たちばかりではありません。
こんな私を本当に心配してくれていた方も、たくさんいたのです。
中には、地方で起こった事件を例にあげて・・・
野天風呂でのリスクを警告するメールをくださっていた方までいたのに・・・

今日のことをありのままに書いたなら、
(『言わんこっちゃない』って思われるのかな)
もしかしたら、
(軽蔑されちゃうかもな)
今日に限って、なぜかそんなことばかり意識してしまいます。

数分歩いて、視界が開けてきました。
渓流に出ましたが、どこにも人の姿はありません。
人がいないことに『ほっ』としている私・・・
川辺を上流側へと歩いていきました。

川岸が狭くなって、岩場になってきたその先・・・
大きな岩が『コ』の字に並んでいる、あの場所が近づいてきます。

ようやく素直な気持ちになれていました。

(人の言うことに、耳を傾けないから)
(あんなことになるんだ)

心のどこかで、『私は大丈夫』・・・
いつも、そんな慢心を持っていたような気がします。

最後の大きな岩をまわりこみました。
3つの岩が三方を囲んだ、狭いこのスペース・・・
誰にも邪魔されることのない、周りから視界を遮られた空間です。

ようやく、本当の意味で『ほっ』とした気持ちでした。
気の抜けたように腰をおろします。

(もう、いやだ)

脱力していました。
でも『終わった』・・・
脳裏に焼きついたバイクくんの残像から、やっと逃げ切れた気分です。

『ぼけーっ』と、渓流の流れを眺めていました。
静かに、ときが流れています。
耳に飛び込んでくるのは、清らかな水の流れと森のざわめきだけ・・・
ここにいるのは、私ひとりでした。
頭の中に刻みついたすべての嫌なことが、どこか遠い彼方へと消えていってくれる気がします。

(だいじょうぶだよ)
(もう終わったことなんだから)

風にそよぐ木々の音が、荒れた心を洗い流してくれます。
幸せでした。
何が幸せなのか、よくわかりませんが・・・
いまここで『ぼーっ』と、こうしている自分が幸せです。

(さわられただけだよ)
(どうってことないじゃない)

それに・・・
いまの私は、ちゃんとひとりでここにいる・・・

トートバッグから、ペットボトルを取りました。
乾いた喉を、お茶で潤します。

(どうってことない)

ここにこうしているだけで・・・
癒されるように、気持ちの整理がつきかけてきていました。
(もう忘れよう)
(引きずる時間が長いほど、自分がつらいだけ)
意識がそう働きかけています。

(もうだいじょうぶ)
(私は、だいじょうぶ)

それでも、まだしばらく・・・
ぼんやりと川の景色を眺めていました。
ふと、時計に目をやると、
(えっ)
自分でもびっくりするぐらいに時間が進んでしまっています。

(帰ろう)

もう、いつもの『私』でした。
明日からの私は、また日常の『私』です。

腰をあげて、立ち上がりました。
トートを持ちます。
・・・パンツがじっとり湿っていて、不快でした。
(いいや)
(脱いじゃおう)
あとは、ただ運転して帰るだけです。
スカートをはいたまま、中のパンツだけ脱いでしまいます。

おしっこの匂いがしました。
捨てていってしまいたいですが、そういうわけにもいきません。

川べりに持っていきました。
冷たい水の流れに浸して、軽くゆすぎます。
簡単にしぼって、コンビニのレジ袋に入れました。
トートの中に突っ込みます。

そして・・・
(どうせなら)
躊躇いながら、思いました。

(ちょっと流したい)

おしっこに下半身を濡らしたまま、慌ててパンツをはいてしまったのです。
途中で匂ったりしたら、イヤでした。
幸い、人の目はありません。

(せめて脚だけでも)

スニーカーを脱いで裸足になりました。
周りに誰もいないことを確かめて、スカートをまくります。

川の流れを手ですくって、両脚を水で流しました。
やっぱり、おしっこの匂いがします。
冷たいですが、我慢できないほどではありませんでした。
何度も手ですくった水で、太ももの内側まで洗い流してしまいます。

(洗っちゃおう)

もう同じことでした。
周りに、人の気配はありません。
思い切って、おなかまでスカートを捲り上げました。
下半身をまる出しにして、しゃがみこみます。
手で水をすくいました。
大切なところを、そっと洗い流します。

(冷たっ)

思わず身震いしていました。
そして・・・
そんな自分が、
(ふふっ)
なんだか、こっけいに思えてきてしまいます。

それこそ、
(こんな姿)
(知ってる人には見せられないな)
こんなことをすることになる自分など、夢にも想像していませんでした。
お尻をまる出しにして・・・
川の水で股を洗って・・・
なんだか無性に可笑しくなってきます。

(なにやってんだ、わたし)

自分という人間のちっぽけさが、くだらなく思えてきました。

スカートを直します。
スニーカーを手に持って、裸足のままコの字のスペースへと戻りました。

(誰かに覗かれようと思ったりするから)
(あんな危ない目に遭うんだよ)

シャツを脱いでいました。
ほら・・・
(誰もいなければ、わたし)
(いくらだって気兼ねなく・・・)
ブラも外してしまいます。
スカートを脱いで、全裸になっていました。

(いいじゃない)
(人の視線がなくたって)

全裸でいることに、開放感を覚えます。
ここでこうしているだけで、
(気持ちいい)
日常を脱ぎ捨てている気分でした。

スニーカーに足を突っ込みます。
岩の隙間から、下流のほうの様子を確かめました。
・・・もちろん、誰もいません。
コの字スペースから出て、また川べりまで歩いていきました。

何かに興奮するというわけじゃありません。
でも・・・
からだに何もまとっていないという心地良さが、清々しくてなりません。
人目をはばかることもなく、
「うう、うー」
大きく伸びをします。
爽快な気分でした。
自分の存在が、山の空気に溶け込んでいく気がします。

(誰もいないなら)
(こんなことだってできる)

股に手を伸ばしていました。
渓流の流れに向かって立ったまま・・・
いやらしく、あそこをいじってみせます。
静かに目を閉じると、
(バイクくん)
さっきのあの子の顔が、脳裏に浮かびました。

(バイクくん。。。)
(はだかの私に、興奮しちゃったの?)

あの子が必死にさわろうとした、私のからだ・・・

(そうだ)

砂利を踏みしめて、荷物のところに戻ります。
不思議な衝動でした。
どうしても撮っておきたいと思ったのです。

(今日の私の、この姿・・・)
(高校生にさらけ出した、お姉さんのヌード・・・)

トートから、デジカメを取り出します。

(さっきの自撮りは、ただの演技だったけど)

河原の真ん中に行きました。
胸いっぱいに、
「すーっ」
空気を吸い込みます。
清らかとしか表現しようのない渓流と山・・・
私だけの世界が、ここにありました。

(せっかくだから1枚ぐらい)
(この風景で、ヌードの自分を。。。)

デジカメのセルフタイマーをセットします。
手ごろな岩の上に置きました。
少し離れて、レンズに向いたまま『すっ』と立ちます。
からだのラインを意識しながら、お澄まし顔をしました。

タイマーのランプが、チカチカ点滅します。

「ぴぴっ」

シャッターの切られた音がしました。
もういちどセットします。
大自然のスタジオで・・・
もう1枚、
チカチカチカ・・・「ぴぴっ」
一糸まとわぬ自分のからだを、画像に残します。

「ふう」

いい気分でした。
すっきりした気持ちとともに、テンションが上がってきています。

(みんな、キライ)
(私のことを何も知らないくせに)

もういちど周囲に誰もいないことを確かめました。
気持ちのおもむくままに・・・
さらに河原の真ん中まで出ていきます。

動画モードに切り替えました。
小さな石の上にカメラを置いて、
「ぴっ」
シャッターのボタンを押します。

(見たいくせに)
(みんな見たいくせに)

レンズに背を向けて、うずくまりました。
そのまま四つん這いになります。
職場の同僚たちの顔を思い浮かべていました。

(本当は、こんなことをする・・・)
(もうひとりの私の姿・・・)

私ひとりだけの世界です。
見渡す限りのこの風景が、私だけのものでした。
演技する必要なんてありません。
股間に右手を這わせます。

敏感な部分を、やさしく撫でました。
大切なところをそっと転がしながら、快感の入口を探っていきます。

「ぁ・・」

恥じ入る気持ちはありませんでした。
漏れ出す喘ぎを声にしたまま、
「ぁ・・ぁ・・ぁ・・・」
背後のカメラを人の目になぞらえます。

(見えるように)
(みんなに見えるように)

四つん這いの股を、さらに開きました。
だんだんと満ちてくる快感の触手に、捕らわれていく自分を感じます。
溢れ出てくるぬるぬるに、自分の指を絡めながら・・・
はしたなく、
(あああ)
腰をくねらせました。

「ぁ、ぁぁ・・・」

自分を偽る必要なんてありません。
みっともなく顔を歪めながら、
「ぁぁーっ・・・ぁーっ・・・」
思いのままに手つきを荒げます。

(バイクくん。。。)

快感に身悶えていました。
「やめてやめて」
勝手にクリを虐める自分の指は、もう私の意思とは関係ありません。

「ぁぁぁん、いくぅ」

頂点は、もう目の前でした。
指先を激しく震わせながら、
「ぁぁぁぁ、ゃめてぇ」
その瞬間をいざないます。

(あの子より。。。)
(わたしのほうが、上なんだから。。。)

中指を、膣の中へと滑り込ませました。
ぬるぬると出し入れしながら、
「ぁっ、ぁっ、ぁっ」
人目をはばかることもなく、恥ずかしい声をあげます。
そして・・・

「あっあっ・・・あああー!」

私は絶頂を迎えていました。
崩れ落ちそうになるからだを支えたまま、
(あああ、気持ちいい。。。)
全身がびくびく痙攣します。

(あああん)

太陽を反射した川面が、きらきら輝いていました。
めくるめくような快感のうずに、からだを動かすことができません。
背中を反らして、
(ああ、撮って)
(幸せなわたしのことを)
レンズに向けたお尻を、思いっきり大胆に突き出します。

余韻にひたっていました。
心地良い疲労感に包まれています。
しばらくぐったり動けずに、そのままそうしていました。
いろいろなことがあったけど・・・
嫌なこともすべて洗い流したように、気持ちがすっきりしています。

(悪いのは、私・・・)
(でも、私は何も悪くない。。。)

ひとりぼっちの私のことを、この山が受け入れてくれた気がしました。

(帰らなきゃ)

ブラをつけて、もとどおり服を着ます。
ノーパンですが、もう気にしませんでした。

(明後日から、また仕事だ)

済んだことをくよくよしたって仕方ありません。
私は、帰路に向けて河原を下っていきました。

実家に帰り着いたときには、もう夕方になっていました。
普通に、お風呂に入って・・・
何事もなかったかのように両親と夕食をとっている私がいます。
なにもかもが、普通でした。
自分が日常の世界に戻っていることを実感します。

食事も終えて、自分の部屋にあがりました。
明日は3連休の最終日です。
東京に戻らなければなりません。

荷物を整理しながら、デジカメを手に取りました。
今日、大活躍したこのカメラ・・・
渓流で撮影した自分を見てみます。

(うーん)

ちょっと残念な出来でした。
セルフポートレートのつもりで撮ってみた自分のヌード・・・
ただの『はだかのスナップ写真』という感じです。
しょせんは、コンパクトデジカメの写真でした。

動画を再生してみます。
決して上手に撮れているわけではありませんが・・・
そこには生々しい自分が映っていました。
カメラの前で下品な自分をさらけ出して、ひとり喘いでいる私が映っています。

自身のオナニー動画を観て、もやもやしていました。
なんだか・・・もやもやするのです。
この動画に対してではありません。
むしろこんなのを観ていると、どんどん自己嫌悪が高まりそうでした。
そのまま削除してしまいます。

(写真・・・)

ちょっと躊躇いましたが、やはり写真も消去してしまいました。
こんな安っぽい雰囲気のスナップ写真を見ていたら・・・
自分が、みじめな気持ちになる気がしたのです。

ベッドに入ってからも、もやもやしました。
(長い1日だった)
今日1日のことを、思い出します。

(おじさん)
(バイクくん。。。)

つい半日前のことなのに・・・
もう遠い過去の記憶のように感じました。
(寝よう)
すっかり疲れてしまって、いつのまにか眠りに落ちてしまいます。

翌朝、目覚めたのは日の出前でした。
部屋の明かりをつけて、テレビをつけてみます。
ろくな番組はやっていません。

まだ、もやもやしていました。

(今日、帰らなきゃ)
(朝のうちに、出ないと)

東京に帰り着く時間が遅くなると、疲れが取れずに明日からが大変です。
そして・・・やっぱり、気持ちがもやもやしてなりませんでした。

(行こう)

まだこの時間です。
行くと決心していました。
親が起きるまでに戻ってくれば、何も問題ありません。

(はやく・・準備・・・)

タンスの引き出しから、しまってあったデジカメを出しました。
昨日使ったコンパクトなカメラではありません。
以前に買った、ミラーレス一眼のデジカメです。
バッテリーの充電をセットしました。

自分の部屋から出て、1階の洗面にいきます。
窓の外は、まだ真っ暗でした。
親を起こさないよう、静かに顔を洗います。

部屋に戻って、着替えました。
それなりに時間をかけて、きちんとメイクします。
持っていく荷物を準備しました。
カーテンを開けると、少しずつ空が白みはじめてきています。
充電を中断しました。
まだ途中でしたが、これぐらいでもじゅうぶんです。

足音を殺して、そっと玄関から外に出ました。
自転車のカゴに荷物を積もうとして・・・
カメラの三脚が、ガチャガチャと音を立ててしまいます。
(わ。。。)
(静かにっ)
あとは、ひたすら自転車のペダルをこいでいました。
20分ぐらい先にある、林道を目指します。
5年ぐらい前に帰省してきたときにも行った場所でした。

(委員くん)
そして・・・
(リーダーくんたち。。。)

あの頃のことを思い出します。
それぞれ、けっこう鮮明に私の記憶に残っていました。
どれも、私にとっては大切な思い出です。
あの子たちは・・・
(私のこと、憶えているのかな)

すっかり明るくなってきていました。
早朝の空気を切り裂くように、無人の道路を自転車で走っていきます。

(着いた)

林道の入口が見えてきました。
そのまま、道なりに雑木林の中へと入っていきます。
土のにおいがしました。

こんな時間に、人がいるはずありません。
それでも・・・
いちおう誰もいないことを確かめておきたいと思いました。
ひととおり最後まで走り抜けてみることにします。

(けっこう寒い)

でこぼこの地面に、ハンドルをがたがたさせながら自転車をこぎました。
空気は冷たいですが、朝の爽やかさと木々の香り・・・
すごくいい気分です。

出口まで走り抜けると、目の前が畑の景色になりました。

(なにも変わってないなあ)

たしか前に来たときも、この景色を見てそう感じたな・・・

(田舎って)
(なにも変わらない)

なんだか『ほっ』とするような安心感を覚えます。
完全に太陽が上がって、朝からいい天気になっていました。
走ってきた道を戻るように、また林道を引き返します。

雑木林の中ほどで、自転車を停めました。
うっそうとした木々の影は薄暗いですが・・・
射し込む日の光には、かなりの明るさがあります。

(どこにしよう)

場所を決めて、三脚を立てました。
デジカメを取り付けて、フラッシュをセットします。

バッグを開けて、ポーチを出しました。
手鏡を使って、もういちどメイクを整えます。

レンズの前に立ちました。
リモコンを使って、
「バシャ」
試しに1枚撮ってみます。

いやらしい気持ちでいるわけじゃありませんでした。
昨日、うまく撮れなかったヌードのセルフポート・・・
今度は、ちゃんとしたカメラで撮り直しておきたかっただけです。
ずっともやもやしていたこの気持ちに、決着をつけたいだけでした。

試し撮りした1枚を確認してみます。
(悪くない)
やはりコンパクトデジカメで適当に撮るのとは違いました。
光の具合や、背景のアングルにこだわってカメラの設定を調整しなおします。

周囲を見渡しました。
早朝の雑木林に、ひとりいるのは私だけ・・・
(よし)
脅威となるものはありません。
着ていたオータムコートを脱ぎました。
パーカーも脱いで、スカートをおろします。
ストッキングは、はいてきていませんでした。
ブラを外してパンツを脱いで、全裸になります。

(寒い)

まだ10月の半ばでしたが、早朝の冷え込みはなかなかのものでした。
風がないのが救いです。
シューズも脱いで、裸足になりました。

あらかじめ決めた立ち位置につきます。
手の中のリモコンで、
「バシャっ」
撮影をしました。
フラッシュの光をからだに浴びて、
「バシャ・・」
「バシャ・・・」
今のわたしを、鮮明に画像に残します。

(1枚あればいい)

最終的にはベストと思う1枚だけを選んで、あとはすべて消去するつもりでした。

(生涯、決して誰にも見せない)
(私だけの思い出の写真・・・)

少しずつ立ち向きの角度や表情を変えて、
「バシャっ」
その候補となるはずの写真を何枚も撮っていきます。

(ん?)

ずっと研ぎ澄ましていた神経に、違和感を感じました。
シューズに足をつっこんで、素肌にコートをまといます。
じっと周りの様子を窺いますが・・・
どこにも人の気配はありませんでした。

(敏感になってる)

やはり昨日のことがあって、すごく慎重になっている自分を感じます。

カメラの画面で、撮った写真を確認しました。
(いい)
(キレイに撮れてる)
そこには、オールヌードでカメラをみつめている『飾らない私』がたくさん写っています。

(よかった)

この中には、きっと納得のいく1枚もあるはずです。
晴れやかな気持ちになったところで、
(あっ)
緊張感が走りました。
今度は確実に、近づいて来る人の気配がします。

(こんな時間に?)
(ここを通る人がいるの!?)

慌ててブラとパンツを身につけました。
服まで着る時間はありません。
急いでまたコートをはおって、前をぴったり押さえます。

カーブの先の木々のあいだに、歩いて来る人の影が見えました。
曲がり切って正面に現れたのは・・・
犬を散歩させている、おじさんです。

60歳は超えている感じの人でした。
向こうもこっちに気づいて、怪訝な顔をしています。

(だいじょうぶ)

「おはようございます」
「おはようございます」

すれ違っていくおじさんに挨拶だけ交わして、そのままやり過ごしました。
私はその場にたたずんだまま、またひとりになるのを待ちます。
自分なりに、もう撮影は済んでいました。
歩き去っていくおじさんのあの後ろ姿が見えなくなったら・・・
(急いで片づけよう)
とっとと服を着て、帰るまでです。

ちょっとはらはらしました。
怪しまれたのでしょうか。
おじさんは、何度もこっちを振り向いています。

(だいじょうぶ)
(べつに、はだかでいたところを見られたわけじゃない)

林道のはじに立てた三脚とカメラ・・・
ただ写真を撮っていただけだということは、見ればわかるはずでした。

と・・・
だいぶん向こうまで行ったおじさんが、立ち止まって私を見ています。
そして、またこっちに戻りはじめていました。

(戻ってくる)

でも、怖い感じはありません。

(だいじょうぶ)

私は落ち着いていました。
(何もやましいことはしてない)
おじさんの出方を待ちます。

「なにを撮ってるんですか?」

おじさんがにこにこと尋ねてきました。

「ええ、ちょっと自分の写真を」

私も、にこやかに返します。
かわいらしい犬でした。
私の自転車のタイヤをくんくん嗅いでいます。
おじさんは、
「こんな朝早くに?」
興味深げに私の顔を見てきました。
そして・・・
自転車のカゴの、脱いだままのスカートに目が留まっています。

悪意は感じませんでした。
若い女と話したいだけのように見えます。

仕事のときと同じぐらい、しっかりメイクしてある私の顔・・・
私の容姿に惹きつけられたように、おじさんがみつめてきていました。
つい、虚栄心が芽生えてきます。

「ちょっと、事務所に出す写真が必要で」
「自然の中で、下着姿の自分の写真を撮っていたんです」

楚々としながら、あたかも芸能関係者のように嘘をついてみせました。

顔じゅう濃いしみだらけの、老いたおじさん・・・
カメラが載った三脚と、にこにこしている私の顔を交互に見ています。
ますます関心を持ったように、
「事務所?」
もう興味でいっぱいという感じでした。

状況につじつまを合わせようと、
「あ・・・ちょっと劇団に所属してて」
「オーディションに出すための写真が要るんです」
悪びれずに嘘を重ねます。

しっかりと受け答えをする私に・・・
おじさんは、
「劇団?」・・・「オーディション?」・・・
おうむ返しに言葉を反芻していました。

「昼だと、ひと目がありますから」
「あさ早いうちに撮りに来ようって思って」

平然とした顔で答えてみせます。

「へええ、女優の卵さんかなにか、だ?」

恥ずかしそうに、
「いえ、まだそんなんじゃ」
私は、言葉をにごしてみせました。

(気持ちいい)

おじさんが、完全に信じ切ってしまったのがわかります。
このやりとりが楽しくなっていました。
あくまでも楚々とした感じで、
「がんばります」
照れたふりをしてみせます。

「どんな写真を撮ってるの?」
「ちょっと見てていい?」

おじさんの意外なひとことでした。
『もう終わったんで』という返事が、喉もとまで出そうになって・・・
(う・・・)
気持ちが大きく揺れます。
とりあえず、
「え、それはちょっと」
困惑したふりをしてみせました。

興味津々という顔で、
「いいじゃない、劇団でがんばってる人なんでしょ?」
「邪魔しませんから」
おじさんが、私のセルフ撮影の様子を見たがってきます。

(すごい、いい)

チャンスだと思いました。
ここで『いいですよ』って言えば・・・

(こっそり覗かれるのとはちがう)
(男の人の前で、堂々と撮影のふりができる)
(それも、下着姿になって)

でも・・・

(危ない?・・・危ないかな・・・)

昨日、あんな思いをしたばかりです。
慎重な気持ちで、相手のおじさんを見ていました。

(だいじょうぶ)
(この人ならだいじょうぶだ)

やましい思いを断ち切れない自分がいます。

でも・・・

「もう終わったとこですよ」
「いっぱい撮れました」

私は、笑顔で断っていました。
おじさんが、『なあんだ』とがっかりした顔をしています。

「じゃあ、がんばってね」
「ありがとうございます」

正直に言えば、葛藤が入り混じっていました。

(惜しい)
(すごいチャンスだったのに)

それでも、
(これでいい)
(もう、危ない橋は渡りたくない)
わんちゃんを連れて歩いていくおじさんの背中を見送ります。

ひとりになった瞬間、はおっていたコートを脱いで・・・
急いで、服を着ました。
カメラや荷物を片づけて、自転車に乗ります。

(これでいいんだ)

後悔はありませんでした。
実家に向けて自転車をこぎます。
私の心は、晴れ晴れとしていました。


(PS)
長文にお付き合いいただいてありがとうございました。
何回かに分けたかたちになったので、途中で心配をおかけしてしまいました。
ごめんなさい。
ご心配の声、かばってくださった方、とても嬉しかったです。
私は、本当に元気です。ありがとうございました。

K覗かれて

ある建物で、熱いシャワーを浴びていました。
ブースは4つ並んでいますが、今ここにいるのは私ひとりきりです。
もちろん、すべて計算したうえでのことでした。
いま、ここの利用者は自分だけしかいないと私は知っています。
ぴかぴかの設備でした。
もともと古いコテージの建物だったのを、リノベーションしたのだと説明を受けています。

(どきどきどき)

重圧に押しつぶされそうでした。
こんなに大胆なシチュエーションは、久しぶりです。

(あのおじさん)
(どこの誰だか知らないけど)

さぞかし、わくわくしていることでしょう。
今ごろ裏庭に身を潜めたまま、
『はやく出てこい・・・』
外からこっそりと脱衣ルームを覗きこんでいるはずでした。
はだかの私を、ひとめ見てやろうと・・・
いまこの瞬間も、鼻の穴を膨らませているに違いありません。
実際には・・・
ぜんぶ、私の手のひらで転がされているだけだとも知らずに。

ここまでは完璧でした。
(本当は、ただの会社員なのに)
あの人は、私のことを完全にCAさんだと思い込んでいます。

たまたま、半日ほど顔を合わすことになったわけですが・・・
ずっと楚々として振る舞ってみせていたのが、かなり効いていました。
何回か話し相手になってあげたときの、
(すごく嬉しそう)
(でれでれしちゃって)
あのだらしない顔を忘れられません。

(どきどきどき)

そろそろ頃合いでした。
シャワーを止めて、バスタオルでさっと全身を拭きます。
(ああん)
興奮して泣きそうでした。
われながら、完全に確信犯です。
脱衣ルームは、休息所(?)も兼ねているつくりになっていました。
裏庭に面したガラスサッシは、全面透明です。
ちゃんと下まで降りていたブラインド・・・
その下端を、床から15cmぐらい引き上げておいたのは私自身でした。
覗きに来たくなるように、巧みにあの人を誘導したのも私です。

(ああん、緊張する)

私は、悪くない・・・
あくまでも、何も知らない『覗きの被害者』の立場です。
そう自分に言い聞かせていました。
(だいじょうぶ)
澄ました表情をつくります。

(よし・・やろう)

バスタオルをからだに巻きました。
ごくあたりまえの顔で、『すっ』とシャワールームから出ていきます。

(いるの?)
(いるんでしょ?)

ふわっとした目線で、ガラスサッシのほうを眺めました。

(ああ・・やっぱりいる・・・)

寸足らずにしておいたブラインドの下の隙間から・・・
おじさんが、私のことを覗いているのがわかります。

(どきどきどきどき)

心臓が、破裂しそうに鼓動していました。
狙いどおりの展開なのに、いざとなると動揺してしまっている自分がいます。

(どきどきどきどき)

必死に、平静を装っていました。
まったく気づいていないふりをします。

(自然体で・・自然体で・・・)

バスタオル1枚しかつけていません。
ものすごいプレッシャーでした。
ロッカーの並んだ広々とした空間を、おじさんのほうへと歩いていきます。

(いっぱいしゃべった相手なのに)
(あんなに、でれでれしたおじさんなのに)

ブラインドの3~4m前に立ちました。

(イヤあ・・イヤあ)
(こんな人に見られるなんて、イヤあ)

巻いていたバスタオルを取ります。

(ひいぃぃ)

真っ裸でした。
(恥っずかしいぃ)
何食わぬ顔をして、もしゃもしゃと髪を拭いてみせます。

(見ないで、見ないでえ)

おじさんに、ヌードの私を見物させていました。

細いからだに、小さな胸・・・
ぺたんこのおなかと、浮き出た腰骨・・・
まる出しのアンダーヘアが、生乾きのまま逆立っています。

(あああん)

息がつまるようなプレッシャーに耐えていました。
おじさんの覗き位置が低いので、
(見えてる)
(見えてるよう)
股のあいだの『縦の割れ目』が見えてしまっているのがわかります。

壁の時計に目をやるように、からだの向きを変えました。

背中からウエストにかけてのライン・・・
ボリュームのない、もともと少し開き気味なお尻・・・

痩せているので、こうしているだけでもお尻の穴が見えているはずです。

(恥ずかしいよう)
(見ないでえ)

お澄まし顔のまま、からだを拭いてみせました。
あとでまた、このおじさんとは顔を合わせることになるのです。
そう思うだけで、ものすごい興奮に襲われていました。

(だめえ)
(恥ずかしい)

リラックスしたように・・・
その場で、両腕を真上に伸ばします。
真っ裸のまま、
「んんーっ」
全身で大きく『伸び』をしました。

(おじさん)
(わたしの顔を見て)

脳の中から、日常の私が溶け落ちていくような感覚に陥ります。

(ほら・・・)
(この子、ぜんぜん気づいてないよ)

「う、う、う・・・」
おっぱいの膨らみを強調するかのように胸を張ってみせます。

「ふうーっ」

大きく息を吐いて、腕を下ろしました。
気持ちよさそうに表情をゆるめる私・・・
本当は、もう顔から火が出そうになっています。

二つにたたんだバスタオルを、フローリングの床に置きました。

(やめて、やめて)

躊躇う素振りも見せずに、おじさんの前で背中を向けます。

(お願い、やめて)

バスタオルの上に、両ひざをつきました。
すぐ真後ろには、あの人の顔・・・

(もうこれ以上・・)
(わたしに恥をかかせないで・・)

両方の手も床について、四つん這いになります。

ぐっと背中を反らして、
(あああ、だめえ)
この子の恥部を、おじさんにまる見えにしてやりました。

(ひぃぃ)
(見ないで)

ばっちりと・・・
私の『大切な割れ目』を目に焼き付けさせてあげます。

(こんなにキレイなスチュワーデスさんだよ)
(あんなにやさしくしてくれた子だよ)

そのままの姿勢で、
「ふーっ・・・」
「・・ふうーっ・・・」
胸式に、呼吸を整えているふりをしました。
このキレイなCAさん・・・
おじさんにお尻を向けたまま、思いっきり『肛門』がまる見えです。

(泣きそう・・泣きそう・・・)

そして・・・
(だめぇ、だめえ)
ピラティスの要領でした。
右腕と左脚を浮かせて、まっすぐ前後に伸ばします。
そのままのポーズで静止しました。

(見ないでえ・・こんな格好・・・)

パンツもはかずに、ずっと肛門が見えっぱなしです。

(かわいそう)
(見ないであげてえ)

1分もすると、伸ばした手足が震えてきました。
水平を保つのがつらくなります。

すかさず、今度は反対側でした。
手足の左右を入れ替えて、左腕と右脚をまっすぐ浮かせます。

自分で演じるこの『可憐』な女性・・・
まったく恥ずかしがる素振りなんてみせません。
だって・・・
そこに人がいるなんて、思ってもいないのですから。
むき出しのお尻から、
(ああん、見て)
真後ろに『ぴーん』と伸ばした右脚・・・
数十秒でつらくなって、足先がゆらゆらしてきます。
苦し紛れな感じで、
(あああん)
脚を横に反り上げるようにして耐えました。
『股のあいだ』をまる見えにしてあげて・・・
そこをみつめるおじさんのニヤけ顔を想像します。

(ああん、見て)
(わたしの恥ずかしいとこ、見て)

平常心を保つのがやっとでした。
手足を下ろします。
泣きそうになる自分をこらえて、
「ふう」
立ち上がりました。
バスタオルを持って、自分のロッカー前に行きます。

最後まで不自然に思われるわけにはいきません。
(落ち着いて)
何の憂いもない表情で、パンツをはきました。
それとなく腕のストレッチを交えたりしながら・・・
慌てることなく、ブラも身に着けます。

(まだ見てる)

下着姿のまま、ゆっくりドライヤーをかけました。

澄ました顔で、服を着ます。
普段どおりに、鏡の前でメイクをしました。

(きっと・・・)
(きっとまた話しかけられる)

そのときの自分を想像します。
東京に着いて解散になるまで・・・
また何度でも話し相手になってあげるつもりでした。
(何も知らないふりをして)
(楚々としてあげる)
考えただけで、顔が赤くなりそうです。

再集合の時間まで、まだ1時間近くありました。
あの人のでれでれ顔が、脳裏にかすめます。
羞恥心でいっぱいになりながら、脱衣ルームを出る私でした。


(PS)
断片的で、状況がよくわからないでしょうけど・・・
これ以上は、詳しく書くことができません。
でも、書いていてあのときの興奮を頭の中でよみがえらせることができました。

長文にお付き合いいただいて、ありがとうございました。

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