2ntブログ

CFNM

CFNMや露出についての萌える体験をコピペしました(^^;)

2024-05

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

K最後の温泉

私は、まもなく新しい生活を迎えます。
年度末に会社を辞めてからは、とりあえず実家に戻っていました。
6月からは海外で暮らすことになりますので・・・
現在は、それらの準備に追われる慌ただしい日々を送っています。

そんな中、ぽっかりと予定の空いた日がありました。
来月下旬には日本を離れることになる私です。

(これで最後だ)
(行ってみよう)

親の車を借りました。
早起きをして実家を出発します。

県境をまたぐ数時間のドライブを経て、ようやく目的地が近づいてきました。

いつも、ただ前を素通りするだけだったキャンプ場・・・
そして、山の中へと入っていく分岐点・・・
舗装されていない細い道と、以前に一度だけ泊ったことのある温泉旅館・・・

もう、一生この場所に来ることはないでしょう。
すっかり慣れ親しんだ(?)このあたりの景色も、すべて今日で見納めでした。

2軒・・・3軒と、小さな温泉宿の前を通過して・・・
やがて目立たない駐車場が見えてきます。

そのいちばん奥に車を停めました。
時計を見ると、もうお昼近くになっています。
ドアのウインドウを下ろしました。
森の匂いがします。

(清々しいな)

山の空気を胸一杯に吸い込みました。
爽やかに晴れ渡った、とても気持ちのいい天気です。

途中のコンビニで買っておいたサンドイッチを、車の中で食べました。
奥へと続く、森の歩道が向こうに見えています。

あそこを行った先にある、渓流沿いの野天風呂・・・
私にとっての、特別な場所・・・

(今日で最後だ)

コーヒーを飲みながら、少しだけ感傷的な気持ちになりました。
いろいろな思い出がよみがえってきます。

いい思い出も、そしてすごく嫌な思い出も・・・
そのひとつひとつを、今でも鮮明に脳裏に思い浮かべることができました。

(よかった)
(こんなに天気に恵まれて)

準備を整えて、車から降ります。
あとは、祈るばかりでした。

(今日は、誰かいるかな?)

・・・いなければ、それまで。
どう転んでも、次の機会はもうありません。

森の歩道に足を踏み入れました。
しばらく歩いていくと、朽ちた表示板が見えてきます。

(どうか私に)
(どきどきできるチャンスをください)

脇に下りていく階段道・・・
その急こう配を、
(お願い、誰かいて)
胸をときめかせるような気持ちで、一段一段下っていきました。

山の谷間にある、渓流沿いの野天風呂・・・
私の知る限り、どこよりも美しいその岩風呂が眼下に広がってきます。

(わーお)

予想していなかった展開でした。
下に見えているのは男湯の部分ですが、お年寄りが10人ぐらい入っています。

(なんで?)
(どうなってるの?)

こんなに多くの人が同時にここにいるのを見たのは初めてでした。
階段道を下っていきながら、すぐにも決断を迫られてしまう自分がいます。

(え、え・・・)
(どうしよう?)

これだけの人数でした。
とてもではないですが、ベストなシチュエーションとは言えません。
でも、この人たちが一人残らず帰るのを待って・・・

(そして、また・・・)
(あらためて、次に誰かがやって来るのを狙うの?)

・・・そんなに都合よくチャンスが来る?

(どうする?・・・どうすればいい?)

階段道を下りきって、男湯に降り立ちました。
女湯は、このまま男湯スペースを突っ切っていった木戸の向こう側にあります。

(どきどきどき)

そこにいた人たちの目線が、一斉に私のほうに向いていました。
私としては、ちょっとまともには目を上げられません。
ぱっと見た感じでは、ほとんどが70歳ぐらいのおじいちゃんでした。

最後だという思いもあって、大胆な気持ちになります。

(ええい、やっちゃえ)

日本人ではないふりを演じました。
私としては、わりと得意なパターンです。

にこにこしながら、
「コニチハ」
ずかずかと近づいていきました。
おじいちゃんたちが脱いだ服が、ばらばらと置いてある岩場のあたりへ・・・
そして、
「Is this・・・」
まったく勝手がわからないという感じを装います。

奥に行けば女湯スペースがあることに気づいてないふりをしていました。

「here・・・」
「mixed bathing?」

いちばん近くにいたおじいちゃんに英語で話しかけますが・・・

「あ、なんて?」

思ったとおり、まったく通じません。
その時点で、もはや全員の視線が私に集まっていました。

「uh・・・」

服を脱ぐジェスチャーを交えながら、
「take off clothes here?」
その隣のおじいちゃんに尋ねます。

わかっているのかいないのか、
「イエース、イエース」
にこにこしながら答えているおじいちゃん・・・

「Oh,really?」

カルチャーショックを受けている演技をしました。
戸惑いの表情を浮かべて・・・
『これが混浴というやつか』と、勝手に勘違いしているふりをします。

少し途方にくれた素振りをみせながら・・・
おじいちゃんたちひとりひとりに目を走らせました。

(8・・9・・10・・・うわあ)

全部で11人もいます。

それよりなにより、
「あああ、あの人・・・」
ひとりだけ、30歳ぐらいの人が混じっているのに気づいてしまいました。
どなたかのお孫さんなのでしょうか。
私と目が合ったとたんに、恥ずかしそうにうつむいています。

(イヤあ、ぜったい無理)

足がすくみました。
でも、躊躇ったらその瞬間で終わりです。

(だいじょうぶ)
(私なら、やれる)

そしておもむろに、
「Oh,well」
その場でシャツのボタンを外しはじめてみせました。

ここでは、あえて標準語っぽく直して書きます。
実際には方言と訛りが強く、言葉遣いもすごく荒いのですが・・・

「おい、女湯はあっちだぞ」
「ばか、余計なこと言わんでいい」

おじいちゃんたちの囁きが、はっきりと私の耳にも届いてきていました。
ジーンズも下ろして、あっという間に下着姿になってしまいます。

(ひいい、恥ずかしい。。。)

われながら、うまい演技でした。
これでも、外見の容姿にだけはそれなりに自信がある私です。
お年寄りたちの目には、若くて『すごい美人さん』に映っているという自負がありました。
その美人さんが、
「OK」
日本ではこういうものかと割り切ったかのように・・・
みんなの前で、ブラを外してしまいます。

(ひいいん)

おっぱいがまる出しでした。
突き刺さってくる視線のプレッシャーに押しつぶされそうです。
そして、
(ああん、だめえ)
そのまま、するするっとパンツも下ろしました。

すっぽんぽんになって、
「May I?」
ちょっと恥ずかしそうに岩風呂に歩み寄っていく私・・・

(ひやああ、みんな見てる)

平静を装いながら、
(イヤあ、だめえ)
本当は、ひざががくがくです。

「here OK?」

真っ裸のまま、お風呂のふちに立ちました。
股の『割れ目』もまる見え状態の私に、
(あああ、もうだめ)
いい歳をしたお年寄りたちが、やんややんやとはしゃいでいます。

「おいでおいで」
「こっちに来なさい」

ちょっとつめてもらう感じで、
「thank you」
私もお湯に入らせてもらいました。
にこにこ楽しそうな顔をつくって、ゆったりと肩までつかってみせます。

(ああああ、泣きそう)

すさまじい恥ずかしさでした。

周りは、男・・男・・男・・男だらけ・・・
中には、けっこういやらしい顔をしている人もいます。

(いやああ)
(もうむり、たすけて)

必死に笑顔をつくりながら、景色を眺めるふりをしていました。

「しかし、えらいべっぴんさんだなあ」
「本当に、本当に」

誰ひとりとして怒ることもなく・・・
男湯に入ってきてしまった若い女に、みな嬉しそうな顔をしています。

「もっと乳みせてくれや」
「わはは、〇〇さんは相変わらずだなあ」

下品な冗談を言い合っているのが、私本人に『まる聞こえ』でした。

(うわあ、だめ)
(私もう、本当にだめ)

素知らぬ顔で、私はまったく言葉を理解していないふりをします。

「若いから、肌がつるつるしてんな」
「尻もぷりっとしてたぞ」

(ひいいん、やっぱり帰りたい)

さすがに後悔の気持ちを覚えていました。
もう恥ずかしすぎて、
(こんなの無理だ)
今となっては、お湯から出ようにも出られないという心境です。

「チャイニーズ?」
「コリア?」

つるつる頭のおじいちゃんが、私に話しかけてきました。

明るい笑顔で、
「No,I’m 〇〇〇○○〇」
にっこりと嘘をついてみせます。

「〇〇〇〇〇だってさ」

得意げに、みんなに通訳(?)をしていました。
どうやら11人全員が、同じお仲間のグループのようです。

「かわいい子だなあ」
「そこらの日本人より、よっぽど美人だな」

こうして何もわかっていないふりをしていますが・・・
心の中では、
(もう耐えられない)
1秒でも早く逃げ帰りたい気持ちでした。
男性ばかりの真ん中で、私はタオルひとつ持っていないのです。

(どきどきどきどき)

お湯につかっているおじいちゃんもいれば・・・
岩風呂のふちに腰かけている人もいたり・・・

それぞれが、思い思いにくつろいでいる感じでした。

見たくもないのに、
(うわうわ、やめて)
何人ものお〇んちんが、けっこうまる見え状態で目に飛びこんできます。

おじいちゃんたちが、
「しっかし、K男!」
30歳ぐらいのあの彼を冷やかしていました。

「おまえも早く、これぐらいの嫁をもらえよ」

標準語に直した文章ではニュアンスが伝わらないと思いますが・・・
これでも当人たちは、悪気なく軽口をたたき合っているだけのことです。

「そんなんだから、いつまでも童貞なんだぞ」
「女の〇〇〇見たのは初めてか?」

(もうやめて)

何もわかっていないふりをしていました。
野天の温泉を満喫しているかのように、遠くの景色を眺めます。

「なに恥ずかしがってんだ」
「おまえ、もっとこっち来い」

もじもじしながら、K男くんが近づいてきました。

(ああん、帰りたい)
(恥ずかしすぎる)

身動きすることもできずに、3分・・・5分・・・
頭のてっぺんから噴き出した汗が、だらだら額に流れてきます。

(ああん、たすけて)

「おまえ、だめか」
「べっぴんすぎて、声もかけられんか」

ふわふわふわーっと、脳から『意識』が分離していくような感覚に陥りました。

(もうやめて)
(・・・恥ずかしいよう)

そして、なんだかわからないけど・・・
無性にこの人たちを喜ばせてあげたいという気持ちがわきあがります。

(私は、悪くない)
(何も知らずに、男湯に入っちゃっただけ)

お湯につかったまま、自然体を装っていました。
両腕を真上に伸ばすようにして、
「hu・・・kuuu」
なるべく可愛らしく伸びをしてみせます。

「huuu・・・」

すっかりリラックスしているかのように、にこにこしてみせました。
そんな私のことを、全員が微笑ましくみつめています。

こんなにも、周りには男だらけ・・・
(女は、私ひとりしかいないんだよ)

みんなが私に注目してる・・・
(だって、こんなに純朴そうな子だもん)

さっきの通訳おじいちゃんが、お湯につかったまま自分の肩をぐりぐりしていました。
頭の中で、一瞬にして計算をはじめている私がいます。

「stiff neck?」

屈託のない顔で、
「ざばっ」
つかっていたお湯から立ち上がりました。

真っ裸の肢体を隠すこともなく・・・
3歩4歩と、
「ざば、ざば・・・」
いちばん人数の密集しているそちらのほうに近づいていきます。

(ああん、こんなに大勢いる)

にこにこしながら、
「leave it to me」
お湯につかっている通訳おじいちゃんの背後に回り込んで・・・
肩にそっと手を置いてあげました。

(イヤあん、だめえ)

すぐ後ろにも3,4人がいるのに、
「it’s pain?」
私自身は『立ったまま』で、優しくほぐすように肩を揉んであげます。

(ひゃあああ)

みんなの前で、この『美人さん』のお尻が全開でした。

(あ、あ、あ・・・恥ずかしい・・・)

親切に肩を揉んであげながら、
「How do you feel?」
私の後ろにいる人たちには、この子の『恥部』がまる見えです。

(見ないでえ)

演技している自分が快感でした。
人懐っこい笑顔をつくりながら、
「harder?」
首すじも丁寧にマッサージしてあげる私・・・

「〇〇〇まる見えだぞ」
「いいねえ、若い女の〇〇〇は」

両脚をしっかり踏ん張るような格好で、みんなに目の保養をさせてあげます。

マッサージされながら、
「サンキュウ、サンキュウ」
通訳おじいちゃんが、すごく気持ちよさそうにしてくれました。

しわくちゃの笑顔で、
「わしも、ミートゥ、OK?」
別のおじいちゃんが、自分の肩を指しています。

「sure」

同時に、自尊心が悲鳴をあげていました。
そのおじいちゃん・・・
(ああん、そんな)
すぐ後ろには、K男くんがいます。

「ざばっ、ざばっ」

にこにこしながら近づいていって、年老いたその肩に手を置きました。
やはり私は『立ったまま』で、
(イヤああ、恥ずかしい)
K男くんに、お尻を向けてしまいます。

(いやん、いやん)

最高に屈辱的でした。
彼の目の前で、開き切ったお尻を隠すこともできません。
同じように肩を揉んであげながら・・・
手のひらに力を入れて、
「ああ、上手だねえ」
立ったまま両足をしっかり踏みしめました。

「K男、いい眺めだろ」
「しっかり拝んどけよ」

周りのおじいちゃんたちが、彼を囃し立てながらニヤついています。

(ああん)
(そんなこと言わないでえ)

完全にまる見えでした。
ほんの2カ月前まで、東京で会社員をしていた私の『あそこ』が。
無垢な顔をしながら、
「stiff?」
おじいちゃんの首すじを入念にマッサージしてあげる私・・・

読んでくださっている方に、このときの私の気持ちが理解できるでしょうか。
ずっと『職場の華』と言われてきた私が・・・
同世代のK男くんの前で、
(いやあん、いやあん)
無頓着にも、自分の『割れ目』を披露しているのです。

(ああん、この幸せ者)

頭の中が真っ白になりそうでした。
けなげな顔で、
「here?・・・pain?」
おじいちゃんに気をつかってあげながら・・・
お尻の穴までまる出しです。
恥ずかしすぎて、
(ああだめ)
(涙が・・・)

「OK?」

ひととおりマッサージを終えて、やさしく尋ねてあげます。
でも、このおじいちゃんはちょっと曲者でした。

「や、や、どうもありがとう」
「じゃあ、今度はわしが」

いきなり立ち上がって、私の後ろから肩に手を置いてきます。

「ぎゃく、ぎゃく、今のと逆」

いちおう戸惑ってみせる私でしたが、わりと強引な感じでした。
合点したかのように、
「Oh・・・アリガト」
言われるがまま、からだをお湯に沈めてみせます。

(どきどきどき)

しわだらけの手で、肩を揉まれていました。
力も弱くて、たいして上手でもありません。

(どきどきどき)

緊張しました。
みんなが見ているのです。
表面上は、
「feel good」
心地よさそうに、にっこりしてみせていますが・・・
内心、心配でなりませんでした。
おじいちゃんのこの手が、
(お願い)
(へんなことしないで)
いまにも自分の胸にまで下りてくるんじゃないかと、気が気ではありません。

(どきどきどきどき)

でも、そんなことはありませんでした。
弱々しい力ながら、丁寧に私の肩を揉んでくれています。

「I feel comfortable」

そのおじいちゃんが、
「おいK男、来い」
K男くんのことを招き寄せていました。
有無を言わせぬ口調です。
そして・・・

「おまえ、代われ」

すべて読めた瞬間でした。
(ああ、そういうことか・・・)
私の背後で、ふたりが交代しています。

K男くんに肩を揉まれていました。
いい意味で、みんなに微笑ましく『見守られている』のを感じます。

まだ童貞(?)の彼が・・・
少しでも、この『美人さん』の肌に触れられるようにと・・・

そんなふうに、みんなで計らってやっているという感じが伝わってきていました。

(どきどきどき)

首だけひねって、
「Thank you」
にっこりと彼の顔を見上げてあげます。

(どきどきどき)

不思議な感じでした。
こんな状況なのに、いやらしい雰囲気はありません。
何もわかっていないふりをして、
「good・・・」
気持ちよさそうに、K男くんに肩をマッサージしてもらう私・・・

(ああ。。。)

いまさらながらに、自分でも信じられない思いでした。
一糸まとわぬ姿のまま・・・
男の人たちといっしょにお風呂に入ってしまっているのです。
四方八方から視線を浴び続けている私がいました。

すごく恥ずかしいけど、でも恥ずかしくなくて・・・

(ああ、見て)
(みんな、私を見て)

うまく表現できないけれど、そんな幸せな気持ちです。

心の中で、理性のタガが外れそうになるほどの強い葛藤がおこっていました。
全裸のこの姿のまま、
(喜ぶだろうな)
K男くんに『ぎゅっ』と抱きついてあげたい気持ちになって・・・

いいじゃない・・・
(日本にいるうちに)
私だって一度ぐらいこんなことしたって・・・
(自由がきく今のうちに)

でも、
「Thank you」
けっきょく思い留まります。

自分で自分を裏切ることができませんでした。
私にそんなことができるはずがないのです。

にこにこしたまま、
「ざば、ざば・・・」
お湯からあがって、自分のトートバッグのところに行きました。
中からスポーツタオルを出して、からだを拭きます。

オールヌードの私を、じっとみんなが見ていました。
視線を浴びる快感を味わいながら、
(ああん、気持ちいい)
ゆっくりとからだを拭いて、服を身に着けていきます。

「Thank you・・・Bye!!」

最後まで笑顔を振りまきながら、その場をあとにしました。
階段道を上がっていきながら、なんとも言えないような『感慨』に包まれます。
途中で振り返って、
(さようなら)
最後にもういちど、野天風呂を見おろす私・・・

(ありがとう)

もう二度と見ることもないこの景色を、しっかりと自分の目に焼きつけました。

すごく晴れ晴れしくもあり・・・
そして、どこかせつないような気持ちになります。

たくさんの思い出に別れを告げながら、駐車場へと戻っていく私でした。

誰にも2

備え付けの時計の音が、
「コチッ・・・コチッ・・・」
と、耳に響いてきています。
ほとんど眠れませんでした。
背徳感の余韻と、激しい自己嫌悪が入り混じった気持ちのまま・・・
ベッドの中で悶々としてしまいます。

(ああ、私って最低)

自分の性格の悪さに嫌気がさしていました。
あのタヌキ女・・・
確かに嫌な人だったけど、私がやったことだって陰険そのものです。

(でも、興奮した。。。)

数ヵ月ぶりに味わったあの高揚感に、いつまでも脳が休もうとしてくれません。
そんな状態のまま、まったく寝つけませんでした。

(ああ・・・)
(もう、やだ・・・)

時計を見ました。
眠れないまま、もうすぐ朝の5時になろうとしています。
私はベッドから抜け出していました。
再び、お風呂に行く準備をします。

(誰かいて)
(もういちど・・・お願い・・・)

こんなふうにストレートに書くのは恥ずかしいですが・・・
性欲が昂ぶって、どうにもなりませんでした。

誰かと行為をしたいとかいうのではありません。
私の望みは、ただひとつ・・・
男の人に見られてしまうときの、あのどきどきを味わいたいのです。

バンガローを出て、お風呂ロッジに向かいました。
まだこんな早朝です。
望み薄なのは、最初からわかっていました。
でも、もう行かずにはいられません。

(あまり無茶したらだめ)
(落ちついて)

ここは外国なのです。
よっぽど慎重に慎重をかさねないと、どんなことが起こるかわかりません。
そういう意味では、かなり緊張していました。
お風呂建物に入ると同時に、自然と全神経が研ぎ澄まされてくる自分がいます。

(どきどきどき)

誰もいませんでした。
がっかりなのに、ほっとしています。
無人のロッカールームを見渡しながら・・・
なんだか、ホームに戻ってきたかのような感覚を覚えていました。

(やっぱり)
(誰もいないか)

浴室へのガラス戸を開けて中も見ますが、完全に無人です。

(どうする?)

戻ったところで、どうせ今から眠れるわけがありません。
水着に着替えました。
とりあえず、このまま朝風呂に入ってからチェックアウトすることに決めます。

ひとりぼっちの貸切状態で、湯船に入りました。
ぼーっとしながら、それとなく浴室を観察します。

壁の時計は、ちょうど5時を指していました。

不思議な気持ちになります。
誰もいないお風呂で、ひとりお湯につかっている私・・・
ここは、日本ではないのです。
でも、なんだかそんな気がしません。

(昨日のカップル・・・)

あの2人との出来事も、もはや遠い昔のことのように思えてきます。

静けさの中に、ひとりぼっちでいる私・・・
自分だけ時間が止まってしまったかのような、そんな気分でした。

(こういう非日常的な感じになれるのが)
(ひとり旅のいいところなんだろうな)

まもなく退社することになる職場のことを思い浮かべます。

(もういいよ、考えなくて)
(解放されたんだから)

何もせずに、『ぼーっ』としていました。
温泉のぬるさが、ちょうどいい感じにリラックスを与えてくれます。

(ふうー)

どれぐらい、そうしてまったり過ごしていたでしょうか。
突然、気配を感じました。

『どきっ』

ロッカールームに誰かが来たのがわかります。

頭の中で、ぱちーんとスイッチが入るような感覚でした。
瞬時にして神経が張りつめます。

「ガタン」

(誰か来る)
(怖い・・・緊張する・・・)

ガラス戸が開いて、水着姿の男性がひとり入ってきました。

(あっ)

お互いに顔を見合わせます。
昨日もいっしょになった2人組の男の子のひとりでした。
彼も驚いたようです。
まさか、こんな時間からお風呂に入っている人が他にいるとは思っていなかったようでした。

「Hi」

「Good morning」

ちょっと照れくさい空気の中、挨拶を交わします。

胸がきゅんとしました。
なんと言うか・・・
昨日もしゃべっていますから、お互いに多少は気心の知れた相手です。
彼も、嬉しそうな顔をしていました。
湯船に入ってきます。

「You alone?・・・your friend?」

「still sleeping」

いっしょにお湯につかりながら、自然とおしゃべりがはじまっていました。

どんな旅行をしているのか・・・
今日はどこに行くのか・・・

お互いにカタコト英語ながら、少しずつ会話が弾んでいきます。

彼は、またここで私に会うとは思わなかったと言っていました。
温泉が大好きだと話す私に、日本の温泉との違いを尋ねてきます。

「Japanese hot spring is a ・・・」

20歳ぐらいだと思うのですが、どこかあどけなさも残っている男の子でした。
なんとなく、かわいいウサギを思わせるような前歯をしています。
日本の温泉の話をしてあげました。

最初こそ、少しだけ緊張しているようでしたが・・・
そのうち、私本人に対して興味津々という感じの顔になってきます。

(なんかちょっと)
(気恥ずかしい)

微笑みを浮かべてみせながら、抑えきれない『欲求』が疼きはじめていました。
もう、このときには・・・
無意識に演技をはじめていたのかもしれません。

話の流れの中で年齢を聞かれて、
「25」
嘘をついている自分がいました。
ノーメイクの私なら、どうせばれることはありません。

(どきどきどき)

素直そうなこの子の気持ちを、うまく誘導しようとしていました。
職業の話になったときには、
「cabin attendant」
さらに嘘を重ねます。

私の得意なパターンでした。
いかにも『清楚』で『しとやか』な、美しいお姉さんになりきります。

余計なことはしませんでした。
ときどき、水着の胸もとに視線が来るのを感じますが・・・
無意識に手で押さえるようなふりをして、ガードの固さを印象づけます。

お互いに、お湯につかったり湯船のふちに腰かけたりを繰り返しながら・・・
おしゃべりが止まりませんでした。
彼の目を真っ直ぐみつめながら、
「I see」
にこやかに相手の話にも同調してあげます。

(だいじょうぶ)

少しずつ手応えを感じていました。

(この子なら、問題ない)

私がしゃべっているときの、彼の目・・・
私の顔をみつめている、ウサギくんのその瞳・・・

自惚れていると思われるかもしれませんが・・・
だんだんと、私に見とれてくれてきている感じがわかるのです。

(どきどきどき)

湯船のふちに腰かけていた彼が、脚を組み替えていました。
私としゃべりながら、指で自分の足の裏を押しています。

(ツボを押してるの?)

私は、そのチャンスを見逃しませんでした。

「pressure points?」
「Do you know a lot about it?」

最初、彼は無意識にその仕草をやっていたようです。
私に『ツボに詳しいのか』と聞かれて、
「a・・・ yes」
自分の足の裏を見ながら、今度はきちんと指で押しはじめていました。

私は興味深そうな顔をつくって、その手つきをみつめます。

ちょっと賭けに出ました。
お湯の中で、真似するように自分の足の裏を押すふりをしてみせます。
そして・・・
「ざば」
彼のほうに近づきました。

「where?」

相手の指に、私も自分の指を添えます。
私の手で、足の裏を『さわってあげて』いました。

あえて日本語のまま、
「このあたり?」
「ツボって、このへんにあるの?」
あくまでも大真面目な顔で、その位置を聞いているふりをします。

(あー)
(この子、どきどきしてる)

痛いほどに、それが伝わってきました。

ウサギくんの足を持ったまま、
「ここ?」
なおも真剣な表情で、私の指を押しつけます。

(嬉しそうだね)

そして、彼から離れました。
再びお湯の中に身を沈めて、
「ん?・・ここかな?」
自分の足の裏を指で押すふりをします。

「Do you want me to?」

思っていたとおり、彼が『やってあげましょうか』と、聞いてきました。

「えっ?」

びっくりしたように、
「えっ、No・・・」
ちょっと、どぎまぎしてみせます。

「No・・・no thank you」

ウサギくんに、照れたお姉さんの可愛らしさを見せつけました。
お湯につかったまま恥ずかしそうに・・・
「やだあ」
そして、お互いに笑い合います。

(どきどきどき)
(どきどきどき)

すべて演技でした。
その後も、何事もなかったかのようにおしゃべりをします。
男の子の水着が・・・
(うわ)
股間のところで、もっこりと膨らんでいました。
気がついていないふりをします。

(しゃべってるだけで)
(そんなふうになっちゃうの?)

もう、イメージはできあがっていました。

(どきどきどき)

壁の時計のほうを見て、
「What time now?」
彼に尋ねます。
近視のふりをしていました。
時間を教えてくれるウサギくんに・・・
メガネをかけていないから、よく見えないと嘘を言います。

ふっと、お互いの会話が途切れました。
彼が、新しい話題のきっかけを探すような顔をしています。

(いまだ)

「ざば」

ウサギくんがしゃべりだす前に、私はお湯から立ち上がりました。

「シャワーに行ってくるね」

湯船から出て、傍らに置いておいた自分のミニポーチを持ちます。

(ああ、お願い)
(どきどきしたいの)

2つ並んでいるシャワーブースへと歩いていきました。
昨日と同じく『左側』のほうを選んで、中に入ります。
内側からカギをかけました。

水着を脱いで、全裸になります。

2回目の利用ですから、中の様子はよくわかっていました。
このシャワーブースは、電話ボックスを一回り大きくした程度の広さしかありません。
中は、せいぜい直径で1.5mといったところでしょうか。
出入口の扉は、横にスライドして開閉するタイプでした。
うまく説明するのが難しいのですが・・・
この円柱形をしたブースのかたちどおり、カーブした形状の樹脂製の扉です。

コックを捻って、シャワーのお湯を出しました。

昨日、私は『たまたま』みつけていたのです。
この扉の、ある部分のパッキンが劣化していて・・・
本来は密着しているはずのところに、わずかな隙間ができてしまっていることを。

(どきどきどき)

お湯を浴びながら、髪にシャンプーをします。
そして、いちどシャワーを止めました。

(どきどきどき)

カギを外して、
「ガチャっ」
扉を少しだけ開けます。

首から上だけを外に出すようにして、
「ごめーん」
ウサギくんの姿を探しました。
湯船にいた彼が、こっちを見ます。

「ボディソープ、そこらへんにない?」

さっきポーチを置いたあったほうを指さしながら言いました。
もちろん、あらかじめ『わざと』ボディソープだけを置き忘れておいたのです。

彼がそれを持ってきてくれました。
私は、首から上だけしか見せずに・・・
「thank you」
手を伸ばして、そのミニボトルを受け取ります。
シャンプーで泡だらけの頭のまま、にこっとしてみせました。

ウサギくんの目の前で、再び扉を閉めます。
カギをかけました。

(どきどきどき)

この扉の閉まったカプセルの中には、お姉さんがはだかでいるのです。
あとは、彼が気づくかどうかでした。

なんとかして覗いてみたいと思ったなら・・・
たった1カ所だけ開いた、そのわずかな隙間にすぐ目が留まるはず・・・

壁に固定されたシャワーノズルの角度を、手で調節しました。
背後からお湯を当てるような向きで立ちます。

(どきどきどき)

縦に5cmぐらいパッキンが取れてしまっている、その部分・・・
隙間の幅自体は、1cmもありません。
でも、その隙間に目をぴったりくっつければ・・・
あの子には、中の様子がまる見えに・・・

(どきどきどき)

扉の隙間を真正面にしたまま、頭からシャワーを浴びました。

(どきどきどき)

そして、
(あっ・・・あぁっ!)
まさに、自分の計算がばっちり当たった瞬間を見届けてしまいます。
その隙間のところが、明らかに『すっ』と暗くなりました。

(あ、あ、あ・・・)

隙間の位置は、私のひざぐらいの高さにあります。
中はとてもスペースが狭く、それこそ手が届きそうなぐらいの近さでした。
いま、あの男の子の目の前には・・・
シャワーを浴びて立っている私の、ちょうど下半身があります。

(男の子に)
(男に、見られてるう)

ものすごい興奮でした。

頭から『すーっ』と血の気が下りていったかと思うと・・・
次の瞬間には、『かーっ』と顔が熱くなります。

(あ、ああ、あ・・・)

そのまま、頭上からのシャワーを浴びていました。
スペースが狭いせいで・・・
もしあの子がいくら見上げようとしたところで、せいぜいその視野に入るのは私のおなかぐらいまでです。
目が合ってしまうような心配はありませんでした。

(あ、ああぁ・・・)

お湯に濡れたアンダーヘアーと・・・
絶対に見えてしまっている、股の『割れ目』を披露したまま・・・
(ああん、ウサギくん)
(恥ずかしいよ)
立ったままで、髪のシャンプーを流します。

(ひいいいん)

大興奮のシチュエーションでした。
密閉されたこの小さなカプセルの中で、私に隠れ場などありません。

(恥ずかしいよ)
(見ないで。。。)

いちどシャワーを止めて、簡単に髪を束ねました。
その場にしゃみこんで・・・

そして、そのまま床に両ひざをついてみせます。

向き合ったまま、同じ高さで顔と顔とを見合わせるようなかたちでした。
一瞬、隙間のところが明るくなりましたが・・・
すぐに、また影で暗く埋まります。

(ああん、いるう)

でも、近視だと言っていたこのお姉さんが『覗き』に気づくことはありません。
床に置いてあった、ボディソープのミニボトルを手に取ります。

私は、なおも変わらずに楚々とした顔をしていました。
いちど手の中で泡立ててから、
(ヤあん、近いよ、近いよう)
床に両ひざをついたまま、腕、肩、首へとボディソープを伸ばしていきます。

あんなにガードの固かった、このお姉さんが・・・
おっぱいをまる出しにしたまま、自分の胸を洗っていました。

(ああん)
(見られてるよう)

屈辱感も相まって、
(イヤあん、ばかあ。。。)
自分が覗かれてしまっているというその現実に、恍惚とさえしてきます。

おなかのあたりまで洗ったところで、立ち上がりました。
両脚を半開きにして、
(あああ、ぜんぶ見えちゃう)
立ったまま、手で撫でまわすように股間を洗います。

(恥ずか・・しい・よう)

もはや、興奮の極みでした。
ウサギくんのニヤつく顔を想像します。

(だめえ、だめえ)
(お尻はイヤだよ)

いったん、横を向くようにしゃがみこんで・・・
ボディソープを手のひらに足しました。
何秒か私の横顔を目にさせることで、あの子に後ろめたさを感じさせます。

(かわいそうだよ)
(お姉さんが、かわいそう)

そして・・・
今度は、反対側を向くように立ち上がりました。

(だめ・・だめえ・・・)
(お尻の穴が見えちゃう)

隙間から覗いた50cm先には、お姉さんの生身のお尻・・・

あくまでも、自然体を装います。
真後ろからお尻を眺めさせてあげながら、手のひらの中でボディソープを泡立てました。

(このお姉さんは悪くない)
(普通に、からだを洗ってるだけ)

後ろ手に、腕をまわして・・・
男の子の顔の前で、撫でるようにお尻を洗います。

(だめえ、許して)

腰から、太ももへと手のひらを下ろしていって・・・
興奮のあまり、
(死んでもいい)
そう思いました。
ぐーっと前かがみになって、ひざから下も洗っていきます。

(あああん、イヤあ)

あの子にまる見えでした。
中腰のお尻が、ぐいーっと開ききって・・・
その中心には、
ああ・・・
(見ちゃイヤ、見ちゃイヤあ)

全身を洗い終えた私は、シャワーで勢いよくからだを流します。
水着をつけると、影になっていた隙間の部分が『すっ』と明るくなっていました。

私は・・・
(どきどきどき)
今から、あの子の前に出ていかなければなりません。
緊張しすぎて泣きそうでした。

(どきどきどきどき)

「ガチャっ」

扉を開けて、外に出ます。
湯船に入っているウサギくんが、私を見ました。
心の中で、
(絶対に自然体で)
とにかくそれだけを自分に言い聞かせます。

(どきどきどき)

湯船に入って、
「さっぱりしたー」
にこやかな顔で、お湯につかってみせるお姉さん・・・
表情には、何の憂いもありません。

当然ながら、彼は何食わぬふりをしていました。
でも、
(ああん、いじわる)
再びおしゃべりをしながらも・・・
そのウサギくんの鼻の下は伸びっぱなしです。

(覗いてたくせに)

平静を装って、楽しく会話をしてみせる私ですが・・・
そんな彼の表情の端々には、密かな優越感がにじみ出ていました。

(よかったね)
(こんなにキレイなお姉さんで)

胸のうちで、どきどきがとまりません。

「I go,too」

ウサギくんが、シャワーブースのほうを指していました。
そんな彼を・・・私は、お湯につかったまま見送ります。

(さよなら)
(私、いなくなっちゃうね)

あの子がブースの中に入って、扉を閉めると同時に・・・
慌てて湯船から出て、
(もうだめ)
逃げるように、お風呂からあがる私でした。

ウサギくんを置き去りにしたまま・・・
急いでガラス戸を開けて、ロッカールームに出ます。
もう、心臓が爆発寸前でした。

(どきどきどき)

顔が上気して、どうにかなってしまいそうです。

(死んじゃう)
(・・・もう死んじゃう)

まさに、そのタイミングで・・・
あらたに入ってきた男性2人と鉢合わせになりました。

(あ・・・)

大きなナップザックを持った白人の2人組です。

(かっこいい)

ひとりは、ものすごいイケメンでした。
その青い瞳と、整った顔立ちに思わず目を奪われそうになります。

「Good morning」

ちょっと焦ってしまって・・・
かろうじて、
「・・・morning」
つぶやくように挨拶を返せただけの私・・・

もうひとりは、まあ普通のブラウンヘアーの男の人でした。
ふたりとも40代ぐらいでしょうか。
大きなザックを床に下ろして・・・
もう、私のことなんて眼中にないようでした。
手近なロッカーを開けながら、
「〇〇〇、〇〇〇〇・・・」
「〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇・・・・」
ふたりは、ネイティブの早口英語で談笑をしています。

ウサギくんとのことで、
(どきどきどき)
その余韻も冷めやらぬまま・・・
まだ内心のテンションが上がりっぱなしな私でした。

(ああ、やっちゃう?)

立て続けになりますが、ここまできたらもう1回するのも同じことです。
昨日のカップルのときと同じパターンで演技すればいいだけでした。

(今なら、できちゃう)

ウサギくんだって・・・
まだしばらくは、お風呂からあがってくることはないはずです。

(ああ、やっぱり)
(あっちの人、かっこいい。。。)

緊張しました。
こんな人の前で水着を脱いだりしたら・・・
恥ずかしすぎて、私の自尊心は打ちのめされてしまうかもしれません。

(無理だよ)
(できないよ)

タイミングは、今しかありませんでした。
やるのなら、もう本当に『今』この瞬間です。

(ああん、イヤあ)
(そこにいるのに)

考えるより先に、手が動いていました。
ロッカー前の『この場所』で、ゆっくりと上の水着を脱ぎます。

「・・・・・」

談笑していたふたりの会話が、ぴたっと止まっていました。
自分の頭に『かーっ』と、からだじゅうの血が昇っていくのを感じます。

(ひいいん)
(こっち見てる)

胸がまる出しになっている私に・・・
イケメンさんが、
「○○○、○○○○、○○」
あちらに脱衣用のブースがあることを教えようとしてくれていました。
私は『けなげ』な顔で、
(どきどきどき)
英語がまったくわからないふりをします。
ブラウンヘアーが、『わーお』という感じで私を見ていました。

(おっぱい見ないで)
(恥ずかしいぃ)

何の罪もない表情で、
「ん?・・なに?」
下の水着にも手をかけます。
一気にニヤつくブラウンの顔・・・

(イヤぁあ、だめえ)

ふたりが見ている前で、
(イヤぁあ)
するするっと下の水着も下ろしました。

(キゃああ・・・)

すっぽんぽんになって、結わえてあった髪をほどきます。

(ああ、こんなの)
(私、すごすぎる)

さすがに耐えられませんでした。
タオルを取り出して、腰に巻きます。

そして、ふたりの目を釘付けにしている自分が快感でした。
表面上は、
「ん?・・ん?・・・」
半ば、きょとんとしてみせています。

(どきどきどき)

最高の気分でした。
イケメンさんも、私の胸を見ています。
豊満とは、ほど遠い・・・
中学生みたいに小っちゃい私のおっぱい・・・

(ああん、恥ずかしい)

脱いだ水着を手に持ちました。
ふたりの視線など意にも介さないかのように、浴室のガラス戸のところに行きます。

戸を開けて、さっと中を見渡しました。
(どきどきどき)
だいじょうぶ・・・
ウサギくんは、まだシャワーブースから出てきていません。

濡れた水着をしぼりました。
背後から聞こえてくる、ふたりの会話・・・

「〇〇、〇〇〇〇〇・・・・」
「〇〇〇、〇〇〇〇・・・」

その中に、『cute』とか『girl』とかいう単語が混じっているのがわかります。
欧米人のあの人たちからすれば、
(こんなに控えめな胸だったら)
(言葉もわからないアジアの女だったら)
ノーメイクの今の私が、はたして何歳に見えているのか・・・
正直、見当もつきませんでした。

(もう少し)
(あと、もう少しだけ。。。)

過去に何度か経験のある、貧血のふりの演技が脳裏によぎります。
自分のロッカー前に戻ろうと、歩きだしたところで・・・

不意に、よろよろっとしてみせました。
並んだロッカーに手を伸ばして、
「ガシャン」
とっさに寄りかかるふりをします。
ふたりが、『あっ』という顔になっていました。

その場で、足を止めたまま・・・
めまいに襲われたように顔をしかめてしまう私・・・

「・・・ぅ・・」

演技をしながら、
(助けに来て)
つらそうに薄目にします。
手でロッカーを伝うように、よろよろと歩きだして・・・
でも、すぐにしゃがみこんでみせました。

(ああ、私って)
(なんて悪い女)

ふたりが、さっと近づいてきます。

「Are you ok?」

イケメンさんが、
「Whats wrong?」
寄り添うように顔を覗きこんできました。

(ああん、近い)

至近距離なのに、おっぱいを隠すこともできません。
そのまま、床にぺたんとお尻をつけるようにへたり込んでしまう私・・・
いかにも具合悪そうな表情で、
「はあ、はあ、はあ・・・」
苦しそうに息をしてみせていました。
心配そうに、
「○○○、anemia ○○○・・・?」
イケメンさんが私の肩を支えてくれます。

ブラウンヘアーは、最低なやつでした。
へたり込んだまま、
「はあ、はあ・・・」
私はひざを抱えています。
つらそうに呼吸をしている私の『正面』にしゃがんで・・・
口ぶりだけは心配そうに、
「You ・・・dizzy?」
でも、夢中になって覗き見ている感じでした。
正面からだと、腰に巻いたタオルの中がまる見え状態なのです。

(こいつ、最低。。。)

でも、すごく興奮していました。
部屋のすみには、ベンチチェアが1台置かれています。
イケメンさんが・・・
私のことを、そこまで運んでくれようとしていました。
朦朧としたふりをしたまま、
(あああん)
ここぞとばかりに相手の首にしがみつきます。

(恥ずかしい・・・)

チェアの上におろされて、仰向けになっていました。
薄い半目にしたまま、
「はあ・・はあ・・はあ・・」
つらそうなふりをします。

(ああん、見えちゃってる)

腰のタオルが、かなりめくれ上がっていました。
貧血なのは『演技』なのに、
(あ・・ぁぁ・・)
(最高に恥ずかしい・・・)
本当に・・・本当に、涙がにじんできます。

(気持ちいい。。。)

快感でした。
不可抗力のふりをして、あられもない姿をさらけ出してしまっています。

だって・・・
(だってしょうがないよ)
(この子、倒れちゃったんだから)
仰向けに寝たまま、わきあがる興奮を噛みしめていました。

(ああん、気持ちいい)

本当の私が、どれほど身持ちが固いのか・・・
どれだけ、恥ずかしがり屋なのか・・・

そんなことにはお構いなしに、
「はあ・・はあ・・はあ・・・」
はだかのままの私を、男ふたりが見おろしています。

イケメンさんが、
「○○○○、○○・・・」
ブラウンに何かを言って、奥の浴室へと入っていきました。

眉間にしわを寄せたまま、
「はあ、はあ・・・」
迫真の演技で、あの人が戻ってくるのを待ちます。

誰もいないのをいいことに・・・
つらそうにしている私の肩に、
「Do you feel any better?」
そっとブラウンが手を置いてきて・・・

(あっイヤ)
(触れないで)

下心を感じつつも、私は振り払うことができませんでした。

「はあ、はあ、はあ・・・」

その手が、
(ぁ。。。)
すっと胸に下りてきて・・・
おっぱいの横に押しつけられてきます。

(イヤっ、当たってる)

故意なのは明白でした。

(こいつ・・・)
(やめろ、ばか)

苦しそうに息をしながら、
「はあ・・・はあ・・・」
それでも、朦朧としたふりを続けてしまう自分がいます。

やっぱりさわられていました。
腕をさすってあげているという感じで・・・
何度もおっぱいに手をぶつけてきます。

(イケメンさん)
(はやく戻ってきて)

胸の感触を面白がっているという感じでした。
小さくて貧弱な私のおっぱいを、ついには手のひらで包むようにさわってきます。

(ばかあ。。。やめろ。。。)

イヤだけれど、じっとしていました。
自分で演じているこの『貧血の女』に・・・
(これぐらい)
(どうってことない)
おっぱいぐらい我慢しろと、懸命に言い聞かせます。

(恥ずかしいよう)

イケメンさんが戻ってきました。
その瞬間に、胸からブラウンの手が離れます。

イケメンさんが、冷たいミニタオルのようなものをおでこに乗せてくれました。
わざわざ自分のものを、水で濡らしてきてくれたようです。

「はああ・・・はああ・・・」

でも、もう潮時でした。
あまり時間はないはずです。
(あの子が来ちゃうかも)
こんな状態で、再びウサギくんと顔を合わせるのはごめんでした。

すっと目を開いて、
「ありが・・とう」
日本語でつぶやきます。
ふたりが私の顔を覗きこんでいました。
よろよろと立ち上がって、まだ表情だけはつらそうにしておきます。

具合悪そうに服を着て、
「さん・・きゅう・・・」
弱々しくふたりにお礼を言う私・・・
建物を出たとたんに、
(ああん、死んじゃう)
あまりの羞恥に、自分の顔が燃えるように熱くなるのがわかりました。


(PS)
最後までお付き合いくださってありがとうございました。

宗教


私の住んでいるマンションは、入口のところにオートロック機能があります。
ただし、別のところに通用口があるので・・・
訪問セールスや勧誘の人たちが直接各戸のドア前まで来てしまうことがあります。

私は年度末で会社を辞めますので、有給休暇を消化させてもらっていました。
ちょうど、PCに向かって『誰にも見せない裏の顔③』という自身の体験談を書いていたときのことです。
旅行先での恥ずかしい体験を脳裏によみがえらせながら・・・
キーボードを打ちつつ、
(思い出しちゃう)
かなり悶々とした気持ちになっていました。
恥ずかしいけど・・・はっきり書けば、オナニーしたくてたまらない気分です。

そんなときに・・・
外廊下のほうから、それとなく耳に入ってくる声がありました。

(またセールスか)

何の気なしに、PCの前から立ち上がっていました。
玄関先で耳を澄ませてみます。

(あ、違う)
(宗教だ)

まだ、何軒か先のあたりにいるようでした。
インターホンに向かって、何かを話しかけている女性の声が響いています。
きっと、順番にうちにも来る・・・

これまでも、ときどき(数ヵ月に1回ぐらい?)宗教の勧誘の人が来ることはありました。
私は、まったく関心がないので・・・
いつも居留守を使うか、
「うちはけっこうです」
そう言って、すぐにインターホンを切ってしまうようにしています。

悪いけど、本当に興味本位でした。
(どんな人?)
ドアスコープから、外を覗きます。
お隣さんのところまで来ている気配がしました。
ドアチャイムを鳴らしていますが、留守のようです。

(次は、うちだ)

こっそり顔を見てやろうという、ほんの『いたずら心』でした。
ドアスコープに目をつけて待ち構えながら・・・
その後ろめたさに、妙にどきどきしてしまいます。

きゅうんとしました。
もともと悶々としていたこともあって、
(どきどきどき)
ある種、こんな『覗き』をしている自分に興奮してきてしまいます。
自然と・・・パンツの中に手を突っ込んでいました。

(うぅ。。。)

次の瞬間・・・
私の目の前に、相手の姿が現れます。

(あ・・・)

珍しいと思いました。
こういうのって、女性2人組のことが多いというイメージを持っていましたが・・・
20歳ぐらいの可愛らしい女の子と、30代ぐらいの男性という組み合わせです。

スコープから目を離しました。
同時に、
「ピンポーン」
うちのチャイムが鳴り響きます。

いくら頭を使ったところで、このときの感情をうまく文章で表現することはできません。

衝動に襲われる自分に動揺していました。
居留守を使って無視すべきだと、わかっているのに・・・

(ああ。。。)

部屋に戻ってインターホンを取るのではなく、直接ドア越しに返事をしていました。

「はい」

ここは自宅です。
さすがに、まずいと思いながらも・・・
もう抑えられなくなっている自分がいました。

(だいじょうぶ)

退職に伴い、どうせ月末には引っ越しをする予定になっているのです。
別に、住まいを知られたところで・・・

「私、○○と申します」
「こんど特別な催しがありまして、そのご案内に・・・」

ドアの向こう側から、女の子のすごく丁寧な声が聞こえてきます。

(ごめんね)
(あなたには、何の恨みもない)

慌てて服を脱ぎ捨てながら、
「何かのセールスですか?」
ドア越しに問いかけていました。

アドレナリンが湧きあがって、舞い上がるように脳内が高揚していきます。

「いえ、違います」
「少しだけお時間をいただけませんか?」

あっという間に、『全裸』になっていました。
脱いだ服を洗濯機のほうに放り投げます。

「お話だけでも聞いていただけませんか?」

(どきどきどき)

わかっていました。
本来だったら、
(いちど、ドアを開けたが最後・・・)
(延々と帰ろうとしないつもりなんでしょう?)

一呼吸、間をおいてから・・・
「2,3分で済みますか?」
ちょっと冷たい感じに尋ねてみせます。

「あっ、はい!」
「ありがとうございます」

(どきどきどき・・・)
(どきどきどき・・・)

覚悟を決めました。
(こんな格好でドアを開ける。。。)
すでに、内心の興奮もマックス状態です。

(こういうの)
(いちどやってみたかった)

ノブに手を伸ばしました。
鍵を外して、
(どきどきどきどき・・・)
「ガチャッ」
ドアを開けます。

「あ・・・」

何も身に着けていない私の姿に、
「あ・・すみません!」
女の子が、戸惑いの表情を浮かべていました。
その後ろで、男が目を見開いています。

(ひいいいん)
(恥ずかしい)

必死に平静を装いました。
目のやり場に困っている彼女たちに・・・

「私、いつも家ではこうなんで」
「悪いけど気にしないで」

いとも平然とした口調で、さらっと言ってのけてみせます。
男の目線に、
(ヤあん、見ないで)
本当は、心臓が破裂しそうになる私・・・

(見ないで、見ないでえ)

視線を浴びているのをわかっていながら、表向きはなんとか平静を保っていました。

(男が見てるう)

死にそうな気持ちになりながら・・・
「で、なんですか?」
私は、堂々とはだかのままです。

(あああ、だめだ)
(恥ずかしすぎる)

10秒と耐えられませんでした。
自分にはこんなの無理なんだと、やってみてから思い知らされます。

「はい、お忙しいところすみません・・・」

(もうだめ)
(やっぱり帰って)

このまま追い返すしかないと思いました。
男性もいるから遠慮してくるだろうと見越したうえで・・・
あえて、
「さすがにドアを開けっぱなしは困るから」
かたちだけ玄関内へと促そうとするふりをしてみせます。

「すみません」
「お邪魔いたします」

えっと思いました。

(相手がこんな格好でも)
(『またにします』とか言わないの?)

すっと入ってきたふたりが、後ろでドアをしめています。
もちろん部屋にはあがらせませんが、内心焦りました。

(いやん、困る)
(どうしよう)

狭い玄関口に、ふたりが並んで立っています。
やや躊躇いがちながらも、
「すみません、お忙しいところ」
すぐに女の子がトークをはじめてきました。

「今日は、お休みですか?」

意識的に私の首から上しか見ない感じで、ぐいぐいと話しかけてきます。
そのメンタルの強さに感心しながら、

「ええ、まあ」
「仕事がCAなんで、休みが不定期で」

とにかく私は平然としてみせていました。

「えっ、すごいですね!」
「お仕事、大変ですよね」

(ああん)
(視線が痛い)

男のほうには、めちゃめちゃ見られているのがわかります。
CAだなんて嘘をついていますが、それ相応の容姿を持っているという自信はありました。
その私が、
「ええ、まあ」
素っ裸で目の前にいるのです。
私たちの会話に『うんうん』と頷いていますが、その目線だけはしっかりと・・・

(見ないで見ないで)
(だめだめだめ、もうだめ私)

泣きそうでした。
こんなはずではなかったのです。
とてもじゃないけど、もう演技なんて続けられる心境ではありません。

(ああん、見ないで)
(見ないで、お願い)

完全に限界でした。
服を着ていないことが、恥ずかしくて恥ずかしくて・・・

女の子が、
「私たち、○○と申しまして・・・」
はじめて自分たちの団体名を名乗りました。

「えっ、宗教!?」

私は、はっとしたように驚いてみせます。
そして、
「ああ、ごめんなさい」
「私、そういうの関心ないんで」
一気に興味を失くしてみせるふりをしました。

男のほうが、
「失礼ですが、いまどこかの宗教に入って・・・」
すかさず会話に割って入ってきます。

「すみません、その気ないですから」
「勧誘なら帰ってもらえますか」

すごく迷惑そうに言いました。

それでも、なおも私の目をみつめながら・・・

「『○○』には、○○が・・・」
「今まであなたには・・・」

男が、たたみかけるようにアピールトークをしてきます。

「帰ってください」
「私、こんな格好ですし」

つられるように・・・
彼の目線が、一瞬『すっ』と下に落ちました。

(ああ、今だ。。。)

「帰ってって言ってるじゃない」

半分やけになった気分で、キレたふりを演じます。

「だいたい、なんなの!?」
「さっきから、じろじろと」

怒ったように食ってかかってみせました。

「そんなに女のはだかが珍しいの!?」
「見たけりゃ見なさいよ!」

その場で、右脚を『がばっ』と真上に振り上げます。
ストレッチのときの要領で・・・
(あああん)
開脚したままの片脚立ちになっていました。
目の前にいる男に、自分の股のあいだがまる見えになるようにします。

唖然として固まるふたり・・・

(ひいいいん)
(死んじゃう)

女の子が、
「ガチャッ」
愕然とした表情でドアの外に出ていきます。
すぐに脚を下ろして、後ろ向きになってみせました。
前かがみになって、
「見たいんでしょっ!?」
自分の両手でお尻を鷲づかみにします。
まだそこに棒立ちでいる男に、思いっきり見せつけてやる私・・・

(あああ、死んじゃう)

たぶん、ほんの5秒かそこらでした。
男のほうも、
「ガチャ」
失礼しましたとか言いながらドアの外に出ていきます。

急いで鍵をかけました。
同時に、その場に崩れ落ちてしまう私・・・

(ごめんなさい)
(・・ごめんなさい・・・)

罪悪感でいっぱいになりながら、いつまでも立ち上がることができません。
緊張の糸が切れたように、
(ああ、ごめんなさい)
そのまま放心状態になる私でした。


(PS)
長文にお付き合いいただいてありがとうございました。

旅行

長年勤めてきた会社を、年度末で退社することになりました。
2月中に引き継ぎも終わらせて、3月は、たまりにたまった有給休暇をまるまる消化させてもらっています。

以前からいつかやってみたいと思っていた、写真撮影を目的とした海外ひとり旅に行ってきました。
正直、まだまだ下手くそなのですが・・・
風景や植物の写真を撮りに出かけるのが、ここ数年の私の新しい趣味です。

具体的な地名を記すのはやめておきますが、日本からは、飛行機でほんの数時間・・・
時差もわずかしかないその地へと、私は降り立ちました。

旅行会社のツアーなどとは違う、まったくの自由旅行です。
ずっとひとりぼっちでしたが、楽しくて仕方ありませんでした。
念願の〇〇にも足を運ぶことができ、その風景に感動しながら懸命にシャッターを切ったことも、私にとっては貴重な経験になったとしか言いようがありません。

宿泊場所だけは、あらかじめ予約してありました。
食事も、なるべく現地の人たちが行くようなお店ばかりを選んで、『ひとり旅』の空気感を味わいます。
もともと親日家の人たちが多いとされているだけあって、危ないことなど何もありませんでした。

思えば、こんなに自由を感じることができたのは、学生のとき以来かもしれません。
私なんか、たいして能力があるわけでもないのに・・・
20歳のときに就職してからというもの、ずっと自分のなすべき仕事の重圧に追い立てられるだけの日々を過ごしてきたような気がします。
それだけに、旅行をしながら・・・
そういったストレスから解放されている自分に幸せを感じつつ、あちこちで写真撮影を楽しむことができました。

毎日移動と撮影と宿泊を繰り返しながら、ひとり旅も終盤を迎えつつありました。
この日に泊ったのは、ロッジが並んでいるようなスタイルの宿泊施設です。

個々のバンガロー(?)の中は、ベッドと戸棚と簡易テーブルだけ・・・
トイレはありますが、お風呂は付いていません。

お風呂は、専用のお風呂建物があって、皆が共同でそこを利用するかたちでした。
予約したときからわかっていたことですから、別に驚きはありません。
いちおう温泉で、水着を着用したうえでの男女混浴の施設でした。

近くの簡易食堂のようなところで夕食を済ませてあった私は、早々にお風呂に入ることにしました。
旅行も何日か続いてくると、シャワーだけではなく足を伸ばしてお湯につかることのできるお風呂というのが嬉しくてなりません。

自分のバンガローを出て、お風呂ロッジ(?)に向かいます。
建物の中に入ると、まずそこはロッカールームのような脱衣場所になっていました。
たまたま無人でしたが・・・
ガラス戸の奥にある浴室のほうからは、確かに人の気配が伝わってきます。
このロッカールームは男女共用ですが、壁際には着替え用の個別ブースのような空間が並んでいました。
そのドアのひとつを開けて、中に入ります。
服を脱いで、上下セパレートの水着に着替えました。

(温泉か。。。)

妙に緊張しました。
混浴とはいっても水着着用です。
プールにでも来たような気持ちでいればいいはずなのですが・・・
男の人ともいっしょに『お風呂に入る』ということを意識しすぎてしまって、なんだか気持ちが落ち着きません。

ブースから出て、服をロッカーにしまいました。
自分がいま、たったひとりで外国にいるのだということに重圧を感じてしまいます。

(どきどきどき)

浴室へと続く、ガラス戸を開けました。
一瞬・・・
中にいた人たち全員が、入ってきた私に視線を注ぎます。
が、それも束の間のことで、すぐにまた皆それぞれ自分たちのおしゃべりに戻っている感じでした。

桶のようなものがあったので、水着姿のまま、いちおう『かけ湯』をします。
そして、湯船の中に入りました。

先客は、全部で6人いました。
老年のご夫婦と、私と同世代ぐらいのカップル(夫婦?)・・・
そして、20歳前後ぐらいの男の子2人組です。
宿泊者専用のお風呂ロッジですから、おそらくは皆どれかのバンガローに泊っている夫婦や友人同士のはずでした。

(ふうー)

のんびり肩までつかります。
雰囲気は、日本でいうところの温泉旅館の浴場に近い感じでした。
ただし、広さはあまりありません。

(よかった)
(緊張するほどのものでもない)

周りの人たちの容姿も日本人といっしょなので、私もすぐに慣れていきます。
お湯は、わりとぬるめでした。
換気用の大窓が、外側に大きく開いています。

しばらく、くつろいでいると・・・
ご年配夫婦の男性のほうの方が、
「〇△×〇△×」
〇〇語で、にこやかに私に話しかけてきました。

ちょっと戸惑いましたが、
「〇□×△(私は、〇〇語はわからないです)」
ガイドブックで覚えた数少ない会話例を思い出しながら、たどたどしく返します。

男性は『おっ』とした表情を見せましたが、
「ニホンノカタデスカ?」
今度は日本語で話しかけてきてくれます。
その、わりと流暢な発音に驚きつつも嬉しい気持ちになりました。

「はい」

思わず私も笑顔になって、おしゃべりに応じます。

「日本語、お上手ですね」

奥様も、かなり日本語をペラペラに話せる方でした。
3人で会話を弾ませながら、お湯の中でリラックスします。

10分ぐらいそんな時間を過ごしたでしょうか。
ご夫婦は『そろそろ出よう』という感じになってきて、
「デハ、イイ旅ヲ」
ふたりでお風呂をあがっていきました。

(本当は、人見知りの私なのに)

旅先で、赤の他人とコミュニケートすることの心地よさ・・・
お湯につかったまま、その楽しさの余韻にひたります。

そのうち今度は男の子2人組が、
「Hi」
私に話しかけてきました。
彼らは日本語がわかりませんでしたので、お互いにカタコトの英語でおしゃべりをしてみます。

あっちにいるカップルの男性のほう・・・
私は、その彼の視線を感じていました。
これでも、外見の容姿にだけは多少の自信がある私です。
幾度となく、こちらにチラチラ目線が飛んできていました。
おしゃべりをしている私たちのことを、うらやましそうに見ているのが伝わってきます。
そして・・・
いっしょにいる女性のほうは、明らかに不機嫌そうな表情をしていました。

(嫌な感じ。。。)

彼氏が私のほうを見てるからって、ヤキモチを妬かれるような筋合いじゃないのに。

そろそろのぼせてきていました。
お湯からあがります。

日本のような、洗い場みたいな設備はありませんでした。
代わりに、カプセルタイプのような円柱体のシャワーブースが2つ並んでいます。
両方とも空いていました。
左側のブースの扉を開けて、中に入ります。

この中では、シャンプーやボディーソープを使用することが可能でした。
戸を閉めて水着を脱ぎます。
全身を洗いました。

(やっぱり旅行っていいな)
(ひとり旅って、私の性格に合ってるのかも)

明日の予定を頭に思い浮かべながら、気分よくシャワーのお湯を浴びます。

扉の接合部のゴムパッキンが劣化して取れてしまっているのに気づきました。
でも、まあ別に関係ありません。

再び、水着をつけました。

シャワーブースから出ます。
さっきの男の子2人組は、もういなくなっていました。
残っているのは、あのカップルだけです。

内気そうな彼が、私のことをチラチラ見ていました。
性格のキツそうな彼女さんのほうが、
「〇△×□〇△」
不機嫌そうに男性に文句を言っています。

(関わりたくない)

だいたい察していました。
あの男性は、『自分も旅行中の日本人に話しかけてみたい』と思っている・・・
でも彼女のほうは、私が『女』だからそれを快く思わない・・・

(ケンカならあっちでやって)
(私を巻き込まないで)

再び湯船に入った私に、彼女さんの視線が突き刺さります。
目障りに思われているんだということが、ひしひしと伝わってきていました。

こんなことを正直に書けば、それこそ自分の性格の悪さをつまびらかにしてしまうようなものですが・・・
あの女性の心の中には、自分の彼がずっと見ている私の『容姿』に対する嫉妬の気持ちも少なからずあったはずです。

私とは同世代ぐらいの女の人・・・
客観的に言えば、あの彼女さんは『おチビ』で『おでぶ』な・・・
太ったタヌキみたいな顔をした女性でした。

(だからって)

私には関係ないじゃない。

(私は何もしてないでしょ)
(そんな露骨に睨まないでよ)

そういう国民性なのでしょうか。
自分の感情をストレートに顔に出してくる女性・・・

何もわかっていないふりをすることで、やり過ごそうとしていました。
こんなところで嫌な思いをするのは、ごめんです。

(出よう)

すっかり居心地が悪くなってしまった私は、もうあがろうと思いました。
ちょうどそのタイミングで、
「○△□×、〇△×□」
「□〇△×△」
あっちの2人のほうが、先にお湯から立ち上がります。

帰るようでした。
内心、ほっとしている私がいます。

私の前を横切りながら、最後まで未練がましく視線を送ってくる彼氏さん・・・

そして、彼女さんが・・・
私を横目で睨みながら、
「〇〇〇〇」
いっしょに浴室から出ていきます。

(えっ!?)

けっこうショックでした。
私は、何も悪いことをしたわけじゃないのに・・・

(『〇〇〇〇』って!?)

そして、かなりカチンときていました。

(ふざけんな)

あの人は最後、私の前を通りながら・・・
確かにひとこと、
「ugly」
そう吐き捨てて行ったのです。

腹が立ちました。
なぜか無性に・・・無性に、許せない気持ちになります。

(こっちは、何も気づかないふりをしてあげてたのに)
(睨まれても、我慢してあげたのに)

この感情に説明をつけることはできません。
とにかく頭にきていました。
やり場のない憤りを・・・お湯の中で、ひとり噛みしめます。

(ブスは、あなたのほうでしょ!)

私の性格の悪さが全開になっていました。

(あんたの彼が、どんなに私を見たからって)
(そんなの私の知ったことじゃない!)

怒りにまかせて、お湯の中から出ます。
いちど感情をコントロールして、表情をつくりました。
何もわかっていない『楚々とした日本人』の顔になりきります。

(見てろよ、あの女)

ガラス戸に手を伸ばして、浴室から出ました。
ロッカールームにいた彼氏さんが『ぱっ』とこっちを見て、目が合います。
私は、社交辞令的に・・・
軽く会釈だけしてみせました。

彼は、すでに着替え終わっていて、はじっこで手持ち無沙汰に立っています。
あの女は・・・
(いない)
まだ着替え中のようでした。
ドアの閉じている個別ブースがひとつ見えます。

頭の中で、
(男がいるよ・・男がそこにいる・・・)
自身の羞恥心を、一気に煽り立てました。

(こんな男の人の前で)
(イヤだよう)

表面上は、お風呂あがりらしいリラックスしているふりを演技します。

(ああん、こっち見てる)

自分のロッカーの前に立って・・・
そのまま『その場』で、おもむろに上の水着を取りました。

(ひいい)

彼の目が、私の胸に釘付けになっています。
私は、まったく意に介していないという感じで自然体を装ってみせました。
まる出しにしたおっぱいを露わにしたまま・・・
開いたロッカーの扉の上に、脱いだ水着をかけます。

(ああん、見てるよう)

興奮していました。
見ず知らずの男が、すぐそこに立っているのです。

中からタオルを取り出して、髪をもしゃもしゃ拭きました。
ふと、視線を感じたかのように彼のほうに目をやります。

ニヤけた表情がそこにありました。
まさか、ブースに入らず、この場所でそのまま脱ぐなんて・・・
相手の顔には、まるでそう書いてあるかのようです。

(ばかっ)
(そんなにニヤニヤしないで)

私は『ん?』と、不思議そうな顔をしてみせました。

温泉の脱衣所で、はだかになるのは普通のこと・・・
あたかも、それが当たりまえの感覚になっているかのような『日本の女』を演じます。

(恥ずかしいぃ)

きょとんとしながらも・・・
相手の目を見ながら、戸惑いの微笑みを返してあげる私・・・

(あなたの彼女なんかより)
(100倍キレイな女でしょ?)

タオルをロッカーの扉にかけました。
彼が、思いっきり私を見ています。
その目の前で、
(イヤぁ)
(恥ずかしすぎる)
普通のことのように下の水着に手を伸ばしました。

躊躇う素振りを見せることもなく、ふくらはぎまで下ろします。
下半身もまる出しでした。
強烈な視線を感じながら、水着から足首を抜きます。

(イヤあ、嫌ぁ)

一糸まとわぬ全裸でした。
じろじろ見ている男の前で、素っ裸になっている自分がいます。

(ああああ、泣きそう)

ひざが、がくがくになりそうでした。
なんとか必死に演技を続けます。

さっき脱いだ、上のほうの水着も手に持って・・・
すっぽんぽんのまま、彼の前を通りました。

舐めるような視線で、からだを見られているのがわかります。

(あああ、もうだめえ)

浴室へのガラス戸を開けました。
腕だけを中に伸ばして、濡れた水着をしぼります。

もう、頭の中が真っ白になりそうでした。

(どんな気分?)

まだブースの中で着替えている、あの女の顔を思い浮かべます。

(いま、あんたの男は)
(私のはだかを見ることに夢中になってるよ)

ロッカーの前に戻ろうと、振り向きます。

歩いていきながら、また彼と目が合ってしまいました。
相手の目線が、ヘアーもまる出しの私の股間に『すっ』と落ちるのがわかります。

(恥ずかしい)

私は、特に意識していないというふりをしました。
相手としゃべるつもりもありません。

(嬉しくてしょうがないでしょ?)
(こんな美人が、真っ裸なんだもん)

再びタオルを手に取りました。
冴えない『あの女』の彼氏が、すぐそこから私を眺めています。

(イヤあん)

まるで、私のはだかを『鑑賞』しているかのような、ねちっこい視線でした。
私は、気にも留めていないふりを続けます。

さりげなく、彼のほうに背を向けました。
スリムにきゅっと切れ上がった、私のお尻を眺めさせてあげます。

時間は、ほとんどないはずでした。

少し背中を丸め気味にして、首を前に傾けます。
頭からバサッと髪を垂らしました。

タオルで包み込むようにしながら、もういちど丁寧に髪を拭きます。

(どきどきどき)

興奮がとまりませんでした。
私は痩せていて、あまり贅肉のない体型です。
こうして、ちょっと前かがみになっただけで・・・

(イヤあん、恥ずかしい)

もともと開き気味のお尻から、肛門が見えているのは確実でした。

(見ないでぇ)
(そんなとこ、見ないでぇ)

あくまでも、淡々と・・・
しとやかな手つきで髪をケアするこの女・・・

(ああ、わたし)
(こんな男のまえで)

お尻の穴をまる見えにしたまま・・・
無垢な女を演じている自分が、快感でなりません。

(もうだめ)
(泣いちゃいそう)

姿勢を戻して、無造作に髪を束ねます。

そのとき、
「バタッ」
個別ブースのドアが開きました。
あの女が出てきて、真っ裸の私にぎょっとしています。

(驚いてる)

相手の心理を、一瞬にして読み切っている自分がいました。
私は、
「Hi」
何の罪もないような表情で、彼女に微笑みを向けます。

「〇×□△〇、〇〇×□・・・」

タヌキ女がとげとげしい声で、彼氏に何かを言っていました。

私のほうにも、
「×□〇□、△〇×・・・」
毒づくような口調で、何かつぶやいています。

(やってやる)

何を怒られているのかわからないと・・・
びっくりした感じで、困惑の顔をつくります。
そして、つんとしてみせました。

わけがわからないというふうに、そっぽを向いてからだを拭く私・・・

せわしなく自分の荷物を持って、
「△□〇□××〇・・・」
タヌキ女が『早く行くよ』とばかりに、彼氏のことを急かしていました。
自分の彼が・・・
いつまでも私のはだかにチラチラ目をやっているのが、癪でたまらないといった様子です。

(私に、ブスなんて言うからじゃない)
(どっちがuglyだよ)

私の中で、プライドがばちばちと火花を放っていました。
ひとりマイペースに、ロッカー前でからだを拭いている演技を続けます。

(ああん、彼氏さん)
(その女を嫉妬させてやって)

すべて計算ずくでした。
自然体を装いながらも、絶妙のタイミングで・・・
かなり前かがみになって、脚を拭きます。

(あ・・あ・・・)

後ろから、もろに『あそこ』がまる見えになる格好でした。
帰ろうとするタヌキ女が、出口のあるこちら側へと歩いてきます。
その彼女に、ついてくるようにして・・・

(あ、あぁぁ・・・)

私の真後ろを、彼が『ゆーっくり』と通りすぎていきました。

きっと、間違いなく・・・
私の恥部を、その目にばっちり焼きつけながら・・・

そして、ふたりが建物から出ていきます。

(どきどきどき)
(どきどきどき)

姿勢を戻しました。
心臓が破裂しそうになっています。
ひとりぼっちになって服を着ながら、興奮に頭がくらくらしてくる私でした。

ナチュラル

残り少ない夏休みに、やることもなく・・・
自然の風景を撮ることを目的に、東京西部に行ってきました。
カメラを持ってひとりぼっちですが、もともとそういうのも嫌いではありません。

目的の駅に着きました。
ホームに降り立った周りの人たちは・・・
登山目的の、けっこう本格的なスタイルの人たちばかりです。

(年配の人が多い)
(すごいんだなあ)

私は、カジュアルなリュックにジーンズという格好でした。
誰もが無言で、黙々と改札に向かって歩いていきます。

(なんか恥ずかしいな)
(私だけ、ひとり浮いている感じで)

私のことを見ている人なんて、誰もいませんでした。
でも、なんとなく引け目を感じてしまいます。

(ひとりになりたい)

ホームのベンチに腰かけました。
ペットボトルのお茶を飲んで、自分だけ改札に行くタイミングをずらします。

4~5分待ってから、駅前に出ました。

(東京でも、都心を離れれば)
(こんなに田舎的なんだ)

私の故郷とそう変わらない山の景色に驚かされる気持ちになります。
もう周りには誰の姿もありませんでした。

とりあえず・・・
下調べしておいた登山口を目指して散歩していきます。

真夏の、ものすごい陽射しでした。
道路を歩いているだけで、体力がどんどん消耗していきます。

(なにこれ)
(すぐバテちゃう)

あっというまに全身汗だくになっていました。

(暑い。。。)

山登りをするつもりはありません。
でも、写真を撮りに途中までは行ってみるつもりでした。

水分を補給しながら、息を切らせて坂道を登っていきます。
やがて、登山口とおぼしき場所に着きました。

(疲れた)

リュックからカメラを取り出します。
ここからは、山道でした。
気に入った場所でときどき撮影をしながら・・・
登山道を進んでいきます。

でも、自分の体力がこんなに落ちているとは思ってもいませんでした。

(暑い)
(暑すぎる。。。)

風景にカメラを向けながらも、まったく集中力が続きません。
分かれ道に差し掛かりました。
ここを左に行けば、登山道ではなくハイキングコースに向かうことになります。

ベンチがあったので、リュックを下ろして休憩しました。
予定では、ハイキングコースのほうに行くつもりだったのですが・・・

(帰ろうかな)

内心、もう写真を撮る気分でもなくなってしまっています。
Tシャツが、汗でびしょびしょでした。

(よかった)
(多めに飲み物を持ってきて)

お茶を口に含みながら、体力の回復を待ちます。
でも、
(ふう)
いちど腰を下ろしてしまったベンチから、もう立ち上がる気がおきませんでした。

(あーあ、帰るか)
(暑っちいなあ)

下のほうから一人、こちらに登ってくる男性の姿が見えます。
ハイキング姿のおじさんでした。
かなり『でぶっちょ』な体型をしています。
やはり汗だくになって、
「こんにちは」
疲れ切ったように私に挨拶してきてくれました。

「こんにちは」

私もかたちだけ挨拶を返します。
そのおじさんも、もうひとつのベンチに腰かけて休憩をしていました。

なかなか立ち上がる気力がわいてこない私・・・
ペットボトルを持ったまま、ぼーっと森を眺めます。

おじさんが、シューズを脱いでいました。
靴下も脱いでいます。

(汚いなあ)
(なにやってんの?)

見るともなしに、そっちに目をやると・・・
(あ・・・)
その白い靴下が朱色に染まっているのがわかりました。

びっくりして、
「大丈夫ですか?」
思わず声をかけてしまいます。

「ええ」
「どうってことないです」

怪我のことよりも・・・
私に話しかけられたことのほうに驚いているような感じでした。

「ちょっと靴擦れしちゃいまして」

照れくさそうに笑っています。

たまたま絆創膏を持っていたので、分けてあげました。

「すみません」
「ありがとうございます」

まあ、よく見れば・・・
私も血の『色』にびっくりしただけで・・・
それほど大したことはなさそうです。

それをきっかけに、少しだけ世間話になりました。
私も、先を急ぐわけではないので・・・
このでぶっちょのおじさんのおしゃべりに付き合ってあげます。

(そんなに太ってて)
(よく山歩きに来ようって気になるなあ)

おじさんは、嬉しそうでした。
これでも、外見の容姿にだけは多少の自信がある私です。
経験上、
(見てるなあ)
相手が私の顔に見とれてくれているのが、手に取るようにわかりました。
日焼け止めとリップぐらいしかしていない軽いメイクの顔で・・・
にこやかに微笑みかけてあげます。

(よかったね、おじさん)
(いま楽しくてしかたないんでしょ)

よこしまな気持ちがわいてきていました。
というか・・・
もう、写真を撮る気もおきません。

別に、そんなことをしに来たわけじゃないのに・・・
もうひとりの『私』が、
(どこかでチャンスないかな)
よからぬ期待感を覚えはじめていました。

意識的に、このでぶっちょさんに親切にしてあげようとしている私がいます。

「足、大丈夫そうですか?」
「いちおう、これ」

予備の絆創膏も、念のため渡してあげました。
やさしく接してあげると、
「平気、平気」
「本当、大したことないですから」
おじさんは、デレデレの顔になっています。

「それじゃあ私、お先に」

立ち上がって、リュックを背負いました。
おじさんを残して、自分だけ先に出発します。

(どきどきどき)

計算ずくでした。
ハイキングコースは一本道のはずです。

(ぜったいに)
(またいっしょになる)

のんびり歩いていくふりをしながら、懸命に『ふさわしい場所』を探していました。
もう、頭の中は『それ』でいっぱいです。

ときどき適当なところで景色を撮影したりして・・・
後ろから来ているはずのおじさんとの距離が空きすぎないように調整しました。

(来てる)

はるか後方に『その姿が見えた』ぐらいの距離感で、また歩きだします。

(どこか・・)
(・・・いい場所ない?)

自分の狙っているはしたない行為に・・・
それを想像しただけで、もう興奮していました。

(おじさん。。。)
(先を行く私のこと、気になってしょうがないんでしょ?)

ずっとチャンスを窺いながら・・・
その後も、なかなかこれといった場所に巡り合えません。

やがて、
(ん・・?)
行く手に、ある『○○』が見えてきました。

(どう?)

その横から伸びるように、落石防止用(?)の高い柵が続いているところがあります。
下部には大きな空間が空いていました。
近づいて行って、
(どきどきどき)
隙間から向こう側を覗いてみます。

(ああ。。。)
(ここしかない)

そこそこのスペースがありました。
一部、あっちのほうに作業用(?)の遊歩道のようなものが見えます。
すぐ目の前には、側溝がありました。

(この位置からなら・・・)
(まる見えになっちゃう)

もうひとりの私が、『やっちゃえ』と言っています。
気持ちを演技モードに切り替えました。

(でぶっちょさん。。。)
(偶然出会ったこの子の・・・見せてあげる)

胸をどきどきさせながら、そのときを待ちます。
やがて、遠い木々の向こうにあのおじさんの姿が現れました。
ちょうどそのタイミングで、
(いまだ)
挙動不審な感じに、ハイキングコースから外れてみせる私・・・
おじさんが近づいて来ていたことには気づいていなかったふうに装っています。

無理やり斜面を踏み上がっていく後ろ姿を、一瞬だけ見せてやりました。

(どきどきどき)

急いで、柵の裏側へと入り込みます。
一段低いところに側溝を見おろして・・・
さっき自分で覗いてみた隙間が、ばっちりそこにありました。

(できない)

いざとなって、あまりの重圧に決心が鈍ります。
ジーンズのフロントを外しかけて・・・
(やっぱり無理)
(まる見えになりすぎて怖い。。。)
とっさに判断を変えていました。

慌ててリュックを下ろして、フタを開けます。

(来ちゃう)

背中に手を伸ばして、Tシャツの上からブラのホックを外しました。

(よし、これぐらいなら)
(イヤっ、それでもやっぱり恥ずかしい)

あのおじさんの気配がそこまで近づいてきています。

柵の向こう側・・・
まさに通りがかってくるその寸前ぐらいで、
「くしゅっ」
嘘のくしゃみを聞かせてやりました。
さっきのあの子が、この裏に潜んでいることに気づかせます。

(どきどきどき)

リュックの中をごそごそするふりをしながら、タイミングを計りました。
全神経を、柵の向こう側へと集中させます。

(ああん、おじさん)

人目をはばかるように・・・
柵の裏側に隠れている、ひとりの女・・・

隙間から、ひょいと顔が覗きこんできていました。
私は、Tシャツのすそを掴みます。
絶妙な角度でした。

汗でびちょびちょになったそれを着替えようと・・・
おなかから一気にまくり上げて・・・

いま偶然外れてしまったかのように、ブラもいっしょにめくり上げてしまいます。

(ひぃぃ)

胸をまる出しにしてしまったまま、
(ほらっ、ほら)
(ブラが外れちゃってるよ)
脱ぎかけの湿ったTシャツを、わざと自分のあごに引っ掛けてみせて・・・
もがくように上半身をくねらせました。

(おじさん見てる?)
(この子のおっぱいだよ)

裏返しになりながら肌にまとわりついてくるそれを、やっとこさ頭から抜きます。

(ああああ)
(超、見られてる)

ものすごい興奮でした。
すぐそこの隙間に、覗いているおじさんの顔があるのがわかるのです。

首からぶら下がったままのブラを直しもせずに・・・
おっぱいまる出しで、リュックの中を探っている『この女』・・・
乳首が尖って、ぴんぴんに膨らんでいました。

(見ないで、おじさん)
(恥ずかしい)

ようやくブラを直して、リュックから取り出した新しいTシャツに着替えます。
われながら完璧な演技でした。
きちんと身なりを整えて・・・
再びリュックを背負いながらも、このシチュエーションに興奮を抑えられません。

(やっぱり)
(ああ、やっちゃえ。。。)

なおも演技を続けていました。

(中途半端に『立ったまま』のほうが)
(きっと本当っぽく見える)

あからさまに、何かに迷っているふりをしてみせます。

(ああ、できる)
(いまなら、本当にできちゃう)

リュックを背負ったままで、おろおろしてみせました。

まさかすぐそこに人がいるなんて、夢にも思っていないかのように・・・
思いつめた表情で、
(おじさん)
(私のこの顔を見て)
不安におののくように周囲を見渡します。

中のパンツごと、ジーンズをふくらはぎまで下ろしました。
柵を背にして、側溝のふちギリギリの位置に立ちます。

(ああん、見て)

ほとんど腰を落としませんでした。
肩幅ぐらいに両脚を開いて、上半身だけを少し前に屈めます。
スリムな、私の『小尻』を・・・
剥き出しのまま、柵のすぐ向こうにいるおじさんに向けていました。

(もっと)
(不安そうにしてみせろ)

遊歩道の折り返しのほうを、しきりに気にするふりをしてみせます。
つるつるのお尻を楚々とお披露目したまま・・・
せつない表情で、
(もっと心配そうに)
何度も左右を振り向きました。

柵の隙間から私を覗いているおじさん・・
そのすぐ目前で、
(ああああん)
う○ちをしようとイキみます。
こんな『美人』が、
(ううううう・・・)
死ぬほど恥ずかしい姿を、男の人に披露してしまっていました。

(もっと、ふんばれよ)

両足を踏みしめたままで、前かがみの背中を震わせます。

(だめえ)
(見ないで)

立ったまま、ぽとん・・・
(あ、ああ。。。)
たぶん、ウサギのフンみたいに小さなう○ちでした。

(ひいいん)
(恥ずかしい)

硬い粒のような固まりが、
ぽろっ・・・
・・・ぽとっ・・・・
2つ、3つと、足もとの側溝へと落ちていきます。

(ひいいい)

羞恥心に苛まされて、意識が飛びそうでした。

さらに大物の感覚がすぐそこまで迫ってきています。

(ああん)
(我慢できない)

わずか2m後ろから、こっそり覗いている男の人がいるのに・・・
まったく気づいていないふりを演じていました。

(だめえ)
(出ちゃう)

あんなにやさしくしてあげた『この女』が・・・
不憫にも、その相手の目の前で・・・

もう限界です。

(あ、あ。。。)

お尻の穴から、太いものが顔を出していく感覚がありました。

(ああああ。。。)

ゆっくりゆっくりと・・・
長いう○ちがぶらさがっていくのがわかります。

恥ずかしすぎて、
(見ないでえ)
一気に顔が熱くなりました。

とんでもない醜態に、
(ああ、わたし)
(ひとまえで、う○ちしてる。。。)
見られてしまっていることへの興奮を抑えられません。

とにかく演技をしていました。
見られていることに気づいていないふりを続けます。

「ぼとっ」

長さに耐えられなくなったかのように、真下に落ちていくう○ち・・・

死んでもいいと思いました。
(男の人に)
男の人に・・・
(見られてるう)

本格的に『しようとする』体勢をとって・・・
憐れにも腰をかがめてしまう『この女』・・・

(お願い、おじさん)
(人がいるって気づかせてあげて)

背後から覗いているあの人に、私の陰部がまる見えです。

(でないと、この子)
(このまま、あなたの前で・・・)

あ・・あ・・・
死にそうでした。
お尻を向けたまま・・・
(ちゃんと見てて)
(う○ちするとこ見てて)
女としての自尊心をかなぐり捨てます。
でも、
(ああ。。。)
なかなか出ませんでした。

おじさんの目の前で、
「ぷぅっ」
下品におならだけを鳴り響かせてしまって・・・

「ぶぅーぅ」

(ひいいん、恥ずかしい)

その代わりに、
(あ、あ、あ、あ)
じゅわっ、じゅわっとおしっこが漏れてしまいます。

次の瞬間には、
「むにむにむに」
さっきに負けないぐらい太いう○ちが出ていました。

はああん・・・
生きていけない・・・

頭の中を真っ白にして、
「ぼとっ」
「・・ぼとっ・・・」
男性の前で、必死にふんばってみせます。

快感を通り越して、
(この子が)
(かわいそう。。。)
ほとんど抜け殻になったような気持ちでした。

(見ないでえ・・・)
(おじさんの意地悪・・・)

肛門を見せつけてしまったまま、華奢におしりを震わせてみせます。

「ぽとっ」

(もうだめ)
(死にたい)

そそくさと、紙で拭きました。
表向き、平然とした顔でパンツを上げます。

きょろきょろしながらジーンズを引っ張り上げて・・・

柵の隙間から、
『すっ』と・・・
あの人の顔が無くなるのが見えました。

(どきどきどき)

いまさらながらに、
(ぜんぶ見られた)
心臓が激しく動悸を起こしてきます。

(あああ)
(泣きそう)

呼吸の胸苦しさと、羞恥の気持ちと、自己嫌悪と・・・

でも、
(感じちゃう)
最高に興奮している自分がいました。

(こんなに)
(うまくいくなんて)

おじさんは、どんな気持ちで私を覗いていたことでしょう。
最後まで見ていたのですから・・・
(ヤあん、ばか)
こんな『美人』の衝撃的シーンに、目が釘付けになっていたに違いありません。

(ああ。。。)

自虐の快感に打ちひしがれていました。
私とおしゃべりしていたときの・・・
相手の嬉しそうな顔を、頭の中に思い起こします。

(おじさん。。。)

慌てて息を整えました。
そして、斜面を下るようにハイキングコースに降り立ちます。

(どきどきどき)

もう、でぶっちょさんの姿はありませんでした。
ほっとした半面、
(待って)
急いで後を追ってしまいます。

(どきどきどき)

『絶対に追いついてやる』と、気負うまでもありませんでした。

ちょっと歩いて行っただけで・・・
その先のベンチに腰かけているあの人が目に入ってきます。

ああ・・・
(待ってたんだな)
私には、お見通しでした。

もちろん、平然とした様子を装います。
けなげな顔で、
「あっ?」
また再会したおじさんに微笑みを投げかけてあげました。

「あ、どうも」
「いつのまに追い抜いたのかな」

おじさんもニコニコと笑いかけてきてくれます。
顔をしげしげとみつめられて・・・
内心、
(いやあん)
(恥ずかしい)
屈辱的な気持ちに悶えそうになりました。

(わたしの○○○を)
(見てたくせに)

何も知らないふりをして、
「休憩ですか?」
にっこり相手の瞳をみつめてあげると・・・
おじさんが、露骨に鼻の穴を膨らましています。

当然、決して言葉に出してはきませんでした。
でも、その目の中に・・・

『こんな可愛い子の』
『あんなに恥ずかしいところを見た』

はっきりと、そういう感情が宿っているのがわかります。

何の罪もない顔で、
「足は大丈夫ですか?」
ぽっちゃりおじさんを、やさしく気遣ってあげる私・・・

(やあん)
(そんな目で、見ないでえ)

無垢な女を演じてみせるのが快感でした。

「どちらのコースまで?」

そう聞かれて、
(どうする?)
(もう少しおしゃべりしてみる?)
心の内で、自虐の炎が燃え上がります。

「この先に□□□があるみたいなんで」
「そこまで行ってみようかと思ってます」

案内図で見た記憶を頼りに、笑顔で答えました。

「じゃあ、あと少し先ですね」
「よかったら、そこまでご一緒に」

断る理由はありません。

「いいですよ」

おじさんが、ベンチから『よいしょ』と腰を上げました。

ちょっとだけ親しくなった感じで、
「あれっ、さっきと違いますか?」
私のTシャツを見ながら、白々しく尋ねてきます。

顔が真っ赤になりそうでした。
でも、実際には顔色ひとつ変えないで・・・
「汗がすごかったんで」
「ちょっと着替えました」
楽しそうに振る舞うふりができていたと思います。

いっしょに歩きながら、
「私ですか?・・26です」
「だめですよ、女性に歳を聞いたりしたら」
けっこうおしゃべりが弾んでいました。
ナチュラルメイクの私は、どうせ実際よりもかなり若く見えているのです。

「写真を撮るのが好きで」
「ときどき、山に来るんです」

純朴な女になりきりました。
このでぶっちょさんのためだけに、惜しげなく満面の笑みを向けてあげます。

(よかったね)
(こんな綺麗な子と楽しくすごせて)

そして、よくわかりました。
この人が、何度も私と目を合わせながら・・・
『かわいい顔しちゃって』
『君のけつの穴まで、俺は見たぞ』
そんなふうな気持ちで、圧倒的な優越感を味わっているということを。

横に並んで歩いているときに、
「きゅうう」
いちどだけ、私のおなかが鳴ったときがありました。
そのときのおじさんの表情といったら・・・
今でも忘れることはできません。

「やだ、恥ずかしいな」

屈託なく照れてみせる私・・・
「そんなに笑わないでくださいよ」
恥ずかしそうに、ぱしぱし相手の肩を叩いてみせます。

(ああん、もうだめ)
(これ以上、演技できない)

相手の表情によぎったニヤニヤに、きゅんきゅん自尊心を辱められました。

(ああん、ばか)
(私がう○ちしてたとこ、思い出してるんでしょ)

まったく気づいていないふりをして、
「ん?・・どうしたんですか?」
にっこりと、みつめてあげます。

□□□に着きました。
お別れの場所です。
名残惜しそうな顔になったおじさんを無視して・・・
私はカメラを構えました。
そこから見渡す景色に向けて、
「ぴぴっ」
何枚かシャッターを切ります。

(見てる見てる)

写真を撮っている私のことを、でぶっちょさんがジロジロみつめていました。
その視線を浴びているのが心地よくて・・・
またも興奮してしまいます。

「じゃあ、私はここで」

引き際でした。
私も、ここでさらに深追いしようと考えるほど愚かではありません。

「ありがとうございました」
「足、気をつけてくださいね」

最後の最後まで、可愛らしい『美人』を演じてみせてあげて・・・
ひとりで、もと来た方向へと取って返す私でした。


(PS)
やっぱり私、暑いのって苦手です。
もっと、いっぱい夏休みがほしいなあ・・・
最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました。

«  | ホーム |  »

プロフィール

trashbox

Author:trashbox
変態さんいらっしゃい

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

CFNM萌え〜 (10)
男性の露出萌え〜 (10)
女性の露出萌え〜 (27)
手コキ (7)
リンク集 (36)
その他 (4)
イニシャルK (27)
ヒットヒットヒット (1)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR