2ntブログ

CFNM

CFNMや露出についての萌える体験をコピペしました(^^;)

2024-05

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

恭子ともやし君4

こんばんは。恭子と申します。
最近、住んでいたコーポから引っ越しをしました。
住み始めて、まだ1年も経っていなかったのですが・・・。
引っ越しを決意することになったきっかけの出来事と、そこからのいきさつ
を書こうと思います。

私は、転勤にともなって昨年の春から東京に転居してきました。
そのときに、このコーポを選んだのに深い理由があったわけではありませ
ん。
東京へ転勤することが決まったその当時、私には転居先探しに割くことので
きる時間があまりなかったのです。
東京に土地勘があるわけでもなく、通勤の便を重視したエリアで賃貸物件を
探しました。
3軒ほど下見させていただいた中で最終的に選んだのが、このコーポでし
た。
アパートと呼ぶには小綺麗な感じで、かと言ってマンションというわけでも
ありません。
わりと新しくて、明るい印象のコーポです。
しかも・・・、空いていたのは1階でしたが、角部屋でした。
ひとり暮らし向けのコーポにしては、お風呂がユニットバスではなくて、き
ちんと浴室として独立しているところなどは魅力的でした。
建物の端っこの部屋ですので、そのぶん窓が多いという点も悪くないと思い
ました。
当初は賃貸マンションが希望だったのですが、やはりどうしても『東京のマ
ンションの家賃は高い』というイメージがあります。
住まいの近くに駐車場も借りなくてはならないということもあり、経済的な
面を考慮して、このコーポへの入居を決めました。

でも、東京での生活がスタートして月日が経つうちに、だんだんと気持ちも
変わってきました。
せっかく駐車場まで借りたのに、いざ東京に住んでみると、日常生活ではほ
とんど車に乗る機会などありません。
少しずつ東京のことを知るうちに、住んでみたいと思える沿線や、憧れる町
などもできてきます。
ぼんやりと、
(引っ越せたらいいのになぁ)
と思うようになりました。
ただ、現実的にはそう簡単にはいきません。
まだこのコーポに引っ越してきてそれほど経っていませんし、具体的に特に
不自由があるわけでもありません。
いちおう2年契約になっていますので、
(契約が満了したら、更新するのはやめよう)
(そのときに引っ越そう)
ぐらいに思っていました。
雑誌などを見ては、
(あの町に住んでみたいな)
とか、
(次のときはこの町に住もう)
そんな程度の、漠然とした引っ越し願望にすぎませんでした。

前置きが長くなってしまってすみません。
イメージしてもらいやすいように、最初にもう少し説明しておきます。
このコーポは、住宅街の路地の奥のほうの場所に建っています。
建物は2階建てで、各階に4部屋ずつあります。
私の部屋は1階のいちばん奥の105号室です。
104号が存在しないので、103号の次がすぐ105号室になっていま
す。
帰宅してきた私は、いつも敷地の入り口のところの集合ポストで郵便や新聞
を取ります。
そして、1階の101、102、103のドアの前を通っていくと、最後の
ドアが私の部屋ということです。
間取りはいわゆる『1K』です。
スチールのドアを開けて中に入ると、靴が何足か並べられる程度の広さしか
ない、狭い玄関になっています。
靴を脱いであがると、そこがそのままキッチン(というか台所)のスペース
です。
右側が洗濯機とキッチン。
左側が浴室の扉とトイレのドアになっています。
玄関をあがった部分の、狭いこの台所スペースが、実質的には脱衣場を兼ね
てしまっています。
その奥の、半透明の戸の向こうが8畳ほどの広さの、長方形の『部屋』で
す。

正確な日付は憶えていませんが、12月の下旬のことです。
仕事から帰ってきた私は、たいていの場合、まずお風呂に入ります。
洗い場で体を洗い終えた私は、最後にゆったりと浴槽のお湯につかりまし
た。
脚を伸ばせるほど広いわけではありません。
それでも、こうやってちゃんとお湯につかることができるお風呂場は、私の
リラックス空間です。
私は、わりと熱めのお風呂が好きなほうです。
熱いお湯につかりながら目をつぶっていると、毎日の嫌なことを忘れること
ができます。
頭の中を空っぽにして何も考えなくて済むのです。
この日も、肩までお湯に沈めながら『ぼーっ』としていました。
本当は体に良くないですが、いつものぼせる寸前まで、お湯につかってしま
います。
すっかり温まった私は、浴槽の底の栓を抜いて湯船から立ち上がりました。
そのときに・・・違和感を感じたような気がしました。
小さな物音が聞こえたのか、それとも何か気配でもよぎったような気がした
のか、自分でもはっきりわかりません。
(・・・なんだろう?)
角部屋のおかげで、私の部屋には浴室にも窓があります。
換気用の窓で、縦長の長方形をしています。
いわゆる引き戸(?)タイプのサッシ窓ではなくて、レバーをひねると窓枠
ごと外側にせり出して斜めに開くようなタイプのものです。
この換気窓の外側に違和感を感じた気がしたのです。
ただ、当然ながら入浴中はいつもこの窓はぴったり閉めきっています。
外には、隣の家との境界になっている塀が立っています。
コーポの建物の外壁と、この塀との間には、1m半ぐらいの幅のスペースが
空いています。
建物の横側の、本当に何もない、ただの狭いスペースです。
その気になれば誰でも立ち入ることはできますが、こんなところにわざわざ
来たところで、何があるわけでもありません。
浴室のこの換気窓は、もちろん曇りガラスです。
仮に、もし万一そこに誰か人がいたとしても中を覗かれることはありません
し、そもそもそんな人がいるとは到底思えません。
(こんな夜に鳥かな?)
(それともノラ猫でも通ったのかな?)
一瞬だけ『?』と感じた以外には、このときは特に気に留めることはありま
せんでした。

年末年始に実家に帰省していた私は、1月4日に東京に戻ってきました。
翌日がすぐ仕事始めでしたので、気分的にはけっこう憂鬱でした。
やらなければならない業務が、山のようになっているのが容易に想像できま
す。
(やだなぁ。。。)
夜、お風呂に入ってお湯につかりながら、頭を空っぽにしていました。
何も考えたくない気分です。
浴槽の中で『ぼーっ』としていると、ふと、外のほうから
「ザリッ」
みたいな、短い音が聞こえたような気がしました。
そういえば・・・という感じで、
(前にもこんなことあったなぁ)
年末のあの違和感のことを、ぼんやり思い出しました。
ノラ猫かなにかが通った・・・普通に考えれば、そう解釈するのがいちばん
自然でした。
でも、なんとなく腑に落ちません。
翌日からの仕事のことを考えて憂鬱になっていた私の神経が、たまたま過敏
になっていたのかもしれません。
なんとなく釈然としない気分でした。
(人がいる?)
(いや、ありえない)
でも・・・
(まさか覗き?)
もし人がいるとしたら、それぐらいしか理由が思いつきません。
『まさか』という感じです。
現実味がありません。
だって浴室の窓は閉め切っていて、中を覗くことなどできないのですから。
(でも、ノラ猫が音をたてたりする・・・?)
気にすればするほど、そこに人がいるような気がしてきてしまいます。
なんともいえないような嫌な気持ちになります。
(うーん???)
(このあたりにも変質者みたいな人がいるのかな???)
まだ心の中では『そんなわけない』という気持ちです。
危機感もありません。
突拍子が無さすぎて、いくらなんでも・・・です。
(たぶん私の思いすごしだ)
半信半疑ながらも、少し重苦しい気分でお風呂を上がりました。

2~3日後、だったと思います。
この日はいつもよりもさらに遅くまで残業して、クタクタに疲れて帰ってき
ました。
帰宅してきて玄関で靴を脱いだ私は、台所スペースを抜けて部屋に入りまし
た。
部屋には2つの窓があります。
1つはバルコニーに面した大きな窓で、もう1つは、部屋の側面の小さな窓
です。
ややこしいので、この部屋の側面の窓は『横窓』と書くことにします。
帰宅してきたときは、バルコニー窓も横窓も、薄いレースのカーテンだけが
かかっている状態です。
部屋の照明をつけなくても、室内が本当の意味で真っ暗になることはありま
せん。
住宅地特有の人工的な薄明かり(?)が、レースカーテンを通して部屋の中
に差し込んでくるからです。
部屋に入ってコートを脱ぎます。
もうかなりクタクタでした。
(え?)
思わず『はっ』と息をのみました。
視界の隅で何かが動いた気がして、横窓に目を向けます。
レースのカーテンの向こう側、窓の外で人影がとっさにしゃがんで隠れるの
が目に入ってしまいました。
(うそ?・・・ほんとに?)
自分が目にした光景を、自分で信じることができません。
(え?・・・どういうこと?)
(えっ、なんで?)

あまりにも『まさか』すぎて、ぜんぜん現実感がありません。
人がいるはずのない場所・・・
私の部屋の窓のすぐ外・・・
すぐそこに人がいたという事実・・・
(まさか・・・、本当に覗き?)
きちんと状況を理解できないままに、自動的に体が動いていました。
なぜか慌てるでもなく、非常に冷静でした。
悲鳴をあげる気にもなりません。
まったく現実感がないために、他人ごとのような感覚です。
横窓に歩み寄りました。
この窓は、曇りガラスではありません。
普通の透明のガラスです。
何事もなかったかのように、もう1枚の厚いカーテンを閉めていました。
レースカーテンの上に、生地の厚いカーテンが重なります。
バルコニー窓のほうも、厚いカーテンを閉めます。
室内が真っ暗になって、照明をつけます。
おかしな表現ですが・・・
カーテンを閉め終えてから、ようやく(?)パニックになりました。
突然『孤立』を感じた・・・
急に追い詰められた・・・
うまく言い表せませんが、そんな感じです。
(なんで・・・?)
(だれ、だれ?)
とにかく動揺していました。
(うそ、うそ、うそでしょ?)
じわじわと恐怖を感じてきます。
(信じられない)
事実を現実として認識しようとしても頭が働いてくれません。
この状況が何を意味しているのか、理解に苦しみました。
これもおかしな表現ですが・・・
このとき私は『パニックになっている自覚』がちゃんとあって、
(冷静になろう、冷静にならなくちゃ)
必死に頭を冷やそうと努めることができました。

仮にあの人が『覗きや変質者の人』だったとしても、あれはまだ私が部屋の
照明をつける前のことです。
部屋が暗かったのですから、レースカーテンが1枚かかっていただけでも室
内を見ることはできなかったはずです。
私はいつも、部屋中の全ての厚いカーテンもきちんと閉めてから、それから
初めて室内の照明をつけるようにしています。
これでも女のひとり暮らしですから、そういう点にはいちおう気を使ってい
るのです。
偶然にも、たまたま誰かがいただけなのかもしれません。
あそこに誰か人がいたのだとしても、私の部屋を覗くのが目的の人間だった
とは言いきれないはずです。
(なにかの工事の人?)
(点検とか?)
内心ではまだ『何かの間違いであってほしい』・・・そう思いこみたい気持
ちでいっぱいでした。
(でも・・・)
すこしずつ冷静になってきた頭で一生懸命に考えます。
時間が時間です。
あんな場所で、工事も点検も清掃もありえません。
ただの建物と塀の間のスペースです。
あんな狭い場所に来たところで何もないのです。
誰かがこんなところにわざわざ回りこんでくるだけの理由など考えつきませ
ん。
(まさか泥棒とか?)
このスペースに回りこんでそこにあるのは、私の部屋の横窓と浴室の窓ぐら
いのものです。
(やっぱり覗き?)
それにしたって部屋のカーテンはしてあるし、浴室の窓だって曇りガラスで
す。
何も見れるはずはないのです。

(でも、でも・・・)
本当にそうでしょうか。
不注意でカーテンに隙間をつくってしまっていたことが過去にあったとした
ら・・・
単に私が気がつかなかっただけで、もしかしたら部屋を覗かれていたことで
もあったのかもしれません。
また頭がパニックになってきました。
さっき帰宅してきたときだって、閉めてあったレースカーテンが本当に隙間
なく完全な状態だったかどうか・・・
もう自信が持てません。

・・・いえ、大丈夫なはずです。
自分の几帳面な性格を考えれば、私はそういうところは特に意識しなくて
も、きちんとしているはずなのです。
覗かれていたことがあっただなんて、そんなはずはありません。
自分の身にそんなことが起こるとはどうしても信じられません。
けれど・・・
(さっきの人、とっさにしゃがんで隠れてた)
(暗くてまだいないと思っていた私の部屋から物音が聞こえたから、あわて
て隠れた、とか?)
考えれば考えるほど、今まで感じたことのないような不安にかられます。
私にとっては『覗き』すなわち『変質者』というイメージしかありません。

残業続きの私は疲れていました。
トラブルを現実のこととして受け入れたくありませんでしたし、考えるのも
嫌でした。
脳が思考を拒否して、頭を空っぽにしようとします。
何事もなかったかのように・・・
きっと現実逃避だったんだと思います。
考えないことにして、『このことは無かったことにしてしまいたい気分』だ
ったのかもしれません。
あれがもし覗きの人だったとしても、とりあえず戸じまりやカーテンをきち
んと閉めることに気をつけさえすれば実害はありません。
もちろん後味のいいものではありませんでしたが、具体的な被害があったわ
けでもないのです。
もうクタクタに疲れていて、この時点で考えるのをやめにしていました。

お風呂に入りました。
浴槽の中でお湯につかります。
換気窓を見ながら、どうしても意識してしまいます。
そしてこのとき初めて思いました。
(曇りガラスだけど・・・)
私が窓に接近したときには、外からでもシルエット程度はわかるのかもしれ
ないという気がしてきます。
また考え始めてしまって不安になってきます。
(中が明るくて、外が暗いから、ぼんやりは見えるのかも・・・)
悪いように悪いように考えこんでしまい、どんどん落ち込んできました。
曇りガラスに裸のシルエットが、それとなくぼんやりと浮かび上がる・・・
『たかが』その程度のことかもしれません。
そうだとしても、私の頭の中にはどうしても『覗き=変質者』のイメージが
あります。
再び恐怖に襲われました。
得体のしれないような不安にかられながら、浴室から出ました。

今まで味わったことのないような不安にとりつかれていました。
その恐怖を振り払うかのように、とにかく服を着ます。
いくら否定したいと思っても『建物の横のスペースに誰かがいた』のは、ま
ぎれもない事実です。
客観的に分析すれば、目的は私のお風呂か、横窓から部屋の中を覗こうとし
ていた変質者だったと考えるのがいちばん妥当な状況です。
帰宅してきたあのときから1時間以上たってしまっているのに・・・
ここにきて、いきなり実感がわいてきたという状態でした。
われながら情けないぐらいに怯えていました。

頭では、警察に連絡すべきだと思いました。
どこの誰だか知りませんが、もし今後さらに何かエスカレートするようなこ
とがあったらたまりません。
それなのに・・・
本当に110番するなんて、とてもできませんでした。
判断を行動に移すだけの『あたりまえの勇気』がありませんでした。
まったくナンセンスな感覚なのですが、このときの私は、警察沙汰にして騒
ぎを大きくすることを『恥』に思ってしまいました。
(もしも間違いだったら・・・)
言い訳をつくって何も行動できない自分の性格の弱さに自己嫌悪していまし
た。

もはや、たまたま『今日初めて覗かれそうになった』のだとは思えませんで
した。
これまでだって、本当に『まだレースのカーテンだけの状態なのに部屋の照
明をつけた』ことがなかったと言い切れるでしょうか。
もしかしたら、スーツを脱いでしまってから厚いカーテンを閉めたようなこ
とがあったのかもしれません。
私が知らなかっただけで、やはり過去には部屋の中を覗かれていたことがあ
るのかもしれません。
そして今でも私の部屋を覗こうと、その変質者はときどき様子を窺いに来て
いるのかもしれません。
もしそうだとしたら・・・
それがはたしていつのことからなのかさえ、それすら私にはわかりません。
今日、あのとき、人の存在にふと気がついたのは『偶然』で、下手をすれば
きっと今後もずっと気がつかなかったはずです。
悔しさがあふれてきて、感情を抑えられなくなりました。
(よりによってどうして私がこんなめに。。。)
こらえることができなくなった私は、部屋の中でひとりで泣いてしまいまし
た。
(引っ越したい)
そう思いました。
心の底からの強い願望でした。
もうここに住んでいたくはありませんでした。
被害妄想と言われてしまうかもしれません。
あるいは自意識過剰と軽蔑されてしまうかもしれません。
私も、これが他人ごとだったら『たかがそれぐらいのことで大げさな』と感
じてしまうと思います。
でも、すっかりショックを受けてしまっていた私は、強い不安に取りつかれ
てしまいました。
短絡的ですが、引っ越すことがいちばん手っ取り早くて確実な解決策だと思
いました。
(知らないうちにプライバシーを侵害されてた・・・?)
(誰かにつきまとわれてる?)
疑心暗鬼に陥って、悪い想像を膨らませてしまいます。
今こうやって思い出しながら書いていても、このときの私は、それだけネガ
ティブになっていました。
(引っ越したい)
そればかりが頭をよぎりました。
冒頭に書いたように、もともとこの住まいにこだわりがあったわけではあり
ません。
(引っ越そう)
その夜のうちに決意していました。

翌日からは、カーテンの開け閉めにはすごく気をつけました。
間違っても覗けるような隙間ができないように注意します。
浴室でも浴槽のフタを窓に立てかけるようにして入浴しました。
それでも、『窓の外には今日も変質者が立っているのではないか』という気
がして、不安に取りつかれていました。
もちろん、洗濯物も部屋の中にしか干しませんでした。
土日を使って不動産会社をめぐり、引っ越し先を決めました。
引っ越しは、もともと心のどこかで願望になっていたことでもあったので、
すると決めたらそれほど苦ではありませんでした。
時期的にも、春の本格的な引っ越しシーズンより前だったのが幸いしたの
か、納得のいく転居先をみつけることができました。
転居の日は、2月中旬に決まりました。
引っ越し業者に予約を入れ、手配も済ませました。
新しい町に移り住むことがだんだんと楽しみになってきました。
本来は、覗きの被害(?)を泣き寝入りしての『逃げ』以外のなにものでも
ないのですが、『新しい町で新しい生活を踏み出せる』という楽しみで、心
に平穏が戻っていました。
あとは引っ越しまでのあいだだけ、いまのコーポで我慢すればいいのです。
いやなことは、意識的に頭の中から追い出して、考えないようにしていまし
た。
ただ、ようやく気持ちに余裕が戻ってきたこのころの私には、どうしても気
になっていることがありました。
矛盾しているようですが、『私を覗こうとしていた犯人(?)がどんな人な
のか知りたい』という気持ちが強かったのです。

夜、仕事から帰宅した私は、まず部屋の横窓から建物横のスペースに誰もい
ないことを確認します。
そして、わざとレースのカーテンだけの状態で部屋の照明をつけます。
それから服を着たまま浴室に入ります。
浴室の照明はつけずに暗くしたまま、換気窓のガラスを見つめ続けました。
もちろん窓は閉めたままです。
曇りガラスですから、私から外の様子が見えるわけではありません。
でも浴室の中を暗くしてありますし、外はぼんやりとした薄明かりです。
もしもこの換気窓のすぐ前を人が横切れば、さすがにそれはわかるはずで
す。

でも、誰も来ませんでした。
来るのか来ないのかわからないような相手を待つのは、けっこう辛いもので
す。
せいぜい20分が限界でした。
何日か、そんなことを繰り返してみました。

数日後、その瞬間は唐突にやってきました。
この夜も私は同じように、服を着たまま浴室の中で待ち伏せをしていまし
た。
『どうせ誰も来ない』・・・ほとんど頭でそうわかっていながらも、『もし
かしたら』という思いがあります。

曇りガラスの向こう側を、左から右へと、いきなり人影が通り過ぎました。
(え!)
一瞬にして、心臓が凍りつきました。
今、部屋の窓はレースのカーテンだけなのに照明をつけている状態です。
外が暗く、室内が明るいですから、横窓の外からは部屋の中がばっちり見え
てしまう状況です。
浴室のこの換気窓の前を素通りして、部屋の横窓のほうへと誰かが歩いて行
ったのです。
このシチュエーションは、私が仕掛けた罠のようなものです。
まさか本当に引っかかってくるとは自分でも思っていませんでしたが・・・
例えるのなら、まるで『見るはずのない幽霊の姿でも見てしまったかのよう
な』衝撃でした。
先日の恐怖がそのままよみがえってきていました。
今、まさに変質者(?)が建物横のスペースに来ているという現実感に、緊
張でのどがからからに乾きます。
もうあとに引けませんでした。

行動していました。
浴室から出た私は、台所スペースから部屋へと入ります。
自然体を装いました。
明るいので、こちらから窓の外の様子はわかりません。
そこにいる誰かからは、スーツ姿の私がまる見えのはずです。
部屋の照明のスイッチに手を伸ばします。
照明を消しました。
そのまま、また台所スペースに戻ります。
心臓が激しくどきどきしていました。
スチール製の玄関ドアの、ドアスコープに目をくっつけます。
部屋のカーテンは相変わらずレースのもの1枚だけの状態ですが、照明を消
してしまいました。
もう外から室内の様子は見れません。
再び照明がつくのをそのまま待つか、あきらめて帰ろうとするか・・・
いまにも、犯人(?)がこの玄関ドアの前を通るかもしれません。
まばたきもできないような気分でした。
『どきどきどき・・・』
鼓動の速さと、『かーっ』と血圧が上がるような頭の感覚が続きます。
空気全体が重たくなっているみたいな圧迫感です。
スコープからの丸くて狭い視界が、いつも以上に歪んで見えるかのようで
す。
『どきどきどきどき・・・』
目を離すことができません。
(どんな人なの?)
玄関前の様子を窺い続けます。
少しして、丸い視界の中を男の人が横切りました。
まさに一瞬の出来事です。
(あ・・・!)
よく知っている顔です。
(この人・・・)
「・・・カチッ」
お隣の玄関ドアがそっと閉まる気配が聞こえてきます。
犯人は、コーポの隣の部屋の住人でした。

相手の正体を知った私は、知ってしまったことによって困惑していました。
私を苦しめた犯人が、まさかこんなに近くにいたとは思っていなかったので
す。
・・・でも冷静になって考えてみれば、いちばんはじめに疑うべき相手だっ
たのかもしれません。

隣の103号室には男性がひとり暮らしをしています。
きちんと話をしたことがあるわけではないですが、たぶん大学生です。
おそらく私より3~4歳は年下でしょう。
お隣さんですが、これといって近所づきあいがあったわけではありません。
たまたま顔を合わせたときに、軽く挨拶する程度の関係でしかありませんで
した。
一見して内向的な印象の男の子です。
失礼な書き方ですが、ネクラそうなイメージの強い感じでした。
顔を合わせたときに私が挨拶をしても、彼はいつも伏し目がちです。
「ど、ども」
そんなふうにしか挨拶を返せない子です。
外見もひょろっとしていて、白いモヤシを連想させるような感じです。
正直なところ、犯人が彼だとわかったこのとき、私はかなり驚きました。
彼に対するイメージとのミスマッチに困惑気味でした。
おとなしそうな印象そのものの彼です。
『人を見かけで判断してはいけない』ということは、わかっています。
でも、およそ『覗き』などというそれなりのリスクを冒すだけの行動力が、
彼に備わっているようには思えなかったのです。
もっと辛辣な言い方をすると、『あんな子』に、そんな度胸があるというの
が意外でした。
おそらく彼も、学校では毎日多くの女子学生の姿を目にする機会があるはず
です。
でも、極端にコミュニケーション能力が低そうなあの彼が、日常において、
はたして周りの女の子とどれだけ人間関係を築くことができていることでし
ょう。
本当に失礼ながら、彼の日常生活に若い女性との『接点』が多いとは、とて
も思えません。
そんな彼にとっては、隣に越してきたOLの部屋を覗こうとする行為は、私
が考える以上に興奮することなのかもしれません。
彼が自分の103号の部屋の玄関を出て、私の部屋のドアの前を通り過ぎ、
この建物の横のスペースにまわりこんだとしても、誰にも見とがめられるこ
とはないでしょう。
彼はときどき私の部屋の横側に回って、私を覗くチャンスを窺っていたとい
うことになるのでしょうか・・・
被害者心理かもしれませんが、こうなると今度は『日頃から彼とは偶然に顔
を合わせる回数が不自然に多かった』ようにも思えてきます。
私が新聞を取りに行くとき・・・
出勤するとき・・・
帰宅してきたとき・・・
たまたまタイミングが重なったかのように彼が自分の部屋から出てきて私と
顔を合わす・・・
そういうシーンはしょっちゅうあったように思えます。

この日の夜の自分の気持ちは、今でもすごくよく覚えています。
結果だけ考えると、私はあの子に精神的な部分でだいぶん苦しまされたこと
になります。
ベッドに入ってから、悔しくなってきて落ち込んでいました。
たぶん実際には覗きの被害にはあっていないと思うのですが・・・
確信は持てません。
(なんでわたしが。。。)
誰かの存在に気がついたあの日からの、不安な気持ち・・・
あまりに理不尽です。
相手は、知り合いというほどではないにしてもいちおう顔見知りです。
ときどき顔を合わせている人間です。
相手が誰かなんて知ることもなく、そのまま引っ越しの日を迎えてしまった
ほうが、かえって楽だったかもしれません。
泣くほどではありませんでしたが、ショックはけっこう大きくて、それなり
に落ち込みました。
警察に相談した方がいいのかどうか、ずっと悩みました。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://trashbox2012.blog.2nt.com/tb.php/15-d0fc74ee
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

プロフィール

trashbox

Author:trashbox
変態さんいらっしゃい

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

CFNM萌え〜 (10)
男性の露出萌え〜 (10)
女性の露出萌え〜 (27)
手コキ (7)
リンク集 (36)
その他 (4)
イニシャルK (27)
ヒットヒットヒット (1)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR